お笑い

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  • 2023.10.31

パンサー・尾形「収録後はどの番組より疲れる…」 笑いを封印して数学の超難問に挑む! | ananweb – マガジンハウス

未だ解けない定理やその背景など、数学の超難問をパンサーの尾形貴弘さんが笑い封印で解説する、『笑わない数学』のシーズン2が放送中。すべては理解できずとも、文系の人でも知的好奇心が刺激される番組だ。 パンサー尾形が体当たりで数学の難問に挑む! 「高校も大学もスポーツ推薦で、知ってる公式は底辺×高さ÷2くらい。一日中山を登ったり、7時間半落とし穴にいたり、一生体を張り続けるんだと思っていたのに、NHKで数学番組のMCですよ。でも、収録でやることといえばカンペ読むだけですからね。…って、ここは否定してもらわないと! 数学に縁遠い僕でも、ちゃんと頭を使ってるんです。その証拠に、糖分を使い果たして、収録後はどの番組より疲れる…。でも、それが心地よくもあるんです」 MCの人選では、どんな無茶ブリも嫌がらず、突き進んでいく尾形さんしか思いつかなかった、と制作スタッフ。シーズン2ということで、カンペ読みもだいぶ上達したが…。 「逆に、抑揚のつけ方とか上手くなるなって言われるんですよ!」 制作側の意図としては、数学の知識や理屈を超越して「なんだかすごい!」といった感動を、素の尾形さんに届けてほしいからなのだとか。確かにその真っすぐなMCぶりには、知識をひけらかすようないやらしさが微塵も感じられないのがいい。 「学生時代にこの番組を見ていたら数学を好きになっていたかも。でも、頭のいい人がやっていたら、見ていなかった気がします。最初はドッキリかと思ったけど、僕がMCに選ばれた理由ってそういうことかもしれませんね。びっくりするんですけど、子供にも『見てる』と声を掛けられるのは、『パンサー尾形がやってるなら、自分にも分かるだろう』って思われてるからなのかな」 天才数学者でも難しい問題を視聴者に30分で伝えるのは至難の業。スタッフは様々な参考文献や原論文にあたり、複数の専門家にも話を聞く。ここまでで2~3か月はかかるそう。尾形さんは、収録前に約1時間のレクチャーを担当ディレクターから受ける、いわば最初の視聴者だ。 「さすがに全部は理解できないけど、スタッフのみなさんが開いてくれる勉強会にだいぶ助けられています。テーマを見つけてくるのも、僕がなんとか分かるところまでもっていくのも、すごく大変なはず。映像にもものすごいこだわりが感じられますし。だから簡単には言えないですけど、あえて言いたい。シーズン3も絶対にやりましょう! この番組のスタッフの方々って、センスがあるんですよ。でなければ、そもそも『笑わない数学』なんてタイトル思いつかない。僕より大喜利得意なんだろうな(笑)。悔しいわ~!!」 数か月の準備と収録ののち、さらに1~2か月かけてCGを駆使した編集や映像制作を行い、ようやく完成。 広いスタジオにタレントは尾形さんただひとり。「数学にとりつかれた数学者の切ない物語にも注目を」 『笑わない数学 シーズン2』 シーズン1は、「斬新な教養バラエティ番組」と評価され、ギャラクシー賞テレビ部門の2022年9月度月間賞に選出された。NHK総合毎週水曜23:00~放送中。NHK Eテレで毎週土曜21:30~、毎週火曜24:55~再放送。放送後1週間は、NHKプラスで見逃し配信も。 おがた・たかひろ 1977年4月27日生まれ、宮城県出身。2008年、お笑いトリオ・パンサーを結成。決め台詞は「サンキュー!」。『デカ盛りハンター』(テレビ東京系)に出演中。 ※『anan』2023年11月1日号より。写真・土佐麻理子 インタビュー、文・小泉咲子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/512781/ Source: ananweb

  • 2023.08.11

ジョイマン「最初は“ナナナナ~”じゃなくて“ララララ~”だった」 ラップネタ誕生秘話 | ananweb – マガジンハウス

“ナナナナ~”でおなじみのジョイマンが今年、コンビ結成20周年を迎えました。国民的ラップネタの誕生に低迷期からの復活、今の円熟した関係性までを語ってくれました。 独特のリズムと、「ありがとう オリゴ糖」をはじめとする韻を踏むラップネタで大人気となり、老若男女から愛されているジョイマン。お二人は現在、コンビ結成20周年を記念したサイン会ツアー真っ最中。 ――東京でのサイン会を終えられたばかりですが、いかがでしたか。 池谷和志:青森など遠方から来てくれた方もいれば、ジョイマンが好きなおばあちゃんのために来たという方もいて。高木が「ムーミン 永眠」とラップを添えていて、よくないなと思いましたけど。 高木晋哉:反面教師というか長生きしてほしいという意味を込めました。 池谷:サインに書いたラップは声に出して発表するので、並んでいる方にも楽しんでもらえたはず。 高木:高校の時の担任の先生が来てくれたりとドラマもありました。次は47都道府県を回りたいです。 ――2014年には、ファンが一人も来ない“サイン会0人事件”もありました。 高木:ちょうど仕事がなくなっていく最中の出来事だったので、芸能界の底はここなんだと。逆に、地に足がついたというか、這い上がる覚悟をする転機になりました。 池谷:僕から解散話をしたことも。でも、だんだん笑けてきてね。 高木:エレカシ(エレファントカシマシ)さんの「悲しみの果て」じゃないけど、涙の後には笑いがある。エレカシはジョイマンだよ。 池谷:最近、その話、気に入ってるよね(笑)。高木さんがツイッターに会場の写真を上げたのも、底まできたからなんだよね。 高木:営業が減る可能性があるので普通は隠すんですけど。自分の中で抱えきれなくて、誰かに言わないとダメだと思って、世間に発表することにしました。 池谷:でも、かわいそうだと思った人から仕事が来るようになったんです。0人の話をするためにテレビに出たりとか。一時期、最高月収と最低月収だけを言って帰る、みたいなことも多かったです。 高木:だから、ツイッターで恥ずかしい部分を発信してよかったなと思いました。それまではプライドもあり、カッコつけてたので。 池谷:恥ずかしいことを言って笑ってもらえる職業なんだとあらためてわかった瞬間でしたね。でも最近、高木さんの発信に哀愁が足りない気がしていて。ファンの方はもっと、切ない高木さんを求めていると思うよ。“あ、今幸せなんだな”とバレてるはず。フォロワーが減っちゃうかもよ? 高木:幸せってバレちゃいけないんですか(笑)。どんな地球だよ、どんな惑星だよ…。 ――(笑)。大変だった時に解散を踏みとどまったのはなぜですか。 池谷:2011年くらいだったか、仕事がない時に高木が結婚して子どもが生まれて。僕からコンビを組むことを誘ったし、高木は自分から解散しようと言えないタイプなので、もう辞めない? と言ったんです。絶対にしんどいはずだから。すると、「解散するなら、その理由はお金じゃなくない?」と言ったので、こいつ、すごいなと。嬉しかったし、それ以降、解散のことを言うのはやめました。 高木:まず、芸人自体、稼げると思ってやっていないんですよ。ネタがウケないとか、心が折れて続けられないという理由ならわかるけど、まだ何かできるんじゃないかという気持ちがあったんです。 ――ジョイマンさんといえば韻を踏むラップネタが有名ですが、どのように誕生したのでしょうか。 高木:コンビを組んだ当時は『M‐1グランプリ』の影響もあって正統派漫才をやっていたんですけど芽が出ず。何年かして急に、漫才の中にギャグみたいなものをポンと入れたんです。僕が何か言われて怒り出した後に「トゥントゥントゥ~ン」っていう…(立ち上がり、動きを見せようとする)。 池谷:雑誌じゃわからないから! 高木:で、池谷が「なんだそれ!」とツッコむという流れがあり、そこだけがウケて。そこから「山田優~ セクシ~ 山田なのにセクシ~ 山田優~ 契約~ CM契約2、3本~ 2、3本~ イ・ビョンホン~ ペ・ヨンジュン ペルー人~ ペルー人~ ウォンビン ビール瓶~ クリントン 20トン!」と一気にできたんです。 ――すごいです! 池谷:『おもしろ荘』というテレビ番組のオーディションの時に、ディレクターさんに言われてコントにしたんです。その時にすぐ会議室に入り、2~3時間後には「ヒウィゴー カモン」と高木が現れる流れができました。 高木:そのまま10何年やっています。でも、最初は「ナナナナ~」じゃなくて「ララララ~」だったんです。でも、世の中に「ラ」のつくものが少ないことに気づいて。 池谷:“やっていくなら、「ナ」だ!”とその時に背負ったんだね。 高木:あとはジャンプ力も上がり、池谷の「なんだこいつ~!」というツッコミの声も大きくなるなど、変化や成長もあります。 池谷:営業とか生の舞台になると、高木さんがテンパったり、高く跳ぼうとしてネタが飛んだりもして。 高木:ジャンプの頂点の時にはネタがもういなくなってますから。 池谷:でも、芸能界の底にいた時は、自分たちがネタに飽きていて、力を抜いたり、ラップを言わずにスカしたりもして。でも、レイザーラモンHGさんやムーディ勝山さんなど、“一発屋オールスターズ”の先輩たちに、もっと堂々とやったほうがいいとアドバイスをいただいて、ちゃんとやるようになったんです。 高木:今は楽しくやってますね。 ――韻を踏む時の言葉選びで意識をしていることはありますか? 高木:お客さん100人中、15人でも知らない人がいる言葉だと笑いが減るので、極力100%の人が知っている言葉を使います。正直、大変なのは言葉よりも体力で。ジョイマンはスポーツだと思うくらい疲れますから。 池谷:サイン会の場合は5~6時間と長いので、スタミナ切れしてましたね。でも、それを超えるとラッパーズハイになり、覚醒して、本当に怖いくらい韻を踏みます(笑)。「追いラップ」までしたり。 高木:でも、会話の中で「今、ジョイマンさんぽかった」と言ってくれる方もいて嬉しいですね。「ありがとう オリゴ糖」くらいの長さの単語が並ぶとジョイマンに見えてくる人は多いのかも。 池谷:みんなの中に、ジョイマンがいるんです。 高木:地上波のテレビだけなら、R-指定さんより韻踏んでるしね。 コンビ結成20周年記念「ジョイマンの全国サイン会ツアー2023 ありがとう 日本列島」を、全国の蔦屋書店・TSUTAYAで開催中。これから大阪(8/18・19)、愛知(8/20)、広島(9/9)、福岡(9/10)、北海道(10/7)、神奈川(10/8・9)を巡る。オリジナルサイン色紙(¥2,200)を購入して参加を。Tシャツやフェイスタオルなどのグッズも販売。 右・池谷和志(いけたに・かずゆき) 1981年2月18日生まれ、神奈川県出身。左・高木晋哉(たかぎ・しんや) 1980年8月18日生まれ、神奈川県出身。2003年結成。池谷さんがツッコミ、高木さんがボケを担当。今年「ジョイササイズ」を配信限定リリース。YouTube「ジョイマンチャンネルだけど 池谷のみ(飲み)時々、高木」を配信。 ※『anan』2023年8月16日‐23日合併号より。写真・内山めぐみ インタビュー、文・重信 綾 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/500775/ Source: ananweb