ゆっきゅん

  • 2024.03.20

ゆっきゅん、カラオケでヒットソングを歌って心の距離を縮めた日のことを振り返る。 | ananweb – マガジンハウス

ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。【前回までのあらすじ】能町みね子さんとの対談終了後、意気投合して2人で急きょカラオケに行ったゆっきゅん。そこで起こったこと、感じたことをエッセイにしてお届けします。 その人がどう生きてきたか、伝わってくるのがカラオケ。 私はカラオケで生まれて、それからステージに降りたったDIVA(依然としてカラオケには大学生かのように行き続けている……)という自覚がありましたが、人前で歌を歌うとは限らない精神性の意味での“DIVA”にとっても、やはりカラオケが最高のステージであることを思わされました。能町さんとゆっくり話すのは初めてだったものの、対談の後半、カラオケ観の一致によりカラオケトークで大盛り上がりして、そのまま銀座のカラオケへ。入店後即、念願の能町さんのChara同一化歌唱の「Violet Blue」を聴くことができたし、私が歌うChara「月と甘い涙」にはCharaでハモってくれて、面白くて幸せな時間すぎました。私たちは何の確認もなく、自分が歌う時の基本姿勢はソファに立ち上がった状態でしたし、CD音源通りのフェイクを完璧にこなしていました。歌い始めるとラッセン風なのかピクサー風なのかわからない海の生き物たちのカラフルなイラストがブラックライトで照らし出されるテンションの高い部屋は、別に曲の雰囲気を盛り上げるわけでもない。収録日がクリスマス直前だったのでJUDY AND MARYの名曲「クリスマス」をなんとなくYUKI意識の歌い方で二人で熱唱したりしました。なんか能町さんがリラックスしていつも通りの感じなのが伝わってきて、嬉しかったなあ。最高のステージでした。 カラオケBOXおよびヒットソングは人間と人間の心の距離を確実に縮めることができる。歌っている時も最高に楽しい時間でしたが、ただの会議室で「カラオケについて話す」ということはもっとたぶん珍しくかけがえないことだったな!? とふと思います。能町さんも「カラオケって最高なのに、詩的でも文学的でもないから語られない」とおっしゃっていたように、カラオケの文化的評価は高くないというか、完全に見過ごされているものです。人の本棚見るの好きな人っているじゃん、いやそれも好きだけど、私は人がカラオケで何歌うかってすごく気になるんだよね。どう生きてきたか伝わってくるっていうか。だから苦手なんだよって人もいるか。まあ、これからも私はたくさんの人を久しぶりのカラオケに連れていきたいと決意を固めています。俺が生きる『カラオケ行こ!』だ。能町さんとはもっと真面目に話してみたかったこともたくさんあって……またおしゃべりとカラオケに誘わせてもらおうと思います。 ゆっきゅん 1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun ※『anan』2024年3月20日号より。写真・幸喜ひかり 文・綿貫大介 (by anan編集部)*次回からは、シンガーソングライターで詩人の柴田聡子さんとの対談をお届けします! https://ananweb.jp/news/yukkyun/537807/ Source: ananweb

  • 2024.02.25

ゆっきゅん×能町みね子 “Charaからしか得られない栄養”を摂取し続けたい。 | ananweb – マガジンハウス

ゆっきゅんの連載「ゆっきゅんのあんたがDIVA」。今回も、能町みね子さんをお相手にお届けします。能町さんが好きな(文字通り「歌手」としての)DIVAは、Charaだそう。Charaの不思議な魅力について盛り上がりました! “さん”付けしたくない、Charaという絶対的存在。 ゆっきゅん(以下、ゆ):歌手だったら誰が好きですか? 能町みね子(以下、能):Charaかな。Chara“さん”ってあまり言いたくなくて。私の中ではあくまでChara。ずっと好きです。 ゆ:さん付けしたくないアーティスト、なんかわかります。 能:ただ、何が良いのか聞かれるとすごい言語化が難しいんですよね。よくモノマネみたいな感じでCharaを歌っているんですけど、自分としてはモノマネではなくCharaそのもののつもりなんです。同一化というか。 ゆ:憧れなんですかね? 能:なんだろう、全然自分と違うタイプだからかも。なりたいというより、目指せない存在かな。 ゆ:Charaからしか得られない“栄養”があるから、一生Charaの曲を聴くしかない。 能:ずっと現役で活動されているしね。私は10代の時から聴き始めたけど、ライブに行くようになったのはむしろ30代になってからで。昨年、今更ながらファンクラブ(以下FC)に入ったんです。 ゆ:10代の時ってFC入る発想ってなかなかなくないですか? 私もあゆ(浜崎あゆみ)のFCに入ったのは数年前です。それまでは姉が入っていたから、チケットは姉に取ってもらってて。 能:社会人になってお金に余裕が出てきてからだよね。FC限定のライブとかもそれで行けるようになりました。 ゆ:Charaのライブに行くと、どこからマイクで声を拾ってるかわからない時ありません? マイクを下げて高音を出している時もちゃんとさっきまでと同じ音量で聞こえてくる。ウィスパーな声の歌姫のライブを観ていると、やっぱり自分の体を楽器として使うってすごいなと思います。 能:やっぱりあの声の出し方だからカッコいいんですよね。 ゆ:私もCharaの曲を聴いてるとこの曲を書くような気持ちになりたいって思うことがあります。 能:わかります。共感とはちょっと違うけど、憧れはある。プライベートとか全然わからなくていいけどその気持ちだけわかりたい。 ゆ:家の中からインスタライブをしている時も、ここどこ? って感じですもんね。私生活がまったく見えてこない。 能:ゆっきゅんは、浮世離れした人にはならないんですか? ゆ:それは避けています。生活は謎だと思われてる部分もあるんですけど、歌詞とか活字上ではめちゃめちゃ生活感出てしまう(笑)。私はまだ神格化されることなく、人間でいたいですね。 のうまち・みねこ 北海道生まれ。文筆業。著書に、『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』(共著、朝日出版社)、『私みたいな者に飼われて猫は幸せなんだろうか?』(東京ニュース通信社)、『皆様、関係者の皆様』(文春文庫)、『結婚の奴』(平凡社)など。 ゆっきゅん 1995年、岡山県生まれ。青山学院大学文学研究科比較芸術学専攻修了。「電影と少年CQ」のメンバー。2021年からセルフプロデュースで「DIVA Project」をスタート。X、インスタは@guilty_kyun ※『anan』2024年2月28日号より。写真・幸喜ひかり 文・綿貫大介 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/yukkyun/533954/ Source: ananweb

  • 2024.02.03

浜崎あゆみ、宇多田ヒカル…個性豊かな歌姫たちも台頭! 識者が語る“Y2K”カルチャー愛 | ananweb – マガジンハウス

Y2Kカルチャーへの愛が止まらないポッドキャスト番組『Y2K新書』のパーソナリティ3人がananに登場! 2000年前後に輝いた人やカルチャーを振り返りながら、「個性」についてあれこれ語っていただきました。 女性の台頭を象徴づける才能が次々登場したY2K。 一部界隈で話題沸騰中の『Y2K新書』(TBSポッドキャスト)。作家の柚木麻子さんと振付師・竹中夏海さん、そしてDIVAのゆっきゅんさんが「個性」を中心に、縦横無尽に語り尽くします。 柚木麻子(以下、A):2000年前後に個性が際立っていた人といえば、誰が何と言おうと藤原紀香さん! 彼女は従来の「守ってあげたい女性」ではなく、「顔と体だけの女」を甘んじて受け入れながら恋愛に頼らない自立したキャラを繰り返し演じて、女性たちをエンパワーメントし続けてくれた。その割にあまりにも当たり前のインフラになってしまったところも含めて、無二の輝く個性なんです! 竹中夏海(以下、N):のっけから全開だね~。確かに紀香さん、ドラマにすごく出てた。柚木さん的おすすめ作品は? A:いろいろあるけど近いうちにふたりにも必ず見てほしいのが『昔の男』(※1)。ドロッドロの不倫の果てに、シスターフッドで人生をやり直す物語で、群を抜いて素晴らしいから。私はね、紀香さんの一連の出演作をフェミニズム的に語り直すことが、今こそ必要だと思ってる。 ※1【昔の男】2001年放送。内館牧子脚本、藤原紀香、大沢たかお、富田靖子、阿部寛ら出演。恋人同士だった男女と、現在の恋人や妻が絡み合う愛憎劇を描いたドラマ。 ゆっきゅん(以下、Y):そんなに凄いことをしたのに、なんで当たり前になってしまったんだろう? A:それはやっぱり紀香さんがあまりにもやる気に満ちてサービス精神旺盛だったことが要因かと。 N:あ~、たしかにそうかもね。 A:藤原紀香、杉田かおる、岩佐真悠子を使いこなせない日本のエンタメ界は本当に残念すぎるのよ! N:柚木さんの好きなタイプ、わかりやすすぎるんだけど(笑)。 Y:私的にはやっぱり歌姫カルチャーの話がしたい。’00年代初めは浜崎あゆみや宇多田ヒカル、MISIAを筆頭にソロが乱立した時代。一青窈(ひととよう)は独特の節回しと裸足のパフォーマンスが印象的だったし、自分なりの個性をみんな打ち出していたよね。なかでもすごかったのは断然、川瀬智子(※2)じゃない? ※2【川瀬智子】’97年にロックバンド「the brilliant green」のボーカルとしてデビュー。ソロプロジェクト「Tommy february6」「Tommy heavenly6」でも活動し、ファッションリーダーとしても支持された。 N:あのセルフプロデュース力はかなり先進的だったね。自分を俯瞰する視点がすごかった。 Y:そうなの。メガネ、茶髪ロング、ユニフォームっぽい衣装とかMVのビジュアルとか、隅々までこだわって世界観を作り、やる気のないすっとぼけた感じも秀逸だった。 A:椎名林檎の登場も象徴的だったな。歌姫でありプロデューサーでもある圧倒的才能の彼女に、まじで当時の日本中の女性が魅せられて傾倒していったからね。 N:あ、ともさかりえさんも! A:そう! 私の大好きなともさかりえさんの名曲「カプチーノ」は、ともさかさんと同世代の椎名さんが楽曲提供しているの。お互いの才能が共鳴し合っています! 今でこそ、夏海のように女性が女性をプロデュースするのは当たり前だけど、当時は秋元康さんとか小室哲哉さんみたいな力のあるおじさんが若い女の子を見出してスターにしていた時代。だから本当にセンセーショナルだったのよ~。 Y:カヒミ・カリィさん(※3)もだよね。 A:彼女も中谷美紀や緒川たまきをプロデュースして心酔させた“女を狂わせる女”(笑)。やっぱりY2Kって、カリスマ性のある女性が台頭し始めた時代だったんだよ!! ※3【カヒミ・カリィ】’90年代のカルチャーシーンを代表する歌姫。ミステリアスな美貌と繊細なウィスパーボイスで世界中を魅了した。 自分を発信して道を開いたSNS時代の先駆者たち。 N:身近な話で言うと、私はちょうど’00年に高1で。当時地元の埼玉では、ギャルがマジョリティだったの。で、ある日同級生の一人が茶髪ロングからオン眉のショートにしてきて! それがすっごいかわいくて、そこからうちの学校の風向きがなんとなく変わったんだよね。そういう、ギャルじゃないストリートっぽい感じの子を「個性派」って言ってなかった? A:個性派、言ってた! 懐かしいね~。雑誌で言うと『CUTiE』や『Zipper』だね。のちに“青文字系”と呼ばれた。 N:そう! それで’01年頃から文化祭でファッションショーするのが流行って、県立の普通科でも“ヤザガク”状態だった。 A:あとさ、Y2Kって骨格タイプとかイエベ・ブルベとか、全無視じゃない? あれが面白くて。 Y:わかる。映画版の『キューティーハニー』(※4)とか、めっちゃそう。 ※4【キューティーハニー】人気テレビアニメの実写映画版。「お色気路線から佐藤江梨子さん、市川実日子さんのシスターフッド的な展開に。片桐はいりさんの怪演も見どころ!」(柚木さん) N:あ、私がこの作品ちゃんと観てない理由って、まさにそれで「サトエリ、骨格に衣装が合ってないな…?」と思ってしまったんだよね。 A:今は普通の子でもパーソナル診断をして、自分にフィットするファッションやメイクを追求しているから、一周回って「全無視」が新しく感じられるよね。いっそのこと、似合う似合わないを考えずに、好きな服やメイクを選ぶと唯一無二の何かになれるよ。 Y:骨格や「ベ」、これからは無視が流行る気がする(笑)。 N:ちょっと話ずれるけど「友達親子」が生まれたのもゼロ年前後じゃない? 仲良しで対等な母と子を描いたドラマもたくさんあったし、現実でも定着したよね。私が理想とする友達親子は千秋さん。ブログを読むと、娘さんを尊重されてるのが伝わってくる。 Y:対等で尊重し合える親子関係は、子どもの個性を育む支えになる! N:しかも、千秋さんは自分の個性もガンガン出してきたじゃん。今と違って、特に女性タレントたちはバラエティの現場である種の戦いを強いられていたと思うんだけど、歌いたい歌を歌って、好きなファッションを貫いて、今の活躍にもつながっている。すごいよ。 Y:求められる仕事をしながら、自分の小宇宙は大事に守っていた感じ。最近は芸能人もSNSで発信しやすくなったし、若い女性芸人が音楽活動したり、タレントがブランドを立ち上げたり普通にできるようになったけど、千秋さんが先駆けな気がしてきた。あと、若槻千夏さんも外せないね! N:千秋さんのブログ「苺同盟」と若槻さんのブログ「マーボー豆腐は飲み物です。」は象徴的だね。 『Y2K新書』とは? Y2K(2000年代)のカルチャーが大好きな柚木さん、竹中さん、ゆっきゅんさんによるポッドキャスト番組。2000年前後のドラマや音楽、流行、その他もろもろを独自目線で熱量たっぷりに語る。シーズン1はアーカイブで聴取可能、待望のシーズン2は今年スタートするべく調整中! 柚木さんの新刊発売中。『マリはすてきじゃない魔女』 柚木さん初の児童文学。“人を救わない魔女”マリに振り回されながら、町のみんなが自分のための魔法を見つけていく物語。大人が読んでも、自分らしく生きる手がかりが得られるはず。絵:坂口友佳子。1320円(エトセトラブックス) (写真左)竹中夏海さん 1984年生まれ。藤井隆から=LOVEまで数々の振り付けやステージ演出を担当。老若男女問わずパフォーマーのアイドル性を引き出す。著書に『アイドル保健体育』(CDジャーナルムック)。若い女性の健康に寄り添う活動にも注力。 (写真中央)柚木麻子さん 1981年生まれ。2008年にオール讀物新人賞受賞。女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を多く発表。『ナイルパーチの女子会』(文春文庫)、『BUTTER』(新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。 (写真右)ゆっきゅんさん 1995年生まれ。アイドルユニット「電影と少年CQ」として活動し、ミスiDのファイナリストに選出され話題に。2021年よりセルフプロデュースで「DIVA Project」を始動。コラムの執筆でも活躍。 『anan』2024年2月7日号より。写真・玉村敬太 取材、文・熊坂麻美 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/529979/ Source: ananweb