コミック

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  • 2023.12.28

「ananマンガ大賞」は『太陽よりも眩しい星』に決定! 作品の魅力を4つのポイントで解説 | ananweb – マガジンハウス

anan的年末の恒例企画、マンガのお祭りがやってまいりました! 編集部が独断で選ぶ大賞の発表です。「第14回ananマンガ大賞」に輝いたのは、『太陽よりも眩しい星』です。 河原和音『太陽よりも眩しい星』 自分より小さかったあの子が、成長し、小学校から好きなこの気持ち、高校で、どうなる? 今回の大賞作品は、これぞ王道の少女マンガ、な名作。大人の女性におすすめの、旬なマンガを紹介する「ananマンガ大賞」ですが、ありがたいことに14回目を迎えることに。大賞の選考基準は、(1)ラブストーリーであること、(2)現在連載中であること、(3)カッコいい恋の相手、または主人公が出てくること、(4)読んだ後に前向きな気持ちになれること、の4つ。この基準に照らし合わせ編集部のマンガ好きスタッフが厳正に審査をした結果、今回の大賞は河原和音さんの『太陽よりも眩しい星』に決定! 雑誌『別冊マーガレット』で連載中のこの作品は、大きな体に繊細なハートを持つ主人公の女の子と、小学校時代から思いを寄せている男の子との、初恋ストーリー。幼馴染みの男子がいつの間にか超絶イケメン&モテ男になっていた…という、意外とみんな経験している設定で、物語が始まります。 作品の魅力を、4つのポイントで解説 1、出会いは小学校の入学式。牛乳嫌いな男の子・神城に、主人公の朔英は一目惚れ。 朔英が「私が飲んであげるよ」と言うと、神城は満面の笑顔に。それを見た瞬間に、朔英の片思いは始まった。それ以来6年間同じクラスで机を並べ、一緒に勉強したり、遊んだり。体の小さな神城を、朔英は何かと気遣う。 2、密かに好きだった神城が、今や身長183cmのイケメンに! 中学でも、進学した高校でも、クラスや学年を越えモテており…。 男子と女子、小学生時代は仲良しでも、中学では距離ができるもの。その上、小さかった彼は、今や学校中の女子がキャーキャー言う存在に。自分だけの推しだったのに、大スターになってしまったみたいな気分。切ない…。 3、朔英は昔から“大柄&頑丈な女子”。でも心は繊細で、傷つくことも多い。神城が朔英を気遣うのは、ただの優しさ? それとも…? なんと二人、同じ高校へ進学。当然神城は女子から大人気。神城に好きな人がいると聞いた朔英は片思いを諦め距離を取ろうとするが、「大事な友達だから離れるのは寂しい」と神城。え、思わせぶりなの、なんなの?! 4、朔英の仲良し、翠と美織。性格は三人三様、そのやりとりが、とにかくかわいい&楽しい。 K‐POPのアイドルのようなかわいいルックスの翠ちゃんと、クールでマイペースな美織。そこに控えめ&気遣いの朔英が加わった仲良し3人組の友情は、随所に尊いやりとりがあり、大人が読んでも胸がキュンとします。 河原和音『太陽よりも眩しい星』小学生の時から体が大きく、平均より頑丈だった岩田朔英。1年生の時に出会ったか弱くて小さな神城光輝に、それ以来ずっと片思い中。中学で背が伸びてイケメンになった彼と、同じ高校に進学するが…。数々の名恋愛マンガを描いてきた作者の最新作。1~7巻 484円~/集英社 ©河原和音/集英社 かわはら・かずね マンガ家。1991年に『別冊マーガレット』にて読み切りでデビュー。代表作に『高校デビュー』『青空エール』など。『俺物語!!』の原作者(作画・アルコ)としても知られる。 ※『anan』2023年1月3日‐10日合併号より。写真・土佐麻里子 多田 寛 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/525148/ Source: ananweb

  • 2023.12.24

待望のアニメ化! 宮島善博監督「アニメ業界で『ダンジョン飯』を最も愛しているのは僕です!」 | ananweb – マガジンハウス

シリーズ累計発行部数1000万部(デジタル版含む)超の大ヒット漫画、『ダンジョン飯』。ファン待望のアニメ化を手掛けるのは実力派スタジオTRIGGER(トリガー)。監督が語る、制作の裏側とは。 見ているだけで気持ちいい! 迫力映像で話題のスタジオ。 スタジオの立ち上げ以降、アニメ好きを唸らせるハイクオリティな作品を制作し続けているTRIGGER。なんといってもその魅力は圧倒的な映像美だろう。緩急の利いた動きやビビッドな色使いはシンプルにカッコ良く、普段アニメを見ない層であっても「何か、技術的にものすごいことが起きているぞ!」と直感的に分かるはず。 そして、彼らの本領はド派手なアクションだけではない。今作『ダンジョン飯』では、見ているだけでお腹が減ってくる調理シーンにシズル感たっぷりの料理カットと、新境地を開拓している。トップアニメーターは、どんなジャンルを描いても上手い…そんな事実を噛みしめさせられる。 TRIGGER・宮島善博監督インタビュー 原作漫画を読んだときの感動を共有したい! 「アニメ業界で『ダンジョン飯』を最も愛しているのは僕です!」と断言する宮島善博監督は、10数年来の九井諒子ファン。 「九井先生の初長編、しかもダンジョン×ごはん!? と驚きつつ連載開始時から愛読していた『ダンジョン飯』。1巻が出た2015年当時、僕の役職は制作進行だったんですが、TRIGGER社内でアニメ化の希望を出しました。そこから約9年、念願叶って監督を任せてもらえることになりました」 ドラゴン、冒険者、魔法などファンタジー濃度増し増しの作品世界のもうひとつの主役ともいえるのが、美味しそうな魔物料理だ。 「モンスターが倒され、解体されて食材に、調理されて料理に変わっていく。現実にない食材で作る料理を描くためにモンスターをデザインすることから始めました。解体したらどうなるか、調理の過程でどんな音がするか、味や食感は何に似ているかなどをデザイナーと作画監督陣で話し合い、音響効果担当にも無茶振りをして。イラストレーターさんに料理のイメージボードを描いてもらってそこから逆算するなど、いろいろな方向からアプローチしています。音響監督が現場にサソリを持ってきたときはさすがに驚きましたが(笑)、アニメをご覧になる方たちにも、代用品を探しながらダンジョン飯を作る楽しみを共有してもらえるんじゃないかと思います」 ライオス、マルシル、チルチャック、センシを筆頭に、キャラクターたちは度々ごはんを食べる。 「食事や調理中の手つきや身ぶりには、そこからキャラクター性が見えるくらいこだわっています。トールマン、エルフ、ハーフフットにドワーフなどの種族間の差や分かり合えなさは、作品の基調ともいえる部分。例えば長身のライオスと彼の膝の高さほどのチルチャックを同じ絵に収めることには苦労もあります。でも、それを活かした構図や演出を考え、重厚に膨らんでいく作品テーマをより深く表現することを目指しました」 来年1月に始まるTVアニメ放送とそれに先立つ劇場上映。監督イチオシの場面やエピソードは? 「絵コンテ、作画監督、アニメーターもみんな気合十分で臨んでいるのでひとつを選ぶのは難しいんですが…個人的には第3話の“動く鎧”かな。アクションも料理のシーンも、洗練された作画に音楽ががっちりハマって、カッコいい仕上がりになりました。原作漫画ファンにも、アニメで『ダンジョン飯』に出合った方にも、僕が初めてこの漫画を読んだときと同じくらいの感動を覚えていただけたら嬉しいです!」 『ダンジョン飯』 読めばお腹がすいてくる! 迷宮グルメ漫画ついに完結。原作は九井諒子による漫画。地下深く、謎多き大迷宮を行くライオス一行。妹ファリンを食ったドラゴンを倒すため、魔法使いのマルシル、鍵師のチルチャック、魔物料理に精通するセンシと自給自足の旅を続ける。KADOKAWA/全14巻 各792円 TVアニメ『ダンジョン飯』食うか、食われるか。ダンジョンに潜む魔物たちとの冒険活劇が動き出す! 12月8日~3週間限定の劇場先行上映中。TVアニメは2024年1月4日より全国28局にて連続2クール放送。Netflixほかで順次配信予定。©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会 映像制作会社TRIGGER  2011年設立のアニメ制作会社。『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られるスタジオ〈ガイナックス〉に所属していた3人によって立ち上げ。初のテレビアニメ作品『キルラキル』はダイナミックな映像とけれん味たっぷりのスタイリッシュな演出で大きな話題に。以降も、コンスタントに話題作を生み続けている。 監督・宮島善博 TRIGGER作品の制作進行、演出、絵コンテ、助監督などを経て、2023年『劇場総集編SSSS.DYNAZENON』で監督デビュー。’22年『サイバーパンク: エッジランナーズ』7、8話に参加。 ※『anan』2023年12月27日号より。取材、文・鳥澤 光 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/523342/ Source: ananweb

  • 2023.12.04

天才芸術家だと勘違いされ、人生が激変!? 30代半ばの“あがき”を描くコミック | ananweb – マガジンハウス

梅サトさんによるコミック『人生最大の噓ついた』をご紹介します。 アートとは? 才能とは? 嘘から始まる、30代の自分探し。 タイトルで心がざわつくが、冒頭数ページでその内容が明かされると、間抜けで笑える半面、他人事ではないという思いも芽生えてくる。主人公の前田と同様、美術大学出身で油絵を描いていた著者の梅サトさんは、前田のついた嘘をこう説明する。 「テレビなどで、例えば小学生と有名アーティストの作品を並べて、どちらが“アート”か当てる企画がありますよね。美術を学んだ側からすると、美術史や鑑賞ルールを知らなかったら、判断が難しいのはしょうがないと思うのです。だけど美術の世界にいる張本人が、勘違いで評価されたものを否定せず、『これはアートです』と言ってしまうのは、ユーモラスに描いているものの、結構罪深いことだと私自身は思っていて。だからこそ前田は悩み、罪悪感に押しつぶされそうになるんです」 前田は30代半ばになっても画家として成功できないことに焦り、単身ニューヨークへ。相変わらず底辺でもがいていたが、とある行動が著名クリエイターの目に留まり、天才芸術家として一躍注目されるように。帰国後、母校で非常勤講師の職を得るが、メッキが剥がれる不安に襲われてしまう。そして彼の前に現れる、学食で働く同い年の津崎さんは、嘘で傷つけられた過去を持っていた。 「津崎さんは正直な人で、身の丈に合わない嘘をついた前田に、爽快な風を吹き込んでくれる女性というイメージです。前田の作品やその変化に対しても、新鮮な反応をしてくれる鑑賞者の役割も担っています」 手のひらを返すように変わった、前田への評価を通して思うのは、才能のある・なしは誰がどう決めるのかということ。直接は描かれていないが、誰もがバズることのできるSNS社会の功罪も透けて見える。 「才能っていうのは自分に向ける言葉ではなく、他者が使う言葉だと私は思っています。これまで『才能がある』と言われてこなかった前田が才能を追い求めるときは、自信を追い求めるときでもあるんですよね」 美大を舞台にした作品は、それこそ若き才能と情熱がほとばしるようなものが多いが、本作は30代半ばの惑いを描いているのも興味深い。 「それなりの選択をしてきた20代があるぶん、後悔したり焦ったり、でも何かを悟ってしまうにはまだ早い年齢ですよね。私としても、美術は今だから向き合えるテーマ。そういう意味でも前田と伴走できることが嬉しいですし、この人のあがきをちゃんと伝えなきゃと思っています」 『人生最大の噓ついた』1 世界中に天才芸術家だと勘違いされる前田。嘘が嫌いな津崎さん、真のアーティスト・泉など、激変した人生を同世代の存在が揺さぶる、自分探しラブコメ。小学館 715円 ©梅サト/小学館 うめ・さと マンガ家。2013年『増刊flowers』掲載の「竜巻の日」でデビュー。主な作品は、『緑の罪代』『お兄ちゃんは今日も少し浮いてる』など。 ※『anan』2023年12月6日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/519135/ Source: ananweb

  • 2023.11.21

一枚の下着との出合いがきっかけに…自分を大切にする一歩になる『ランジェリー・ブルース』 | ananweb – マガジンハウス

働き方への不満や、ずるずるつきあっている恋人との関係に、日々閉塞感を感じていた34歳の派遣社員、深津ケイ。ある日、ランジェリーのセレクトショップで味わった運命的な体験が、ケイの人生を変えていく。人と下着との出合いを軸に描かれるコミック『ランジェリー・ブルース』がSNSでも大反響。その著者がツルリンゴスターさんだ。 自分にフィットする下着と出合い、生き方も見直していく女性の成長。 「伊勢丹新宿店『マ・ランジェリー』の初代ボディコンシェルジュ、松原満恵さんが下着について語った記事を読んで、私が描きたい女性の生き方にも通じるものを感じたんです。フィッティングしていただいたときに、ノンパテッド(パッドを使わず、レースでバストを包む)のブラを初めて着けたら、自重で涙型になり、バスト本来の形にキレイに整えてくれる感覚があって。寄せて上げてのブラとあまりに違う。作中でケイが伝説のフィッター・柳真智さんにフィッティングしてもらったときの気持ちをはじめ、お客様の心情は、私自身と重なるものも多いです」 そんな本書のいちばんの魅力は、「ステキなランジェリーを身に着けたら気持ちがアガった」で終わらず、生き方を見直したり、自己肯定にもつながっていく大きな物語になっているところだ。 「下着を選ぶなんてささいなことに見えるけれど、小さな選択ができるその先でしか、大きな選択もできる自分になれないと思うんです。ボディポジティブという言葉がありますが、実際問題、コンプレックスも自己否定も感じながら“自分の体をありのままに愛そう”と言われてもハードルが高いというか。むしろ、作中でケイの元派遣仲間の田﨑さんが言う〈自分の体を許す〉くらいの意味が女性たちへのエールになるのではないか、と思っています」 たくさんのランジェリーが登場するので、「絵にする難しさはひとしおだった」とツルリンゴスターさん。 「肌が透ける感じや、レースのデザインの繊細さ…。美大時代のデッサンスキルをフルに使っても大変でした(笑)。モデルさんではなくふつうの女性が着るわけですから、どこの肉がはみ出すとリアルかとか、ちゃんとフィッティングしたときの肌になじんだ感じとか、毎回冷や汗モノでした(笑)。ただ、『なんとなく買っていたけど、この本を読んで自分の買える範囲でちゃんと選んでみようかな』と思ってもらえたなら、本当にうれしい。自分を大切にする一歩にしてほしいですね」 『ランジェリー・ブルース』 年を重ねてからの体型コンプレックス、子育てに押されて自分を後回しにしてしまうジレンマ、男性や思春期にもある下着の悩みなど、扱うテーマは幅広い。KADOKAWA 1485円 ©ツルリンゴスター/KADOKAWA ツルリンゴスター イラストレーター、マンガ家。1985年生まれ、関西在住。2018年からSNSにマンガ投稿を始め、商業デビュー。他の著書に『君の心に火がついて』など。 ※『anan』2023年11月22日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・三浦天紗子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/516815/ Source: ananweb

  • 2023.10.31

「きっといる」と思わせてくれる怪しさと魅力アリ! 怪異を巡る、二人の男の見聞録 | ananweb – マガジンハウス

怪異を引き寄せる男と、追う男、日常の隣に潜む不思議を巡る物語『となりの百怪見聞録(ひゃっかいけんぶんろく)』。 「昔から怪談やホラーなど不思議な話が好きで、いつか描きたいと思っていました。私自身はだいぶ怖がりなのですが(笑)」 四季折々のスープと人間模様を描いた『オリオリスープ』の著者、綿貫芳子さんが満を持して挑んだテーマが、怪異。最新巻に収録されている「遠野物語」をモチーフにした短編「まよひが異聞譚」から、イメージを膨らませて連載化したのがこの作品だ。装丁家でゲイの片桐甚八は、“オバケ先生”と呼ばれる高名な日本画家の原田織座(おりざ)に、なくした財布をとある方法で取り戻す手助けをしてもらう。織座に惚れてしまった甚八は、なぜか怪異に好かれ不思議な現象に遭遇しやすいようで、“あちら”の世界に魅せられている織座の道楽に振り回されることに。 「ふたりとも『オリオリ~』に登場しているキャラクターで、具体的に触れる機会はなかったものの、結構細かく設定を考えていたんです。自分でも忘れていたことを思い出したり、実はこういう人だったのかと気づいたりしながら描いています」 あちら側への入り口となるのは、古本にあった見知らぬ人の書き込みや、不意にポスティングされる情報の少ない移動販売のチラシ、いつも釣り銭が置き去りにされている古い自動販売機など、誰もが日常で身に覚えがありそうなことばかり。 「描きたい物語があるからネタを探すというより、“気になることノート”が発端になることが多いですね。たとえば母から聞いた思い出話や、街中で見つけた変な風景、お風呂に入っていて唐突に浮かんだ単語などをメモしておくんです。それ自体は全然怖くなかったりするのですが、違和感や妙なギャップのある、座りが悪い事象をホラーの土俵に持っていく作業をしている感じです」 彼らは遭遇した怪異をドラマティックに祓ったりはしない。常識的にはあり得ない体験をしながらも、現実の隣に存在する世界だと認識して、また日常に戻る。その描き方に好感が持てるし、「きっといる」と思わせてくれる怪しさと魅力がある。 「いかにもモンスターっぽい佇まいだと、インパクトがあっても隣にいそうにないので、いつもそのせめぎ合いに苦戦してます。イメージは、街の角を曲がったらいそうな存在。ホラーや怪談といっても本当にさまざまですし、怪異が出てこなくても怖いこともたくさんある。そこに可能性があると思っているので、いろんな波で描けたらいいですね」 『となりの百怪見聞録(ひゃっかいけんぶんろく)』2 怪異に好かれる男・片桐甚八と、好事家の原田織座。不思議と恐怖、そして好奇心のバランスが絶妙な見聞録。Web「となりのヤングジャンプ」で連載中。集英社 715円 ©綿貫芳子/集英社 わたぬき・よしこ マンガ家。第64回ちばてつや賞一般部門にて「ヘミスフィア」で佳作受賞。著書に『オリオリスープ』(全4巻)、『真夏のデルタ』。 ※『anan』2023年11月1日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/512788/ Source: ananweb

  • 2023.10.30

木南晴夏が“セクシー田中さん”に! 「ベリーダンスは曲線美や大人の魅力が詰まった踊り」 | ananweb – マガジンハウス

大きな話題となったドラマ『ブラッシュアップライフ』や、公開中の映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』では、物語のキーパーソンを好演。気がつけばこちらの懐にするりと入り込んでいて、心に残るお芝居を見せてくれる木南晴夏さん。主演を務める新ドラマで演じるのは、昼は地味なOLだが、誰にも知られていない、エキゾティックなベリーダンサーの顔も持つ“セクシー田中さん”こと田中京子だ。 「原作の漫画を読むと、そもそも田中さんってすごくスタイルがいいんです。手足が長くて、体は細いながらも引き締まっていて。少女漫画でしかあり得ない見た目なのですが、なるべく近づけるようにと体を絞りながら役作りをしています。ちょうどこのお話をいただく少し前から始めたピラティスを継続しながら、5月からは食事コントロールとベリーダンスのレッスンをスタート。実はこの取材の前も、みっちり2時間レッスンを受けてきました」 役作り上、ベリーダンスの習得は最優先となるが、数か月間、地道にレッスンを積んできたという。 「最初に先生から『胸を張って自信を持って、全世界で自分が一番いい女だと思って踊ってみて』と言われて戸惑いました。ベリーダンスは曲線美や女性らしさを前面に出した、大人の魅力が詰まった踊りなんですが、そもそも私の性格はベリーダンサーの田中さんではなくOLの田中さん寄り。どうすれば自信を持てるようになるかなんて全然わからなくて。それでもレッスンを重ねて踊れるようになってくると、だんだん背筋が伸びていき、不思議と自信が持てるようになっていきました。煌びやかな衣装をまとい、イヤリング、ネックレス、ブレスレットに指輪と、これでもかっていうぐらい装飾品をつけるので、その華やかさも背中を押してくれている感じです」 会社の後輩・倉橋朱里役の生見愛瑠さんとは初共演。 「目がキラキラしていて美肌で、まつ毛も長くて…小動物みたい。可愛すぎて直接は見られないから、愛瑠ちゃんが誰かと喋っている時にこっそり盗み見て、可愛いな~って思っています(笑)。40歳の田中さんの生き方や発言にも『わかる!』って思うけど、でも、若さや可愛いことにしか自分の市場価値がない、と焦ったり悩んだりする朱里ちゃんに共感できる人のほうが多いんじゃないかな。私も20代の頃は、先の見えなさに不安を感じていたこともありましたから。それでもこの物語に出てくる人たちはみんな、自分で変わろうと決めて奮起していくので、見てくださる方にとって、何か変わるきっかけになれば嬉しいですね」 ところで、木南さんにも誰にも知られていない顔があるのだろうか。 「たまに『大木のように揺るがない心を持っていそう』と言われますが、実は根っこはネガティブで、人の言葉に影響されてスポンジのように吸収するからブレブレ。まぁそれも善しあしで、役者にとってはよかったりするのかもしれませんけど(笑)」 『セクシー田中さん』 ある日、ベリーダンサーのSaliに一目惚れした朱里だが、その正体はなんと職場の同僚でアラフォーOLの田中さんだった…。原作漫画はananマンガ大賞受賞作。日本テレビ系にて毎週日曜22:30~放送中。 きなみ・はるか 1985年8月9日生まれ、大阪府出身。公開中の映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』に出演。パン好きが高じて、「キナミのパン宅配便」というサービスを展開。 ワンピース¥82,500(PHOTOCOPIEU/SHOWROOM LINKS) 左手のリング¥39,600 右手のリング¥45,100 イヤーカフ¥154,000(以上GEORG JENSEN/GEORG JENSEN JAPAN TEL:0120・637・146) ※『anan』2023年11月1日号より。写真・神藤 剛 スタイリスト・中井綾子(crepe) ヘア&メイク・坂本志穂 インタビュー、文・若山あや (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/512796/ Source: ananweb

  • 2023.10.10

亀、蛇、ワニ…特殊なペットの病院とは? “エキゾ獣医”の奮闘を描く『珍獣のお医者さん』 | ananweb – マガジンハウス

飼う人がいれば診る人も必要。特殊なペットの病院とは? 二宮香乃さんによる『珍獣のお医者さん』をご紹介します。 世の中には、驚くべき職業がまだまだあるものだ。 「お仕事マンガを描こうと思って、浮かんだ案のひとつが爬虫類の医者でした。そして調べてみようと手に取ったのが、監修をしてくださっている田向健一先生の本だったのですが、とにかく面白くて、知識としても新鮮だったんですよね」 エキゾチックアニマル、略してエキゾとは、犬・猫以外の動物を指す獣医学用語。一般的な動物病院に就職したものの、犬アレルギーを発症したうえ、ミスを連発してクビになった神無望(かんな・のぞみ)は、まったく興味のなかったエキゾ専門の動物病院の門を叩く。そして敏腕エキゾ獣医、月光先生の下で働くことに。神無が最初に遭遇するのが、甲羅の割れた亀の治療なのだが、ラップでぐるぐる巻きにしたり、パテで割れた部分をつないだりして、クラフト感満載。 「亀はエキゾの中でも比較的身近な動物ですが、先生に取材をすると、マンションの5階から落ちて無事だった子もいるみたいなインパクトのある話ばかりで、本当に不思議な生き物なんですよね」 ほかにもトカゲ、蛇、ワニ、ウサギなどが登場するが、新米獣医の最初の難関が、検査や診療のために動物の体を一時的に動けなくする「保定」という行為。飼い主の前で蛇に噛まれても平静を装いながら実践を積む、涙ぐましい努力が描かれる。 「獣医のみなさんは大抵、手が傷だらけだったりして、大変な仕事だなと思います。しかもエキゾ獣医はニッチなので、前例も少ないし、情報を共有しながら道を切り拓いていくしかない。その感じもかっこよく描けたらいいなと思っています」 爬虫類などは特に、好き嫌いが分かれる生き物といえるが、二宮香乃さんの描くエキゾたちは、気持ちを理解したいという獣医側の心理の表れなのか、愛情を感じられる。 「描いたことのない生き物ばかりなので、毎回苦労しているのですが、みんな顔がかわいいんですよね。爬虫類は正面から見るとちょっと間抜けだったり、ワニもそばにいたら死ぬほど怖いだろうけど、目とか短い手足とかがかわいいので(笑)」 ペットブームなどで飼われる動物も多様化し、エキゾ獣医の需要は高まっている。本作は治療の現場を興味深く描きながら、ペットと人間のあり方も考えさせてくれる。 「ペットを飼う際、病気になったときのことまで考える人はなかなかいませんよね。だけど動物病院で起こっていることを先に知るのも、ありなのかもしれない。その辺を楽しく描けたら人間だけでなく、エキゾの役にも立てるかも、と思うのです」 二宮香乃『珍獣のお医者さん』1 ほかの病院では断られるような特殊な動物と、クセの強めな飼い主が訪れる、エキゾチックアニマル専門の動物病院。見たことのないメディカルドラマ。KADOKAWA 792円 ©二宮香乃/KADOKAWA にのみや・かの マンガ家。第10回エンターブレインえんため大賞 コミック部門で佳作。過去作に『小学生ゾンビ・ロメ夫』。本作は『ハルタ』で連載中。 ※『anan』2023年10月11日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/508557/ Source: ananweb

  • 2023.10.10

知り合いの恋愛相談を聞いているような感覚に!? 名ゼリフ揃い、近藤聡乃のバイブル的作品 | ananweb – マガジンハウス

人生で立ち止まった時、名ゼリフ揃いのレジェンド作家の作品が助けになるはず。「この先生の作品なら間違いない!」「もはやバイブル」というマンガ家さんが、あなたの中にもいるのでは。今回、ライター・青柳美帆子さんが推薦してくれたのは、近藤聡乃先生です。 【近藤聡乃先生】シンプルな言い回しが、登場人物をリアルに見せる。 マンガ、アニメーション、ドローイング、油彩など多岐にわたる作品を国内外で発表し、2008年からニューヨーク在住の近藤聡乃先生。 「エッセイ『ニューヨークで考え中』も、もちろんいいのですが、とにかく代表作の『A子さんの恋人』のセリフが素晴らしい! 決して凝った言い回しではないのに、キャラクターが確かに存在して、目の前で喋ってくれているような温度感があります。このセリフのリアリティが、登場人物みんな知り合いであるかのような感覚、知り合いの恋愛相談を聞いているような感覚を導いています」(青柳さん) 『A子さんの恋人』2巻 コミカルからの、本心。ギャップにやられる。NY帰りのA子を中心に、大人になりきれない男女を描く。「元恋人A太郎と、NY在住でアメリカ人の現恋人A君との三角関係もので、これはA君が愛を吐露する場面。本エピソードは前半がコミカルなA君で進むため、ギャップで余計に胸を打たれます。A君との会話は英語で(マンガは日本語)、それゆえの敬語が、急に静かな雰囲気になるようでいい」(青柳さん)。 全7巻 各792円/KADOKAWA ©近藤聡乃/KADOKAWA 『A子さんの恋人』7巻 若い時の絶望を、痛みとともに乗り越えて。同じく『A子さんの恋人』で友人U子のセリフから。「作品の中で一番印象に残っているセリフがこれ。本作は、時にはボタンを掛け違えてしまうことがあるというクリエイティブの才能にまつわるお話でもあります。若い時は絶対的に感じて絶望してしまうものを、時間の経過と成長で乗り越えていく、チクッとした痛みを受け入れて前を向くようなこのセリフは、いつ読んでもうるうるします」(青柳さん) ©近藤聡乃/KADOKAWA 青柳美帆子さん ライター。女性向けカルチャーやエンタメを得意領域とし、書籍、雑誌、Webなどで幅広く執筆。月1回、ありまよさんと雑談ツイキャス「給料日ラジオ」を配信。X(旧ツイッター)は@ao8l22 ※『anan』2023年10月11日号より。文・𠮷川明子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/508550/ Source: ananweb

  • 2023.10.10

大人になったからこそ、より心に沁みる名ゼリフも! “矢沢あい”名作マンガ | ananweb – マガジンハウス

「この先生の作品なら間違いない!」「もはやバイブル」というマンガ家さんが、あなたの中にもいるのでは。人生で立ち止まった時、この“レジェンド作家”の作品が助けになるはず。マンガライター・ちゃんめいさんが推薦するのは、矢沢あい先生です。 【矢沢あい先生】ページをめくれば、強いヒロインが導いてくれる。 『天使なんかじゃない』『NANA』など、数多くの名作を世に送り出してきた矢沢あい先生。現在は休載中だが、多くのファンを惹き付けている。 「恋愛、友情、将来……、多感な時期に立ちはだかる壁の乗り越え方を、美麗なキャラクターや繊細な感情表現で描く作家さん。強い心で自分の夢を貫くこと、別れるという愛し方があること、そんな“一般論に囚われない生き方”を教えてもらいました。ページをめくれば、先生が生み出した気高く強いヒロインたちが色褪せずにそこにいる。私の手を引いて光の方へと導いてくれます」(ちゃんめいさん) 『ご近所物語』 大人になったからこそ、心に沁みる名ゼリフ。デザイナー志望の実果子と、幼馴染みのツトムが成長していくラブストーリー。「大人になると夢や目標を見失いがちで、結婚や出産などのライフステージに悩み、自分の人生のゴールはどこ? と焦燥感にかられることも。人生は生きている限り続くからこそ、自分の人生をご機嫌に歩み続けるための“心”を育もう! 大人になったからこそより沁みる」(ちゃんめいさん)。 全5巻 各770円/集英社文庫 ©矢沢漫画制作所/集英社 『Paradise Kiss』 自分は自分と、目覚めさせてくれる。受験生の紫が、矢澤芸術学院服飾科のジョージたち「パラダイス・キス」のメンバーと出会い、モデルを目指す。「自分は自分! と言い聞かせていても、周囲の目が気になり、噂話などに振り回されて心をかき乱されることも。他人に自分の意識を持っていかれている時に、目覚めさせてくれるセリフ。横断歩道を力強く走り抜けていく紫の姿も印象的」(ちゃんめいさん)。 全5巻 各943円/祥伝社 ©矢沢漫画制作所/祥伝社 ちゃんめいさん マンガライター。マンガを中心に書評、インタビュー、コラムなどの執筆や、トークイベント、女性誌のマンガ特集に携わる。毎月100冊以上マンガを読む。X(旧ツイッター)は@meicojp24 ※『anan』2023年10月11日号より。文・𠮷川明子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/508544/ Source: ananweb

  • 2023.09.23

「東東京」を一緒に歩いているような気分に!? 『東東京区区』で街の魅力を再発見 | ananweb – マガジンハウス

東京という地名から思い浮かべるのは、どんな景色だろう。葛飾区出身のかつしかけいたさんによる『東東京区区(ひがしとうきょうまちまち)』は、「東東京」を一緒に歩いているような気分になれる一冊だ。 他者の視点が自分の視点を豊かにする、再発見の街歩き。 「もともと街歩きが好きで、いつかそれをテーマにしたマンガを描いてみたいと思っていました。しかもここ数年、葛飾区在住のエチオピアの方やムスリムの方と交流する機会が多く、マンガにするならそういった人のことも描きたかったのです」 インドネシア人の父と日本人の母を持ち、大学で社会学を専攻するサラは、立石の商店街にあるエチオピア人が営むカフェで、8歳の少女・セラムと出会う。そして店を空けられない母の代わりに、セラムに付き添って墨田区にある父の仕事場に忘れ物を届けることに。方向音痴のサラが悪戦苦闘していると、街歩きが趣味の中学生・春太がやってくる。 「普通の人とは少し違うところのある3人で、世代もバラバラですが、トリオだと立体的なバランスで面白くなりそうな気がしました」 3人が歩くのは東京スカイツリーのある押上や、『男はつらいよ』の舞台となった柴又、駅前の再開発が進む立石など。歩きながら、その土地の歴史や文化だけでなく、思わぬ本音などいろんな会話が飛び交う。 「場所を決めたら実際に歩いてみて、地域の図書館などで調べ物をして、3人だったらどんなふうに動くのか想像しながらストーリーを組み立てます。マンガを描くのと同じくらい、調べる時間も好きなんですよね」 観光地然とした風景はほとんど出てこないのも特徴で、スカイツリーのようなランドマークも、なじみのある風景のひとつとして描かれる。 「3人はルーツは違うものの東東京出身なのですが、ここで育った人が改めて街を見るという視点を大事にしました。よその地域から来るほうが、発見や驚きを表現しやすいのかもしれないですけど、暮らす人の視点で描く街歩きがあってもいいんじゃないかなと感じていたので。東東京は下町情緒溢れるエリアとしてメディアで紹介されがちですが、もっと生活者のリアリティに寄せれば、ある種のステレオタイプとは違うものが描けるはずだと思いました」 たとえ知らない土地のマニアックな知識だとしても、好奇心をくすぐられるのは、街やそこを歩く3人が魅力的に描かれているからこそ。 「読んでくれた人が、自分の地元をちょっと歩いてみようと思うきっかけになったら、うれしいですね」 かつしかけいた『東東京区区(ひがしとうきょうまちまち)』1 ムスリムの大学生、エチオピア人の小学生、不登校の中学生。世間の普通とはちょっと違う区区(まちまち)な3人が、東東京の魅力を再発見。トゥーヴァージンズ 1210円 ©かつしかけいた/トゥーヴァージンズ かつしかけいた マンガ家、イラストレーター。2010年頃より地元葛飾周辺の風景を描いたマンガ作品を発表。雑誌や書籍の挿画なども手がけている。本作が初の連載作品。 ※『anan』2023年9月27日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・兵藤育子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/506483/ Source: ananweb