フランス

  • 2024.05.23

「事態はあらゆるレベルで悪化している」フランスの気鋭監督が映し出したパリの知られざる真実 | ananweb – マガジンハウス

この夏さらなる盛り上がりが期待される都市である、パリ。日本でも人気の高い観光地ですが、そんななかでご紹介するのは、見たこともないパリの姿を映し出している話題作です。 『バティモン5 望まれざる者』 【映画、ときどき私】 vol. 645 パリ郊外にあるのは、「排除された者たちの地帯」という語源を持つ「バンリュー」と呼ばれる地区。ここにはいくつもの団地が立ち並び、労働者階級の移民家族たちが多く暮らしている。その一画にあたるバティモン5では再開発のために老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められていた。 そんななか、臨時市長となったピエールは、バティモン5の復興と治安を改善する政策の強行を決意。しかし、横暴なやり方は住民たちの反発を買ってしまう。そして、移民のケアスタッフとして長年働いているアビーたちを中心とした住民側と、市長を中心とした行政側が、ある事件をきっかけに衝突。やがて激しい抗争へと発展していくことに…。 日本では知ることのできないパリの“暗部”を垣間見ることができる本作。今回は、ananwebに4年振りの登場となるこちらの方に、その裏側についてうかがってきました。 ラジ・リ監督 2019年に発表された長編映画監督デビュー作『レ・ミゼラブル』で主要な映画祭の賞レースを席巻し、世界にその名を知らしめたラジ・リ監督。前作と同じ製作スタッフが再び集結し、本作でも貧困地域が抱える問題に真正面から切り込んでいます。そこで、現地での反響や自身が感じている使命、そして日本に対する印象などについて語っていただきました。 ―パリに対して華やかなイメージを持っている日本人にとっては、前作同様に衝撃を受ける作品ですが、フランスの観客からはどのような反応がありましたか? 監督 普段からフランスのメディアがこういった事実を見せることはないので、現実とのギャップに多くの方が驚いていたようです。そもそもパリに「バンリュー」のような場所があることを知らない人すらいるくらいですから。 そういったこともあって、僕の作品を通して何が起こっているのかを目の当たりにした方が多かったようです。フランスといえば、人権を掲げ、啓蒙思想が浸透している理性的な国というイメージがあるかもしれませんが、実際はそうではありません。だからこそ、僕の使命はいままで語られることのなかったフランスの真実をみなさんに示すことだと考えています。 圧力に近いような動きを感じることもあった ―『レ・ミゼラブル』が公開されたときは、作品を観たエマニュエル・マクロン大統領が閣僚たちに指示を出したという動きもあったと言われていますが、本作も改善に向けて政府が動き出すきっかけになったこともありましたか? 監督 本作で扱っているのは劣悪な住宅問題についてですが、政治家たちが隠したいと思っているようなことがテーマとなっています。そういったこともあって、改善どころかなるべく人々に見せたくないというような圧力に近い動きを感じました。とはいえ、これはもはや隠し切れないほど大きな問題になっています。実際、フランスでは500万人ほどの人が劣悪な住環境に暮らしているような状況ですから…。 そんななか、貧困地区を再開発し、中流階級の人たちを呼び込んで街のイメージを刷新させようとする動きが出てきています。ただ、そうすると結局そこに暮らしていた人たちが排除されてしまうため、新たな問題が起きるのではないかなと。特にいまは世界的スポーツイベントを控えているので、政府としてはあまりこの問題にフォーカスされたくないという意図があるのだと思います。 ―つまり、盛り上がりを見せるいっぽうで、貧困地域との差がより大きくなってきているということでしょうか。 監督 それは間違いなくありますね。大規模な再開発計画が進められたので、それに伴って貧しい人たちを排除するような動きがありました。事態はあらゆるレベルで悪化していると言わざるを得ません。 扱っている題材は、自分自身が経験してきたこと ―この状況を改善するためには、どういった取り組みが必要だとお考えですか? 監督 現状については確認していますが、正直なところ僕もどうしたらいいかわからなくなっています。ただ、わかっているのは、いまの政府はまったくいいところがないので、フランスは壊滅的な状態にあるということです。 ―だからこそ、映画を通して状況を伝えていくのがご自身のすべきことだと考えていらっしゃるのですね。 監督 まさにその通りです。次回作でもこれまで語ってきたように90年代に起きた問題について主に取り上げていく予定ですが、これからもこの路線で自分の使命をまっとうしたいと思っています。 ―では、ストーリーを構築するうえで苦労したことがあれば、お聞かせください。 監督 シナリオを完成させるまでに3年ほどかかっていますが、「それぞれのアイデアをどのように組み合わせていけば整合性が取れるのか」といった部分が一番難しかったですね。住宅に関する問題を抱えている人や排除されてしまった人など、いろんな方に直接話を聞きにいっては頭を悩ませました。 ―監督といえば、リアリティのある映像を得意とされていると思いますが、撮影時に意識していることについて教えてください。 監督 そもそも扱っている内容は、僕自身が経験してきたことでもあるので、どうすれば映像に現実味を出せるかというのが身に染みてわかっているのは大きいですね。だからこそ、現場に行くだけでリアルなシーンを撮ることができるんだと思います。 「戦い続けていく女性を描きたい」という思いがあった ―本作には俳優以外にも現地の方も出演しているのでしょうか。 監督 エキストラの8割は、実際の住人たちに演じてもらっています。「出たい!」とみんなが言っていたので、希望者が多すぎてむしろ大変なくらいでした。 ―俳優ではない方たちには演技指導をされたのか、逆に普段のままでいてほしいと伝えたのか、どのような演出をされましたか? 監督 僕の場合は、どうしてほしいかというのを事前にきちんと伝えるようにしています。なので、「自由にやっていいよ」という感じよりも、わりとしっかりと演技指導をさせてもらいました。 ―フランスの観客は衝撃を受けていたとのことですが、当事者の方たちの反応はどのようなものだったのでしょうか。 監督 映画で語られているのが自分自身の物語ということもあって、非常に喜んでくれました。彼らにとっては、撮影に参加したことも誇らしい経験となってくれたようで僕もうれしいです。 ―また、本作では女性のキャラクターが印象的に描かれています。女性を描くうえで意識されたこともありましたか? 監督 主人公であるアビーのように、市民のための援助活動を熱心に行っている力強い女性というのは、実際の貧困地区にもたくさんいます。そういったこともあって、彼女たちにオマージュを捧げたいと思い、今回は女性を中心に描きました。アビーのキャラクターに関しては、モデルが1人いるというよりも、実在するさまざまな女性をミックスして作り上げています。 ―アビーの存在には希望も感じましたが、ラストはどのようにして決められたのでしょうか。 監督 彼女がどういう道を進んで行くのかという結末については、かなり初期の段階から決めていました。というのも、「戦い続けていく女性を描きたい」という思いがあったので。ただ、本作は登場人物が多いこともあって、それぞれをどういうふうに動かしていけば最終的にこのシーンにたどりつくかを考えるのが難しかったです。 日本には強い感銘を受ける部分がある ―話は変わりますが、日本には4年前にもいらっしゃっているので、どのような印象をお持ちなのかを教えてください。 監督 ヨーロッパより10年も、20年も先を行っているような最先端の国だなと感じています。僕のルーツはアフリカのマリ共和国ですが、そこと比べると1世紀くらい未来にいますよね(笑)。それくらい近代的な国というのが第一印象でした。 ただ、取材などを受けているうちに日本でも最近は移民や貧困の問題があることを聞き、世界中どこにでも同じ問題はあるのだなと。どんなに発展した国であっても、すべてがうまくいっているわけではないのだと改めて認識しました。 ―だからこそ、監督の作品は日本でも多くの方に観てほしいと感じます。では、日本のカルチャーで興味を持っているものはありますか? 監督 僕たちの世代はみんなそうだと思いますが、やっぱり日本の漫画やアニメは大好きですよね。特に『ドラゴンボールZ』とか。なので、そういうカルチャーが生まれた国で自分の映画が上映されることは、本当に誇らしいことだと感じています。 あとは、「職人」と呼ばれる方々が1つのことに情熱と愛情を込めて取り組んでいるのが素晴らしいなと。そうやって美しいものを作り出している姿にも強い感銘を受けています。 ―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。 監督 女性の方々はがんばって働いていると思いますが、ぜひ権力もつかんでほしいと考えています。というのも、男性ばかりが中心になると戦争をしたりして、国をめちゃくちゃにしてしまうと感じているからです。これからは、もっと女性の時代になるように願っています。 “不都合な真実”が私たちに問いかける これまで抱いていた“花の都”パリのイメージを大きく覆し、観る者の心を激しく揺さぶる衝撃作。権力に屈することなく声を上げて戦う女性たちの姿に、決して他人事ではないと感じさせられるはずです。 取材、文・志村昌美 目が離せない予告編はこちら! 作品情報 『バティモン5 望まれざる者』5月24日(金)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開配給:STAR CHANNEL MOVIES (c) SRAB FILMS – LYLY FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – PANACHE PRODUCTIONS – LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023 https://ananweb.jp/anew/550525/ Source: ananweb

  • 2024.04.02

フランス映画界の実力派俳優「京都や奈良での経験は忘れられない」日本での思い出を語る – 写真・園山友基(ヴァンサン・ラコスト) | ananweb – マガジンハウス

映画ファンにとって毎年欠かせないイベントのひとつといえば、横浜フランス映画祭。今年も豪華なゲストたちによって大きな賑わいを見せましたが、今回はこちらの方にお話をうかがってきました。 ヴァンサン・ラコストさん 【映画、ときどき私】 vol. 641 『EDEN/エデン』や『アマンダと僕』などに出演し、フランス映画界をけん引する若手実力派俳優として知られるヴァンサンさん。オープニング作品『愛する時』では、ある過去を抱えながら小さな息子と暮らす女性マドレーヌと運命の出会いを果たす裕福なインテリ学生のフランソワを演じています。そこで、役作りの裏側や人間関係で大事にしていること、そして日本での忘れられない思い出などについて語っていただきました。 ―まずは、本作に出演したいと思った決め手について教えてください。 ヴァンサンさん 監督のカテル・キレヴェレのことはよく知っていましたし、彼女の過去作『スザンヌ』もすごく好きだったので、ぜひ仕事をしたいと考えていました。あとは、この作品で描いているテーマも非常におもしろいし、20年にわたるカップルの姿にもロマンがあるなと。いろんなものが詰まっている複雑な役どころでもあったので、友人であり素晴らしい俳優でもあるアナイス・ドゥムースティエと一緒に演じたいという思いになりました。 役のアイデンティティを表現するために10キロ以上減量 ―ananwebではキレヴェレ監督に以前取材をしたことがありますが、非常に細かいところにまでこだわりを持っていらっしゃる方という印象を受けました。現場ではどのような演出がありましたか? ヴァンサンさん 確かに、彼女の演出はとてもこだわりが強いですよね。そんななか、僕がこの役を演じるうえで言われたのは、まず痩せることでした。なぜなら、内面のもろさや繊細さ、そしてキャラクターの持つ優しさを身体で表現してほしいというリクエストがあったからです。そのために糖分をまったく取らずに10キロ以上も減量しましたが、そうすることで役のアイデンティティを表現しています。 ―なるほど。また、劇中の2人はそれぞれの秘密を共有し合うことによって、特殊な愛情で結ばれていたと思いますが、彼らの関係性をどのようにとらえましたか? ヴァンサンさん マドレーヌとフランソワは、お互いを求めているというよりも、社会から存在を拒否されている2人であるがゆえにお互いを支え合って生きているカップルだと思いました。苦しい生活のなかでフラストレーションが溜まっていくところもありますが、真摯な愛情もあるのでそこが映画としても美しい部分だと感じています。 人間関係で大事なのは、自分らしくいられるかどうか ―ご自身が人と付き合ううえで大事にしていることがあれば、お聞かせください。 ヴァンサンさん 僕自身は幸いなことにすごく自由に生活ができる国で、何の問題もなく暮らしているので、恋愛に関しても自分が思う通りの人間関係が実現できていると思います。とはいえ、自分らしくいられるかどうか、というのは一番重要ですね。 相手に求めているものがあるとすれば、優しさとユーモアがあって、いろいろな感性を持ち合わせている人であること。ともに時間を過ごすことになるので、それらは僕にとって欠かせないものです。 ―また、ヴァンサンさんはこれまでに数多くの作品に出演されており、毎回まったく違う印象を受けるのですが、作品選びはどのようにしていますか? ヴァンサンさん まず僕が作品を選ぶ際に重視しているのは、監督がどういう人かということです。どんなにシナリオがよくても、監督の解釈によって変わるので、監督の芸術的なビジョンに自分がピンと来るかどうかは必須ですね。 あとは、自分が観客として観たときにおもしろそうと思う作品には出たいなと考えています。僕にとって映画が生活の一部というのもありますが、観客としての視点は大切にしている部分です。 オフは何よりも自分の時間を大切にしている ―ご自身の見せ方で意識されていることもあるのでしょうか。 ヴァンサンさん 僕は若い頃から仕事を始めたので、最初はティーンエイジャーの役からスタートしましたが、その後はコメディやドラマでいろんな役を演じてきました。そのなかでも、なるべく同じタイプの役を選ばないようにはしています。とはいえ、俳優は提案をもらってから成り立つ仕事なので、いい話をもらうまでに時間がかかることもありますね。 ―ちなみに、オンオフはどのようにして切り替えていますか? ヴァンサンさん 撮影のときは長い期間ほかのことが何もできないので、オフのときはなるべく自分のために時間を使うように心がけています。家族や友人に会ったり、旅行をしたり、本を読んだり、映画を観たり、自宅のインテリアを考えてみたり、スポーツをしたり。とにかく自分の時間を大切に考えるようにしています。 日本の文化は、どれも特別で繊細 ―日本に来るのは3度目とのことですが、どのような印象をお持ちですか?  ヴァンサンさん いろんな文化があって素晴らしいと思いますが、そのひとつである映画には質が高くて美しい作品が多いと感じています。そういった部分は、昔から現在まで絶えることなく受け継がれているので、是枝裕和監督や今村昌平監督、北野武監督、濱口竜介監督といった監督の映画が僕は好きです。ほかにも、漫画や文学、そして食にいたるまで特別な文化ですし、どれも本当に繊細ですよね。 ―もし、日本での印象的な思い出などがあれば教えてください。 ヴァンサンさん 初めて日本に来たのは友達とのバカンスでしたが、ちょうどフランスがワールドカップで優勝したときでした。その瞬間は京都にあるバーにいたので、日本人とフランス人が一緒になって喜んだことが記憶に残っています。 それから僕は動物好きということもあり、鹿を見に奈良に行ったこともありました。ただ、せんべいをあげていたらどんどん鹿が集まってしまい、せんべいはなくなったのに15匹くらいの鹿に取り囲まれて追いかけられたことも(笑)。あれは忘れられない経験ですね! 人生に悩みがあるのは、とても自然なこと ―それでは最後に、ご自身と同世代のananweb読者に向けてメッセージをお願いします。 ヴァンサンさん 人生においてずっと悩みがあると感じることもあるかもしれませんが、これはとても自然なことです。なので、悩みを抱えている自分自身も受け入れていったらいいのではないかなと思います。他人に目を向けてみれば、みんなも将来に不安を持っている状態にあることがわかるので、「これは普通のことなんだ」と再認識できるはずです。 実際、僕自身も自分がしていることが正しいかどうか、確信を持てていません。でも、それよりも自分に対して疑いを持ったり、悩んだりすることは悪いことではないと考えるほうがいいのではないかなと。そうやっていろんなことに好奇心を持って乗り越えていくのは大事だと思っているので、みなさんにもそれを伝えたいです。あとは、友達と話をしたり、音楽を聴いたり、映画を観たり、外に意識を開いていくような生活にしていくのもオススメですね。 インタビューを終えてみて…。 これまで作品ごとにまるで違う顔を見せているヴァンサンさん。それだけに素顔はどんな感じか楽しみにしていましたが、フレンドリーでとても自然体な方でした。フランス映画界には欠かせない一人でもあるので、今後も幅広い作品での活躍を期待したいところです。 作品情報 「横浜フランス映画祭 2024」 写真・園山友基(ヴァンサン・ラコスト) https://ananweb.jp/anew/540717/ Source: ananweb

  • 2024.03.20

新入り猫さまを受け入れる姿に超感動!…飼い主が感動した猫さまたちの愛情とは – 取材、文・Manabu Matsunaga | ananweb – マガジンハウス

フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第217回目はメインクーン猫のツキ(Tsuki)さまとサンジ(Sanji)さま の登場です。 なにをするのも一緒の猫さまたちの物語 【フレンチ猫さま】vol.217猫さまの話をもっと聞かせて!グレートラのツキさまは1歳半、黒のサンジさまは1歳、ともに男性です。 <ツキさまが語ります>僕たちは75㎡のアパルトマンに住んでいます。僕は飼い主が起きるとすぐに足もとにかけより、彼女にスリスリします。ごはんなしでは良い1日を過ごすことができないからです。食後は親友のサンジと一緒に遊ぶモードに切り替えます。日中は寝たり食べたりゴロゴロして過ごします! サンジといえば寝坊すけで、食事もマイペースで何回かに分けて少量ずつ食べるのが好きです。飼い主は1日に1パックのウエットフードを数回に分けて乾かないようにしてくれています。そして常にボウルにカリカリを補充して、1日を通して食べられるようにしてくれています。 サンジは食後にトイレで用を済ますと、体が軽くなるのか、どこでも走り始めるのです。僕はそんな様子を横目で見ながら飼い主がソファに座っている隙を狙ってたくさんの愛撫を要求します! おやつはふたりともチュアブルスティック。チキン、サーモンなど、スティックであればどんな味も大好きです。歯の手入れも同時にできるのが気に入ってます。 僕は箱が大好きで、空箱を見つけるとどこにでも侵入します。サンジのお気に入りの場所は飼い主の足の上で、心地良さそうに居座ります。僕はとても社交的で、まったく嫌がったり恐れたりせず、機嫌がよく(時々すねますが)、とても愛情深くて貪欲な性格です! サンジは少し内気ですがおやつに関してはとても貪欲です。 <飼い主から見たツキさまとサンジさまとは>私の実家には猫が数匹いて、幼い頃からいつも猫と一緒に暮らしていて、その時からメインクーン種を飼うことを夢見ていました。なぜなら、その優雅さと毛並みに魅了されたからです。実家を出てからはメインクーンを引き取るためにブリーダーを探し始めました。ツキは写真を見てすぐ好きになりました! ずっと黒猫を飼いたかったので、その後サンジがやってきました。 ツキは私の家に到着したとき、とても怖れて動揺していました。彼はほぼ2週間、腸に問題を抱えていました。最初の3日間、彼はよく隠れて、どこにでも用をしていました。私は彼をトイレに入れるのにとても苦労しましたが、少しずつ彼は私を信頼し、今では完全に愛らしく、とても社交的で幸せです。私が仕事をしているときは彼が退屈しているように感じたのと、2匹目の猫を飼いたくてたまらなかったこともあり、ツキは友だちと遊ぶのが良いかもしれないと感じました。何か月も考えた後、サンジの写真を見つけたとき、私は黒猫を飼うという夢を捨てられなかったので、思い切って行動しました。 ツキがサンジを受け入れず、自分のことを無視されていると感じたりするのではないかと非常に心配していました。でも私がサンジを連れ帰り、家に着くと、すぐにふたりはお互いの匂いを嗅ぎ始め、ツキはどこにでも新入りの小さなサンジを追いかけていきました。サンジはとても気持ち良さそうで、ツキはついに友だちを連れてきてくれたお礼を言うかのように、私に体をこすったり、ゴロゴロと背中を向け始めました…。とても嬉しかったです。ツキがサンジを受け止め、きちんと迎え入れてくれますようにと願い続けていたからなおさらです。それ以来、彼らは一緒に時間を過ごし、一緒に遊んで、一緒に寝て、また一緒に遊んで、一緒に食事をし、すべての行動が一緒です! 忘れられないツキとサンジの出会い! ツキがサンジに近づいたときの安心感、やっと友だちができたツキの感謝…この素晴らしい瞬間は一生忘れません! 彼らの特技をお伝えしましょう。ツキは寝るときによくいびきをかきます。彼は素晴らしいたてがみと愛らしいかわいい口輪をもっています。サンジは私が撫でて嬉しすぎると、彼は完全に地面または私の上に落ちます。彼の黄色い目は黒い毛皮にとてもよく似合い、肉球は愛らしいです。 彼らがいるだけで私は幸せな気分に満たされて、彼らの生活を見ているだけで何時間でもすごせます。彼らは話さなくてもお互いを理解し、愛を示すことができることを私に教えてくれたのです。 ーー飼い主は日本文化が大好きなので、猫が日本的な名前であることがとても重要だったと話します。ツキは月を意味するように、グレーと白の色がとてもよく似合っているからと。サンジは人気漫画『ワンピース』のキャラクター「サンジ」から名付けたとのこと。大好きなこの漫画のキャラクターは「黒足のサンジ」とも呼ばれていて、黒猫の毛並みとピッタリだと思ったそうです。飼い主の心配をよそに仲良しのツキとサンジの昼寝の姿は見ていてほっこりしますね。 著者情報松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません! 取材、文・Manabu Matsunaga https://ananweb.jp/column/frenchchat/539299/ Source: ananweb

  • 2024.02.03

女優の飼い主はちょっぴり寂しい…膝に乗らない猫さまのツンデレギャップとは! – 取材、文・Manabu Matsunaga | ananweb – マガジンハウス

フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第205回目は白グレーのミネルヴァ(Minerva)さまと赤茶のロン( Ron )さま。 とことん自由気ままな猫さまたちの物語 【フレンチ猫さま】vol.205猫さまの話をもっと聞かせて!ミネルヴァさまは女性猫さま、ロンさまは男性猫さま。ともに4歳になりました。 <ミネルヴァさまが語ります>我が家は1950年代頃の古民家を増築していて、工房風のウィンターガーデンを作ってもらいました。ここでみんなで快適な日々を過ごしています。 私は、ガレージで生まれ、その後ここにやって来ました。ロンは近所の家で生まれました。私はよく長時間近所を散歩します。飼い主は私が生まれたガレージの隅で眠っているのか、それとも隣の公園で狩りをしているのかはわかっていないようです。家にいる時はリビングルームの肘掛け椅子で寝るか、本棚の近くのベッドでくつろぐのが大好きです。 ロンはとても家が好きで、よく寝ています。何をしたらよいかわからないときは食べているか(彼の一日は、食事用のボウルから椅子まで移動することだけの日もあります)、リビングルームにあるみんなのお気に入りの椅子で寝るのが好きです。そして2人とも遊びは共通していて、羽とポンポンが付いた棒とマタタビを詰めたネズミのぬいぐるみで遊んでいます。 私たちは2人とも新鮮な魚が大好物です。飼い主たちは忙しい時は家にいないことが多いのですが、みんなが揃う時は決まって魚が食卓に上がるので、幸せな時間を過ごせます。 <飼い主から見たミネルヴァさまとロンさまとは>あるとき猫が近所のガレージで生まれたと聞きつけ、娘と私でミネルヴァを迎えに行きました。私たちは彼女をとても愛しているにもかかわらず、少し衝撃を受けました。なぜなら、彼女はまったくおとなしくなかったからです。人間が嫌いな猫を飼うのはあまり楽しいことではありません。時間を経て少しずつ彼女は私たちに慣れてきました。彼女は1歳のときに5匹の子猫を産みました。父親は多分ロンだと思います。子猫たちは5匹ともみんなメスでした。 ロンは出産の時も慰めに来てくれて、とてもかわいかったです。ミネルヴァはとても良い母親でした。ある日、子猫たちがミネルヴァの元を去っていきました。ミネルヴァはあきらめたと思いましたが、子猫の一匹はミネルヴァに戻ってくるように呼びかけながら、母親を探していたようです。 ロンは近所の家で生まれた5匹の子猫のうちの1匹です。ロンの生まれた家の人々は、ロンがあまり賢い猫とは思っていませんでした。今はだいぶ良くなりましたが、最初は猫の生態、彼の性格を理解するのが難しかったのは事実です。彼はあまり行動的でもなく、時々少し何かに迷っているように見えますが、それが彼の面白いところでもあります。 私の家では、私が生まれたときから猫を飼っていました。そして、今ではもう1匹欲しいとさえ思っています。家に子猫がたくさんいた頃は最高でした。ロンは自分の赤ちゃんを愛し、一緒に寝て、とても父親らしく振る舞いました。とてもかわいかったです。でも、悲しいことに、我が家の2匹の猫は決して膝の上に乗ることはありません。基本的に独立心旺盛で、近寄られるのがあまり好きではありません。 ミネルヴァは非常にワイルドで、人を近づけることを許しませんが、突然愛情があふれます。頭突きをしたり布団の下で私たちと寝ようとしたり、たっぷりした愛情を示すことがあります。ロンは、椅子に座っているときや道端で転がっているときに、撫でてもらいたがります。 ミネルヴァは時に面白いことをします。近所の家から服を勝手に持ってきて、私たちへのプレゼントとして靴下や布などをベッドの足元に置いていきます。今では結構な量です。彼女がどこでそれらを見つけたのかはわかりませんが、苦情は一度もありません。ロンは道路のゴミ箱が置かれている場所に転がるのが好きで、時々汚れて帰ってくることがあります。ロンは大きくて不器用な漫画の猫のように見え、ミネルヴァは若いアジアの女神のように見えます。ロンは少しおっとりしていて、睡眠と特に食事以外に人生で何をすべきか本当にわかっていないようなので面白いです。ミネルヴァはとても美しく、彼女の愛情表現の瞬間は素晴らしいです。例えるならロンは静かな公園にある緑豊かな小さな山、ミネルヴァは自然の中に流れる澄んだ活気に満ちた春かもしれません。 ミネルヴァは私をとても愛していると思います。私は彼女の愛人であり、時には私の夫に対しても愛情を返しますが、娘には近づきません。彼女はあまりにもワイルドです。ロンは特に娘を愛しており、私への愛情はあふれていません。娘は唯一彼を心から安心させることができるのです。娘が家に帰ってくるとロンはとても幸せなようです。猫は家に多くの静けさをもたらします。彼らには永遠の何かがあり、時間が経っても動じずそんな彼らの独立性と理解の難しさが大好きなのです。 ーーパリ近郊のモントルイユには多くのクリエーターが住んでいます。ここに住んでいる女優のヴァレリー・クルーゼと舞台監督のダン・ジェメット、そして14歳の娘さんが、2匹の猫さまととても自由に生活をしていました。近くに大きな野生公園もあるのですが、ミネルヴァさまの狩りの獲物が洗濯物だっていうのが面白いですね。 著者情報 松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません! 取材、文・Manabu Matsunaga https://ananweb.jp/column/frenchchat/530363/ Source: ananweb

  • 2023.11.11

そろそろ猫鍋の季節!…仲良く寄り添い合う猫さまたちの自信満々の表情 – 取材、文・Manabu Matsunaga | ananweb – マガジンハウス

フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第180回目はトラ猫のマーカス(Marcus)さまとミニー(Minnie)さま。 「ジダン」「ターミネーター」というニックネームがある猫さまたちの物語 【フレンチ猫さま】vol.180猫さまの話をもっと聞かせて!マーカスさまは4歳の男性、ミニーさまは3歳の女性猫さま。 <マーカスさまが語ります>ディズニーランド・パリからほど近い、快適な開発地にある庭付きの2階建ての家に住んでいます。僕は小さい頃から病気で肺が弱いため、日中はよく寝ています。でも、外が寒すぎない限り、家の外の広い緑地でも遊んでいます。 妹ミニーは僕よりも活発で、足が速く、頻繁に外出します。冬の間、僕達は家の中にいます。僕らが遊んだり運動したりできるように、窓際に大きなキャットツリーが2つ準備されています。 ミニーは飼い主のデスクの棚の上に座ったり、山積みになった服の中で寝るのが好きです。僕はソファで居眠りするのが好きで、いつも右隅に小さな毛布を置いてもらっています。それ以外の場合はソファに横になって窓の外を眺めています。 おもちゃは前脚でサッカーのように遊ぶ小さな綿毛のようなネズミが好きです。そんな時、飼い主は僕を「ジダン」と呼びます。ミニーは、ゴムバンドが付いた小さなボールが好きで、これで飼い主と多くの時間を過ごします。飼い主はよく彼女を「ターミネーター」と呼びます。彼女は定期的にゴミ袋を攻撃します。運悪くおやつの入った小さな袋が彼女の手の届くところで見つけると、次の日の朝、その袋が歯や爪で砕かれていることがよくあります。 食事は獣医さんから購入したカリカリが主ですが、時々おやつや好きなものをいただきます。例えばエビ、鶏肉、パン! です。 <飼い主から見たマーカスさまとミニーさまとは>マーカス、リリー、ミニーが生まれる前、我が家にはニーナという19年間生きた猫がいました。彼女が去ったときは悲しみに明け暮れていたので、私たちはすぐに再び猫を飼うことに決めました。 SNSでマーカスの写真を見ました。それは、ずぶ濡れになった2匹の猫が車の下にいる写真でした。私たちはその写真を投稿した人に会いに行き、マーカスに出会いました。会った瞬間、好きになりました。 マーカスは妹のリリーから離れることはありませんでした。離ればなれにするのは非人道的であると考え、ふたりを受け入れることにしました。しかし残念なことに1年後、車に轢かれて小さなリリーを失いました。マーカスはいつもどこでも彼女を探していて、私たちは彼をひとりにしておくわけにはいかないと考えました。それから動物保護協会を通じて小さな猫を探しました。こうしてミニーちゃんが我が家にやって来たのです。 ふたりはとても仲が良く、マーカスはとても臆病で何事にも恐れを抱いているので、ミニーの存在がマーカスを安心させてくれます。ミニーは幼い頃からのとても柔らかい毛皮を保っています。小さいのでミニーと呼んでいます!  マーカスは何もかもが怖くて、たとえ私たちと一緒にいて安全なときでも、異常な物音を聞くとすぐに飛び上がります。ミニーとは大違いです。マーカスは私たちを必要としていて、常にコンタクトを取り合い、抱っこを求め、一緒に寝に来ます。躊躇せずに羽毛布団の下に潜り込んで私たちに寄り添ってくれます。ミニーは姉のようで、マーカスが横になっているときはなめてあげます。彼女は優しいのですが、抱っこをあまり要求しなくなりました。それでも時々私たちに会いに来て頭突きをし、私たちが大好きであることを示しています。 マーカスの顔(顔の表情)は、いつも悲しんでいる、迷子の猫であるという印象を与えます。ミニーはとても元気いっぱいです。マーカスよりもはるかに活発で、何があっても常に前に進む姿勢がマーカスを安心させます。彼女は毛玉のようで、本当に優しくて、とても柔らかいのです! 猫は家で何を考えているのでしょうか? 目標は、この共同生活ができるだけうまくいくこと、そして猫たちが私たちと一緒にいても、私たちなしでもできるだけ快適に過ごせるようにすることです。生活や習慣の中で猫たちが私たちをずっと幸せにしてくれることを求めて。 もっとも面倒なのは、彼らから逃げ回るネズミやハクビシンを家の中に連れてきてしまうこと! 彼らの、勝ち誇った自慢たっぷりの表情には複雑な思いですが(笑)! 彼らは私たちに多くの喜びをもたらしてくれるし、いてくれるだけで完璧なストレス解消になっています。腕に抱きしめることができるのはとても嬉しい瞬間です。 ーー生まれた時からマーカスさまは妹想いでひとりではいられなかったようです。実の妹を失った後もミニーさまを本当の妹のように思っているのでしょう。とっても明るく前向きな姿勢のミニーさまとの日常はマーカスさまを常に喜ばせているのです。 著者情報 松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません! 取材、文・Manabu Matsunaga https://ananweb.jp/column/frenchchat/515735/ Source: ananweb

  • 2023.11.05

毎晩感動させられる…飼い主をとろけさせる猫さまのかわいすぎる寝姿とは – 取材、文・Manabu Matsunaga | ananweb – マガジンハウス

フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第179回目はスコティッシュ・フォールドのタイスー(Taisū)さま。 日本が好きな飼い主をもつ猫さまの物語 【フレンチ猫さま】vol.179猫さまの話をもっと聞かせて!タイスーさまはもうすぐ1歳の女性猫さま。 <タイスーさまが語ります>私は中庭が見える大きなロフトタイプのアパートに住んでいます。とても明るくて静かです。パリのど真ん中、サン・マルタン運河の近くなのに、一軒家にいるような錯覚に陥るほどです。いい環境なのでよく眠れています。 朝起きて、最初にご飯をもらうのはこの家のお父さんからです。目覚まし時計が鳴るのを静かに待ってからご飯をもらいます。昼になると、お母さんのオフィススペースに遊びに行き注意を引きます。もっと小さかった頃は、お母さんがパソコンで仕事をしている間、ずっと机の上にいました。お母さんは家で仕事をしているので、一日中、抱っこの時間が多いのです。 夜になるとベッドで一緒に寝ますが、夜中には一人で家を徘徊します。毎朝、肉か魚のパテが出てきます。それから一日中少量のカリカリもいただきます。私の特別な食事はありません。獣医のアドバイス通り、いつも同じものを食べていて、人間の食事は食べません。時々、良い行動をするとおやつをもらいます。例えば、爪を切った後とか。 幸運にも家の中に部屋がたくさんあるので、家の中で散歩ができます。ソファの上で寝るのが大好きで、シートの上や端っこでも寝ています。飼い主がキッチンにいるときは、ピアノの脚の上で休むのも大好きです。 小さなおもちゃをたくさんもっていますが、一番興奮するのは、クレープ・ダンテルの包み紙で作った金色の紙のボールです! ボール状に丸めて、投げてもらいます。そのボールを取りに走り、床を滑って(肉球の間に毛を挟んで)ボールで遊び、口にくわえて飼い主たちのところに持って行って、足元に置いて遊び続けます(まるで犬のように)。 性格はとても穏やかで、怖がりと言われます。飼い主夫婦はもう若くなく、ここの子どもたちも成長して家を出たので、穏やかな生活には私が欠かせないそうです。ブリーダーは、私を「鳴く機械」だと断言しましたが、それは本当です! 家の中では何も壊さないし、飛び跳ねたりもしないし、飼い主たちが食事をしているときにテーブルの上に乗ったりもしない。とてもお行儀がいいのです。高層階だから、ドアが開くとすぐに外に飛び出すんじゃないかと飼い主は心配していたらしいけど! 玄関のベルが鳴ったり、誰かが入ってきたりすると、怖がって隠れてしまうのです。 <飼い主から見たタイスーさまとは>私たち夫婦は子どもの頃にそれぞれ猫を飼い、新婚の頃にも飼っていました。でも、タイスーは今まで飼った猫の中で一番かわいいというのが二人の意見です。 私も夫も日本が大好きです。Taisū(タイスー)は”大数”や”対数”と訳せますが、夫の統計学の仕事にちなんで名前をつけました。猫をブリーダーから購入したのは、性格が合う特定の品種が欲しかったからです。ブリティッシュショートヘアとの交配種であるスコティッシュフォールドを選びました。スコティッシュフォールド特有の寝相は仰向けで前足を曲げて、さらに広げて寝ます。それは、彼女が私たちをどれだけ信頼しているかを示すもので、面白くもあり、感動的でもあります。 小さな丸い頭、大きな目、小さな耳がフクロウのようです。「カワイイ」という言葉は彼女のために発明されたと思うくらいです。まあ、丸くて小さなフクロウのような頭と、1歳になってもまだ子猫のように見える短い脚、グレーとベージュの縞模様の被毛は見事で、とても柔らかい。まっすぐでふさふさした縞模様の尾は、マダガスカル(アニメのほう)のキツネザルを思い出させてくれます。 タイスーは私によく似ています、もともと穏やかで、スポーツが嫌いで、よく寝て、お行儀がよくて、あまり冒険はしない! そっくりです。もし彼女が私に話すことができたら、私が彼女の爪を切りたがるときと、彼女に十分な食事を与えないとき以外は、私のことを好きだと言うと思います! 休暇や週末の遠出から帰ってくるたびに、再会を喜びます。旅の終わりが悲しくなることは、タイスーが来てからは感じません。タイスーは私たちの人生のちょうどいい時期にやってきました。子どもたちが家を出てからというもの、私は自宅でひとりで仕事をしているため、夫の帰りを待って堂々巡りをすることが多く、時には深夜になることもあったのです。そんな時にもタイスーは私に癒しと安らぎを与えてくれる存在です。もう大きくなった子どもたちにはしてあげられない抱っこも、彼女は喜んで鳴いて受け入れてくれるのです。 ーーまん丸お目目で甘え上手なタイスーさま、PCの横でこんな表情されたら仕事にならないのでは? 飼い主の仕事のほうが心配になりますね。仰向けになった姿を見るとそこに顔を埋めたくなってしまうぐらい可愛い存在でした。 著者情報 松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません! 取材、文・Manabu Matsunaga https://ananweb.jp/column/frenchchat/514922/ Source: ananweb

  • 2023.11.04

猫さま派だけどネズミにドハマり!…飼い主が毎日癒されるスナネズミさまのルーティンとは – 取材、文・Manabu Matsunaga | ananweb – マガジンハウス

フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介。今回は番外編で、実は猫さま派家族に愛されているスナネズミの登場です。第178回目はスナネズミ(ジャービル種)のバニーユ(Vanille)さま。 好奇心旺盛なスナネズミさまの物語 【フレンチ猫さま】vol.178 番外編スナネズミさまの話をもっと聞かせて!バニーユさまは2歳10か月の女性ネズミさま。 <バニーユさまが語ります>私はパリ郊外にある1897年築の石造りの古い家に住んでいます。庭があるけど、鳥や猫のおもちゃになってしまうので、外には出してもらえません。 毎日快適で、ぬくぬくの家で1日に20時間くらいは寝ているでしょうか! おもちゃはキッチンペーパーの芯。かじるのが大好きで、あっという間に細かくしてしまいます。いちばん居心地がいい場所は、そのかじったペーパーを使って作った巣の中。そこでくつろぐのが大好きです! ご飯は市販のペットフードと生野菜や果物。特にサラダ葉が大好きで、完全なベジタリアン。おやつはピーナッツやひまわりの種、ナッツ類です。 ボウルに砂を入れてもらっているんですが、子どものように砂遊びも大好き。猫同様に砂で用をたすキレイ好きなのです。 怖い思い出は、夏のバカンスのでのできごと。子猫のいる家にカゴごと預けられたんだけど、その子猫がカゴの上に居座って、ずっと上から覗き込んでいた時。もう、生きた心地がしなかったよ。だからバカンスは大嫌い(笑) <飼い主から見たバニーユさまとは>猫派の私は、当初「ネズミのどこが可愛いの?」と思っていましたが、飼ってみると、とにかく可愛い! この魅力に取り憑かれ、10年来、スナネズミを飼い続けています。少し空白時期もあり、2019年に飼っていた子が亡くなってから、飼うのを控えていました。しかし、コロナ下のストレスで癒しが欲しくて、自分へのクリスマスプレゼントとして2020年12月23日に我が家に2匹(バニーユとパリン)を迎えました。基本2匹飼いが良いみたいですね。仲良く遊んでいた2匹でしたが、パリンは2歳で天国に行ってしまいました。 今まででスナネズミと一緒にいて一番面白かったエピソードは、バニーユではないのですが、長男に2匹、次男に2匹をプレゼントした時のこと。残念なことに長男のほうの1匹が亡くなってしまったので、新しい女の子を迎えたら、1週間後の朝に6匹の赤ちゃんが生まれていたんです。家族中パニック! 結局、ペットショップが雄と雌を混ぜて販売していて、妊娠してた子を購入したみたいです。そんなわけで一挙に10匹の砂ネズミを飼うことに! 子ども達は1匹に6匹おまけ付と大喜びでしたよ。(笑) そんなこんなで、過去に15匹のスナネズミを飼いましたが、バニーユが1番好奇心旺盛です。自宅に鳩時計があるんですが、この子だけ、鳩が飛び出して時を告げる時に必ず巣から出てきて、立ち上がって見ています。そのポーズと表情がなんとも言えず可愛いのです。 バニーユからいつも温かさと癒しをもらっています。平均寿命は3年。バニーユはあと2か月で3歳なので、命の大切さを教えてくれます。今は砂時計の砂粒が落ちていくのが見えるような感じです。バニーユの心臓が止まったら、庭に大きな桜の木があるので、そこに埋葬します。 ーー飼い主は猫さま派なんですが、たまたまスナネズミさまに出会い、その魅力に取り憑かれてしまったようです。癒されるポイントは猫さまもネズミさまも共通点がありますね。短命なスナネズミさまの心臓はとても早く鼓動しているので、時間の感覚も凝縮されているのでしょうか? もしかしたら今年が最後のハロウィンになるかもしれないと思った飼い主は、バニーユさまのために特別な場所を作ってあげたそうです。ここでナッツを食べるバニーユさまの姿はとても幸せそうでした。 著者情報 松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません! 取材、文・Manabu Matsunaga https://ananweb.jp/column/frenchchat/514187/ Source: ananweb

  • 2023.10.28

誰もいないな、よしっ!…ナイショで飼い主だけにゴロゴロ甘える猫さま登場 – 取材、文・Manabu Matsunaga | ananweb – マガジンハウス

フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第177回目はノルウェージャンフォレストミックス猫の キナック(Kinak)さま。 こっそり甘える猫さまの物語 【フレンチ猫さま】vol.177猫の話をもっと聞かせて!キナックさまは8歳の男性猫さま。 <キナックさまが語ります>僕のお家は世界有数のサーフスポットがある大西洋のビーチエリアに建つ、日本庭園を有した一軒家です。飼い主は金融投資会社経営のお母さんとお医者さんのお父さん、それに小さな男の子と同居しています。 早朝5時に飼い主とコンピュータ前に座って一緒に金融市場をチェックします。7時にここの息子からご飯とミルクをもらい、お母さんのオフィスの机上でお昼寝をしながらお仕事(の邪魔)をして、日が高くなった後は日本庭園に出てネズミやトカゲ狩りをして庭のお手入れをします。息子が学校から帰ってきた後は、庭園内にある露天風呂に入るのを端から見学。夜は息子と一緒に寝ます 。 食事はカリカリタイプを1日3回、昼食前と夕食前はお料理中の飼い主にお肉の端切れを少しもらいます。僕のお世話係はすべてここの息子が担当、おやつは息子愛飲の乳糖カットの牛乳を毎日3回小皿に少しもらいます。 最高のごちそうは、お父さんが趣味の魚釣りから帰ってきた日の新鮮な魚の切味。これは最高の喜びです! 僕は物心つく前の生後2か月くらいでこの家に来ましたが、1歳になるまではずっと家の中で飼い主お母さんにひと時も離れず、夜寝る時もいっしょに布団に入って腕の中で寝ていました。だから僕の本当のお母さんだと思っています。ここの息子は赤ちゃんの頃から相手をしているので弟的な…そして最高の遊び相手なんです。 <飼い主から見たキナックさまとは>8歳頃、学校の帰り道で拾った子猫から始まり、私は常に猫と一緒に暮らしています。メインクーンのサイファーは、7年前に旅立った後も家族に未だに愛されている唯一無二な存在です。 当時サイファーに弟を迎えたいと思っていたところ、近所にパリから引っ越してきたサーフィン仲間の家で子猫が産まれたので、キナックを迎えることにしました。 キナックのお気に入りは私のPCの上と息子のベッド 、おもちゃは7歳の息子(笑)。息子が生まれた時から弟(手下)だと思っており、息子が歩いていると常に追いかけ回しています。 性格は自己肯定感が高めです。喧嘩に強いと思っているようですが、実際はとても弱いのです。唯一甘えられる存在である私には、周りに他の誰もいないのを確かめてから甘え、誰かが来たらすぐに距離をあけるのです。 私と似ているところは忠誠心があり、家族愛に満ちているところです。一番楽しかったエピソードは息子が生まれ、初めて家に連れて帰ってきた時に優しく触ってくれたこと。その頃からずっと息子を見守ってくれています。息子が泣いていると必ず寄り添ってくれています。キナックがいることで家中が安らぐのです。 ーーキナックさまはこの家の息子さんととても仲良しな関係を築いています。弟的に思っていても、お世話はすべて息子さんの役割なのでキナックさまは最高の信頼を寄せているのが写真でも感じられました。雄大な大西洋の空気を毎日浴びて今日も幸せな毎日を暮らしていることと思います。 著者情報 松永学猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません! 取材、文・Manabu Matsunaga https://ananweb.jp/column/frenchchat/513432/ Source: ananweb

  • 2023.09.27

クレイジーな天才ファッションデザイナーの素顔とは…世界を熱狂させた舞台の裏側に迫る | ananweb – マガジンハウス

仕事へのモチベーションが下がってしまうときは誰にでもありますが、そんなときにオススメなのは、第一線で活躍し続けている人たちの姿から学ぶこと。今回ご紹介するのは、“天才ファッションデザイナー”と呼ばれるジャンポール・ゴルチエの素顔と半生に迫っている注目のドキュメンタリーです。 『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』 【映画、ときどき私】 vol. 601 ファッションシーンで数々の旋風を巻き起こし、奇想天外でファンタスティックなデザインで有名なクチュリエのジャンポール・ゴルチエ。そんな彼が新たに挑んでいたのは、ミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」だった。 しかし、自身のコレクションと2足の草鞋を履いて創り上げるショーの舞台裏はトラブルの連続。ゴルチエとそのチームは、衣装合わせ、初のリハーサル、ダンサーの故障、演出のいざこざなど、さまざまなアクシデントに見舞われていた。果たして、無事に初日を迎えることはできるのか…。 マドンナやカトリーヌ・ドヌーヴ、そしてファッション界の女帝アナ・ウィンターなど、数多くの豪華メンバーが登場していることでも話題の本作。そこで、見どころについてこちらの方にお話をうかがってきました。 ヤン・レノレ監督 選挙中だったフランスのエマニュエル・マクロン大統領を描いたドキュメンタリーなどを手掛け、ドキュメンタリー作家としてキャリアを積み重ねているヤン監督。本作では、2018年にパリで初演を迎えて以降、東京や大阪をはじめ全世界35万人の観客を熱狂の渦に巻き込んだミュージカル「ファッション・フリーク・ショー」の舞台裏に密着しています。今回は、ジャンポール・ゴルチエとの撮影から感じたことや撮影秘話、そして日本との意外な繋がりなどについて語っていただきました。 ―これまでさまざまな著名人に密着されていますが、そのなかでもゴルチエさんは監督から見てどんな存在ですか? 監督 ドキュメンタリー作家としては彼を撮ることができるのは喜びでしたが、正直に言って、ゴルチエは僕が撮ってきた人物のなかでも一番クレイジーな人だと思っています(笑)。というのも、彼はつねにクリエーションのことを考えていて、いつも“スパークリングしている人”ですからね。 アイデアがどんどん出てきてしまうので、1つの衣装を完成させるまでに10回以上変更することもあるくらい。一緒に働いている人は、本当に大変だと思います。でも、それはよくするための過程であり、そのプロセスによって素晴らしいものが生まれていくというのがわかりいました。 バックステージだけでなく、内面も撮ることができた ―撮影に関しても、ご本人から指示されるようなことはありましたか? 監督 僕に対しては、クレイジーな要望はありませんでしたね(笑)。というのも、僕が用いているドキュメンタリーの手法というのは、対象者に介入せずにありのままをずっと撮っていく方法だからです。 そんななかで印象に残っているのは、彼が自分のクレイジーさに気がつく瞬間。それは映画のなかでも見ることができますが、靴のせいで足首を痛めてしまったダンサーに対して、「申し訳なかった」と謝ったときです。自分自身で行き過ぎていることに気づき、クレイジーな欲求にもリミットがあること彼は知ったようでした。 ―そういった普段ではなかなか見ることができないような瞬間もカメラに収められていますが、どのように撮影を行ったのかを教えてください。 監督 ドキュメンタリー作家として、自分の強みだと思っているのは、対象者と長い時間をともに過ごして撮影を行うこと。僕の場合、6カ月未満で撮ることはありません。実際、過去にテディ・リネールという柔道家のドキュメンタリーを撮った際には3年密着しましたし、ゴルチエも1年間かけて撮っています。 そんなふうに彼らの生活のなかに存在してずっと撮り続けるというのが、僕のドキュメンタリーの秘訣です。今回もつねに相手のそばにいることができたおかげで、バックステージだけでなく彼の内面の部分まで撮ることができました。 クリエーションに必要なのは、違うものを衝突させること ―また、非常に豪華なセレブたちも数多く出演されていますが、それゆえに撮影においては大変なこともあったのではないかなと。 監督 そうですね。“大スター”と言われる方々をドキュメンタリーで撮るというのは、非常に難しいことだなと改めて思いました。たとえば、マドンナの場合は専属のカメラマンにしか映像は撮らせない方なのでその映像を使ってほしいと言われましたし、カトリーヌ・ドヌーヴからは「演技する前後はいいけど演技中は撮らないで」という要望がありましたからね。 そのほかの方々も、人によってそれぞれいろんなリクエストがあったほどです。ただ、きちんと説明をすればみなさん理解はしてくださるので、その都度こちらが適応して撮ることが大事だと感じました。 ―映画のなかで印象的だったのは、ゴルチエさんから発せられる言葉の数々。なかでも、「違いとは特別である」というひと言には勇気づけられる方も多いと思いますが、監督は違うことの素晴らしさについては、どう感じていらっしゃいますか? 監督 クリエーションにおいて言うならば、違いという名の“ショック”を与えるというのは必要なことではないでしょうか。実際、ゴルチエも一見まったく関係のない要素を衝突させることによって、彼のクリエーションを成立させているんです。モチーフや素材、カラーなど、あえて違うものを合わせていますが、勇気を持ってそれができるかどうか、というのが彼の創作活動における肝だと思います。 なので、普段自分がいる場所から出て行くというのも大切なことかなと。フランス人が日本に行ったり、逆に日本の方がフランスに来たりすると、現地にいる人たちでは気づかないものを見い出したりすることがありますよね。あえて違う国に行くのも、面白いクリエイティブに出会える方法だと考えています。 自分のなかにも、日本は息づいている ―なるほど。ちなみに、日本に対してはどのような印象をお持ちでしょうか。 監督 実は、僕は日本とは個人的な繋がりがあるんですよ。というのも、キリスト教の司祭をしていた僕の叔父は、川崎に21年間暮らしながら労働者の方々に向けて宣教を行っていた人なんです。70年代当時はまだ組合がなかったそうなので、彼は労働者の人たちをサポートしながら、組合を作る手助けもしたと聞いています。なので、企業側からしてみれば、彼は出る杭のような邪魔な存在だったかもしれませんね…。 その後、叔父は自身の経験をまとめて本に書き、「出すぎた杭」というようなタイトルをつけましたが、彼は日本社会においては、“突き抜けた釘”のような人だったと思います。でも、僕にしてくれた日本の思い出話は、実際に生活していた人だからこそ語れることばかりだったので、それはいまでも僕のなかでも息づいていると感じています。 ―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。 監督 彼の作る服というのは、決して産業的なものではありません。だからこそ、それを身につけると誰もが自分を解放し、トランスフォーメーションすることもできるのです。そして、その姿はまさにアートであり、彼のモードでもあると言えるでしょう。 それだけでなく、現代のスターたちがいまも90年代にゴルチエが作ったものを求めるという現象は、本当にすごいことですよね。これからもゴルチエとモードの関係性というのは、ずっと残るものですし、巡り巡っていくサイクルのなかに彼は存在していて、これからも生き続けていくと僕は思っています。 多様性と想像力に溢れる生き方に刺激される! 魅惑的なファッションで、日常を忘れてしまうほどの豪華絢爛な世界へと誘ってくれる本作。その真髄となるジャンポール・ゴルチエのクリエイティビティに触れることで、観る者の人生もきっと彩り豊かになるはずです。 取材、文・志村昌美 華やかな予告編はこちら! 作品情報 『ジャンポール・ゴルチエのファッション狂騒劇』9月29日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋、シネマカリテほか全国公開配給:キノフィルムズ ️(C) CANAL+ / CAPA 2018 https://ananweb.jp/anew/507091/ Source: ananweb

  • 2023.08.25

パリのスタバグッズがオシャレすぎる!日本と比べてみて驚いた“ある事実”とは

 パリのスタバグッズに、脱帽。  こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、スーパーマーケットやスタバ、コンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発 […] Source: 女子SPA!