ヤーレンズ

  • 2024.03.17

ヤーレンズ「昨日今日に出てきたけど、絶対に昨日今日に始めたわけではない」 | ananweb – マガジンハウス

昨年の『M‐1グランプリ』で準優勝し、今、世間の支持を集めるヤーレンズ。自分たちの考えるコンビの魅力や、芸人の世界における「魅了される人」などについて、話を伺いました。 ちゃんと積み重ねてきた魅力があるコンビです。 左・楢原真樹さん、右・出井隼之介さん。 ――まず、お二人が魅力的だと思う芸人さんを教えてください。 楢原真樹さん(以下、楢原):『ONE PIECE』のボア・ハンコックですね。 出井隼之介さん(以下、出井):たしかに魅力はあるけど、芸人じゃないですよ。 楢原:身長が1m90cmくらいある海外のモデルさんみたいなスタイルで。 出井:あの、ちゃんと答えてもらっていいですか? でも、確実に言えるのは、芸人は笑いを取らなきゃいけないということ。そして、芸人に愛される人は、キャリアや笑いの種類、笑いに向き合う姿勢など、表だけじゃなく裏の部分も含めてリスペクトを集めている人だと思う。ハリウッドザコシショウさんとかがそうですよ。 楢原:後輩のことを考えてだろうけど、賞レースの審査員とか、いろいろな仕事もされていて。みんなに好かれている自負があるからこそできることだと思うけど、そこもカッコいいですよ。 出井:よく見たら男前だし、体型も赤ちゃんみたいだよね。 楢原:ギャップがチャームになってる。でも、若い世代の芸人が尊敬するのはどんな人なのか、聞いてみたいよね。ネタが面白いという1点で評価をする印象があって、僕たちの世代とは少し違う気がするんだけど、何が変わったんだろう。時代? それとも政権? 出井:政権は変わりましたけど、またすぐ戻りましたからね。 楢原:じゃあ、年号? ――テレビに引っ張りだこの自分たちの今の状況をどう見ていますか。 楢原:『M‐1』の影響はやっぱりすごいと思いましたね。 出井:ただ、何か1つ世に出るきっかけがあれば忙しくなることはわかっていたし、そう信じていたからやっていたという気持ちもあります。ようやく思っていた感じになってきたのかな。 ――ご自身が思うヤーレンズの魅力はどんなところでしょうか。 出井:“積み重ねてきた魅力”だと思います。自分たちで言うのはあれですけど、『M‐1』でやった漫才は、漫才歴2~3年ではできないものですから。年齢の説得力も含めて、漫才や風貌、話す言葉から、ちゃんと積み重ねてきたコンビだと伝わっているのかなと。昨日今日に出てきたけど、絶対に昨日今日に始めたわけではないところが、興味を引いているように思います。 楢原:マイクを1本立てて、「何か面白いことを1時間やれ」と言われた時に、一番満足度が高いものができるコンビだと思っていますから。だからこそ、『M‐1』のチャンピオンになって箔を付けたいとも思っているんです。 ――これまでにコンビとして潮目が変わったと感じた瞬間はありましたか? 楢原:えー、なんでしょう。潮のことは漁師が知ってるんじゃないですか? 出井:金比羅丸船長のこと? 楢原:それは長野(誠)さんでしょ? 『SASUKE』の人でしょ? 毛ガニの人でしょ? 出井:元祖完全制覇の元毛ガニ漁師、秋山(和彦)さんとごっちゃになってますね。って、『SASUKE』の話じゃなくて潮目の話をしましょうよ。でも、コロナが一番大変だった時、それまで死ぬほどやっていたライブがなくなって、二人で公園に集まって喋っていたんです。普段はそんなに洗いざらい喋らないんですけど、不満も含めて本音を言い合い、相互理解が深まったことで関係性が良くなって、それが漫才に生きるようになったんです。そうして自分たちのキャリアや年齢、心境などの全部が2022年にバチッと重なった感じがあって、それから1段分厚く、ウケるようになりましたね。 ――人を魅了することに関して、テレビと劇場での違いはありますか? 楢原:どちらがいいとか悪いとかではなく、単純に笑いを取っている人数でいうと、テレビの収録スタジオにいる人より、劇場の人の方が多いなという感覚です。僕はやっぱり、笑いを取るために芸人をやっているので。 出井:劇場はウケないと話にならないですしね。難しいけどやりがいがあるし、それをやってこそ芸人というか。テレビがうまい人は凄腕そば職人と同じで、違うジャンルのリスペクトしている人、という感じです。 ――お互いの魅力を教えてください。 出井:真面目さと、継続する力が高いところですね。Tポイントが2万ポイント貯まっているし、やっていないゲームもログインボーナスだけはもらい続けていますから。でも、芸人にもかかわらず、笑いや“面白い”の判断基準が、自分ではなく圧倒的に外にあるところは変わっている人だと思う。その割にプライドや気難しさもあって、ややこしいんですよね。俺の魅力は? 楢原:ねぇ! 出井:いやいや、僕に憧れて生きているでしょ? 1秒でも長く僕といたい人だし、実際、いつもべったりです。 楢原:あー、うぬぼれがすごい! 常にポジティブなところが素晴らしい! 自己肯定感が高くて羨ましいな~。 出井:そう、僕は自己肯定感は高いけど、自己評価は普通くらい。でも相方は、自己評価は高いのに自己肯定感が低く、外からの評価がないとストレスに苦しみ、自分のことも嫌いになるんです。僕のことは好きっていうのもおこがましいくらい憧れてるはず。いいな、俺も憧れの人と漫才したいな~。 楢原:お笑いのことや適性を教えたのは僕ですよ? しかし、よく僕みたいなお笑いの化け物についてきたな! 出井:お前こそ、よく俺みたいなNo.1ツッコミをつかまえたよ! ――最後に、同じ企画に登場するモグライダーさんの魅力を教えてください。 楢原:僕は相方に対して“こういうことを言ってくるだろうな”という信頼があるけど、芝さんはともしげさんに対して、そういう信頼はないというか。 出井:“予想の範囲外のことをしてくるぞ”という信頼だからね。 楢原:ともしげさんも、実は自分で笑いを取ろうとしていて。「芝くんに感謝してる」と言いながら、芝さんの活躍を見て歯ぎしりをするような人間味があるんです。お互い何が起こるかわからないと思っているはず。 出井:原始的な漫才の形は、バカな方が大間違いを起こし、もう一人が訂正してツッコむというものですけど、モグライダーはまさに漫才の保守本流だと思います。芝さんは、「俺たちのことを誰も知らない漁村で漫才をやってもウケたいよ」と言っていたけど、モグライダーは可能だと思います。芝さんが思い描くレールに乗った時に取る笑いを何度も目の当たりにしていますが、どんだけウケんねん! って思うくらい、本当にすごいですから。 ヤーレンズ ボケとネタ作り担当・楢原真樹と、ツッコミ担当・出井隼之介のコンビ。2011年に結成、2度の改名を経てヤーレンズに。共にサザンオールスターズの大ファン。『ラヴィット!』(TBS系)不定期出演。『ヤーレンズのラジオの虎』が毎週木曜20時にGERAで配信中。 ※『anan』2024年3月20日号より。写真・岩澤高雄(The VOICE) 取材、文・重信 綾 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/537866/ Source: ananweb