リビング

  • 2024.04.27

不動産会社の経営者が教える! 物件探しに今すぐ役立つ「間取り図チェックポイント」 – 取材、文・髙倉ゆこ | ananweb – マガジンハウス

物件探しの際、知っておくと助かるトピックをご紹介します。『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)の著者であり、5000人超の女性たちの「幸せになれる家選び0」をサポートしてきた「ことり不動産」代表の石岡茜さんに、すぐに役に立つ「間取り図の正しい見方」について教えてもらいました。不動産専門用語やアルファベット表記が書かれた間取り図の意味がよくわからないという方も多いのでは? 正しい見方や用語を知れば、間取り図を読むのがスムースになること間違いなし! ぜひ知って、物件探しの参考にしてください。 LDKとDKの違いは? ――間取り図には不動産特有の専門用語や略語、アルファベットなどが書かれていますよね。それはなぜですか? 石岡 間取り図上には限られたスペースしかありません。その物件の特徴を正確に表記するため、シンプルに伝えるための専門用語や略語で記載することが多いのです。聞き慣れない不動産用語もあると思いますが、物件探しの役に立つのでぜひ覚えておいてほしいですね。 ――すごく初歩的なことですが、LDKとDKの違いについて教えてください。 石岡 まず、LDKについて。「L=リビング」「D=ダイニング」「K=キッチン」が合わさった場所を「LDK=リビングダイニングキッチン」と呼びます。「料理をして、食べて、その後くつろぐスペース」がひとつの空間になっている部屋のことを指します。 一方、DKは「D=ダイニング」「K=キッチン」がひとつの空間になっている部屋のことで、「DK=ダイニングキッチン」と呼びます。LDKとは異なり、くつろぐ場所であるL(リビング)を別の居室でまかなうということになるのです。 つまり、LDKとDKの大きな違いは、くつろげる広いスペースがあるかないか。面積が違うということになります。 不動産公正取引協議会連合会(※)が定めた目安としては、キッチンのある部屋のほかに1部屋の居室(寝室)がある物件において、「キッチンのある部屋が4.5畳から8畳未満の場合はDK」、「キッチンのある部屋が8畳以上の場合はLDK」。 また、キッチンのある部屋が4.5畳未満の場合は、「K」と表記されるということになっています。 1畳のサイズは地域によって異なる ――なるほど。それでは「J」とはなんですか? 石岡 Jとは、畳数のことを表します。4Jと書いてあれば4畳、6Jと書いてあれば、6畳ということになります。 ただし、1畳のサイズは畳の種類や地域によって異なるため注意が必要です。関西地方、四国地方、中国地方、九州地方などで主に使われる「京間(きょうま)」は191㎝×95.5㎝ 愛知を中心とした名古屋圏、岐阜、三重、福島、山形などの東海~北陸、東海地方の一部をはじめ、沖縄の奄美大島などで使われる「中京間(ちゅうきょうま)」は182㎝×91㎝。 関東一帯、東北地方の一部、北海道で使われる「江戸間(えどま)」は176㎝×88㎝で、一番コンパクトなサイズとなっています。 本来であれば、全国各地同じサイズである「㎡」で把握しておけば間違いないのですが、日本人は畳数になじみがあるため、間取り図にJが使われることが多いのです。 なお、フローリング等の洋室であれば「帖」が使われることもありますので、あわせて覚えておきましょう。 「居室」と認められない部屋とは? ――間取り図を見ていると、「1DK+N」「2SLDK」「3LDK+DEN」といった表記を見ます。NやSをはじめ、最近増えたDENやFといった記号は、じつは同じような意味合いがあると聞いたことがありますが、本当ですか? 石岡 本当です。それぞれはこのような意味があります。N:納戸、S:サービスルーム、DEN(デン):書斎、F:フリールーム。これらはすべて、建築基準法により「居室」と認められない部屋のことを指しています。 建築基準法では、「居室」について、「人が居住・執務・娯楽などの目的のため継続的に使用する室」を居室と定めています。このためには、採光や換気など、さまざまな基準を満たす必要があります。 さらに、窓の最低面積は「床面積の7分の1以上」と決まっているため、窓を設けることができない部屋は、「N:納戸」「S:サービスルーム」「DEN(デン):書斎」、「F:フリールーム」などと表記されるのです。 それぞれに違いはなく、物件の雰囲気にあわせて変えられているものと考えてください。 N、S、DEN、Fと表記されていても、窓があったり、寝室にできそうな広いスペースの部屋であったりする場合もあります。それならば「居住スペースとして活用できそう」と考えるかたもいるかもしれませんね。 ところが建築基準法では、納戸やサービスルームは居室として認められていないため、コンセントがなかったり、エアコンが設置できなかったりすることもあるのです。 間取り図を見て気になったら、必ず内見して、居住スペースや寝室などとして有効活用できる部屋なのか確認しておくことが大切です。 その他、よくある専門用語やアルファベット SB(シューズボックス):靴箱 SIC(シューズインクロゼット):靴を履いたまま入ることができる靴の収納場所 CL・WIC(WCL): CL=クローゼットは服を掛けたり物を収納する場所、WIC(WCL)=ウォークインクローゼットは、人が出入りできる広さのある収納場所のこと パントリー:食品庫。主に食品をストックする場所 WC:トイレ UB(ユニットバス):部品(ユニット)を持ってきて組み立てた風呂(バス)のこと。トイレとお風呂が一緒になったものは「3点ユニット」と呼ぶ R:「R=Refrigerator(冷蔵庫)」、冷蔵庫置き場のこと。「冷」と記載されることもある AC:「AC=Air-conditioner(エアコン)」。専用のコンセントがある場所のこと PS(パイプスペース):トイレ、キッチンからの排水管や給水管などが通っている場所 MB(メーターボックス):電気メーター、ガスメーター、給水メーターが納まっている場所 ※不動産公正取引協議会連合会https://www.sfkoutori.or.jp/ Information <教えてくれた人>石岡茜さん。2013年に「女性のための不動産会社を作りたい」と、東京・学芸大学に「ことり不動産」を設立。女性ならではの細やかな視点と「幸せな家選び」をモットーに、物件選びをサポートしている。宅地建物取引士。著書に『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)がある。現在、TV CMを放送中。YouTube「ことり不動産TV CM」でも視聴可能。 取材、文・髙倉ゆこ ©モンキチ/Adobe Stock 取材、文・髙倉ゆこ https://ananweb.jp/anan/547277/ Source: ananweb

  • 2023.11.25

不動産会社の経営者が教える! リビングでわかる「選んではいけないNG物件」 – 取材、文・髙倉ゆこ | ananweb – マガジンハウス

物件探しの際、知っておくと助かるトピックをご紹介。『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)の著者であり、5000人超の女性たちの「幸せになれる家選び」をサポートしてきた「ことり不動産」代表の石岡茜さんに、「選んではいけないNG物件」として、その重要な構成要素となるリビングの「NG窓」について解説してもらいました。ぜひ参考にして物件選びにお役立てください。 NG1 メインの窓が小さい or 腰高窓 家の中で一番長く過ごす場所であるリビングの日当たりは、物件探しにおいて最も重要な項目のひとつです。 一般的に、周辺に遮る建物がない南向きが人気ですが、立地や予算の兼ね合いや好みから、西向きや東向きといった物件を選ぶ場合もあるかと思います。 そんなときは、窓のサイズに注目してください。おすすめは、リビングに大きめの掃き出し窓がついた物件です。 掃き出し窓とは、窓の底辺部分が床まである大きな引き戸式の窓のこと。日差しの角度が変わっても光が取り込めるため、部屋が明るく感じられます。 他にも、庭やベランダに出入りしやすい、風が通り開放感が得られる、掃除がしやすいなど、メリットがたくさんあります。 一方、リビングにあるメインの窓が小さかったり、または腰高窓(こしだかまど)だったりする物件は、あまりおすすめできません。 腰高窓とは、成人が立っている時の腰の高さの位置に設置された窓のこと。 掃き出し窓と比べコンパクトなサイズのため日差しを取り入れる開口部が狭く、室内が暗いと感じる人も多いようです。 日中長く過ごすリビングのメインの窓としては不向きですが、主に夜間に使用するための寝室や客間についている場合は問題ありません。 NG2 防犯性能の低い窓 「警視庁 住まいる防犯110番」(※1)によると、侵入窃盗の侵入手口として「ガラス破り」が一戸建て住宅と共同住宅(3階建以下)で第2位、共同住宅(4階建以上)で第3位となっています。 つまり、空き巣等の侵入経路として窓が狙われているのです。 警視庁では次のような対策を呼びかけています。 不在にする際には、雨戸等を閉める。 補助錠を取り付ける。 防犯フィルムを貼り付ける。 防犯ガラスや面格子、窓シャッターを取り付ける。 上記にもある防犯ガラスとは、ガラスとガラスの間に、外力への抵抗性が大きい樹脂中間膜などの特殊フィルムを挟み込むことで強度を高めた複層ガラスのこと。 その強度の高さから、バールなどでガラスを叩き割る「打ち破り」や、ドライバーなどで手が入る程度の穴を開けて解錠する「こじ破り」、バーナーなどでガラスを熱して割る「焼き破り」といった、主な「ガラス破り」の手口を防ぐのに有効と言われています。 防犯ガラスは一戸建て住宅を中心に使われることが多いアイテムですが、分譲マンションにおいても管理組合等に相談し、許可が下りれば取り付けることが可能なこともあります。 検討している物件に防犯ガラスがついているか、または購入後に取り付けることが可能かどうかを確認してみてください。 また窓ガラスに防犯フィルムを貼ることも防犯対策として有効です。業者に依頼するのが安心ですが、自分で貼ることもできます。 その際は、「CPマーク(さまざまな侵入の試みに対し、5分以上防御することが認められた防犯建物物品につけられるマーク)」がついた製品を選ぶようにしましょう。 NG3 断熱性の低い窓ガラスとサッシ 冬の朝、カーテンを開けると窓に水滴がビッシリ…。結露に悩んでいる方も多いと思います。 結露とは、暖かく湿った空気が急に冷やされたり、冷たい物に触れたりしたときに空気中の水蒸気が水滴になる現象のこと。健康被害にもつながるカビの原因としても知られています。 結露を防ぐとともに、冬は暖かく、夏は涼しく過ごしたいのであれば、断熱性の低い窓ガラス・サッシは避けましょう。 窓の断熱性に関しては、ガラスの種類だけでなく、サッシ(フレームやかまち部分)の素材が大きく影響します。その組み合わせが非常に重要なのです。 日本で流通している一般的な組み合わせとして、断熱性が低い順にご紹介します。 1.複層ガラス+アルミサッシ2.複層ガラス+樹脂とアルミの複合サッシ3.複層ガラス+樹脂フレーム4.トリプルガラス+樹脂フレーム ちなみに複層ガラスは、2枚以上のガラスの間に「中空層」という空間を設け、乾燥空気や質量が重いガスを封入したガラスの総称のこと。 ガラスが2枚の複層ガラスを「ペアガラス」、ガラスが3枚の複層ガラスを「トリプルガラス」と呼びます。 YKK AP「樹脂窓シリーズ カタログ」(※2)によると、室外温度0℃、室内温度24℃という同じ条件のもと、アルミサッシ+複層ガラスと、樹脂フレーム+トリプルガラスを比較した場合、前者に見られた結露が後者ではまったく見られなかったという結果が出ています。 以上を目安に、費用対効果を比較検討して選んでいただきたいです。 ※1 警視庁「住まいる防犯110番」https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/top.html ※2 YKK AP「樹脂窓シリーズ カタログ」https://webcatalog.ykkap.co.jp/iportal/cv.do?c=11555690000&pg=1&v=YKKAPDC1&d=pro Information <教えてくれた人>石岡茜さん。2013年に「女性のための不動産会社を作りたい」と、東京・学芸大学に「ことり不動産」を設立。女性ならではの細やかな視点と「幸せな家選び」をモットーに、物件選びをサポートしている。宅地建物取引士。著書に『持ち家女子はじめます』(飛鳥新社)がある。 取材、文・髙倉ゆこ ©studio marble/Adobe Stock 取材、文・髙倉ゆこ https://ananweb.jp/anan/518728/ Source: ananweb