レストラン

  • 2024.03.28

米も野菜も肉も摂れる、ヘルシーな汁なし麺! 人気ベトナム料理店の姉妹店が誕生 | ananweb – マガジンハウス

フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『Stand Bo Bun(スタンドボブン)』のボブンです。 学芸大学の人気ベトナム料理店『スタンドバインミー』の、新たな姉妹店が祐天寺に誕生した。その名も『スタンドボブン』。2024年1月にオープンしたお店の主役は店名の通り、ボブン。ボー=牛肉で、ブン=米粉の押し出し麺。フォーと肩を並べるベトナムの国民食的存在のブンが、フランス独自の進化を遂げた汁なし麺に。つるりとした米粉の丸麺に、スイートチリソースやナンプラーをからめ、牛肉や野菜、揚げ春巻きを乗せて食べる。『スタンドボブン』では乾燥麺を使わず、毎朝その日使う分だけを新潟県産のお米で作る自家製麺。味付けは無添加・無化調。スイートチリソースにはきび糖を用い、ベトナムより辛すぎず、フランスより甘すぎずの絶妙なバランスに仕上げている。トッピングにはラオスでよく食される揚げ豆がたっぷりで、シャリシャリとした食感がたまらない。 上品に食べるよりも、わっさりと混ぜ合わせて味わう方が何倍も美味しくなるのがボブンの魔法。「ボブンはお米も野菜も肉も全部摂れて体にもヘルシー。麺類でお野菜を摂れる料理ってあんまりないですから」とオーナーの白井瑛里さん。メニューには温かい麺やお惣菜、フランスのナチュラルワインもずらり。ベトナムの伝統とフランスの風味と白井さんならではのセンスを掛け合わせた一軒は、ふらっと立ち寄りたくなる新しい街のオアシスだ。 「現地のブンはブツブツ切れやすいですが、コシのある状態を追求しています」と白井さん。ボブン(1650円)。揚げ卵のトッピングなども可能。自家製チャイ(660円)はもちろん、ナチュラルワインと楽しむのも幸せ。 Stand Bo Bun 東京都目黒区祐天寺2‐3‐2 TEL:03・6303・2245 11:00~15:00(14:30LO)、17:00~21:00(20:30LO) 火曜休 ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。 ※『anan』2024年4月3日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/540309/ Source: ananweb

  • 2024.02.01

2024年、流行るかも!? 素材にこだわる“鶏焼肉専門店”に要注目 | ananweb – マガジンハウス

フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『鶏焼き肉 囲(かこい)』の鶏焼肉です。 焼肉の要領で鶏を焼く。鶏焼肉という食文化が軽やかでヘルシーで大好きなのだが何しろ東京には専門店が少ない……。とかねがね思っていたところ、ここへきて鶏焼肉専門店のニューオープンの話題をちらほら聞くようになった。嬉しい、ありがたい、どんどん鶏肉を焼きたい。六本木に昨年10月にオープンした『鶏焼き肉 囲』もそのひとつだ。 清潔感のある掘りごたつの店内は大きな窓の向こうに桜の木があって、春にはお花見にももってこいだと嬉しくなるが、それはさておき鶏である。『鶏焼き肉 囲』は鶏肉にこだわるあまり鶏から育てているとのことで、エサや飼育環境から携わる「きさ輝地鶏」が登場する。この地鶏、肉の旨味が強く脂がしっかりのって素晴らしい味わい。それにしても良い食材を仕入れるのではなく、食材自体を生み出すところから始めるとは並々ならぬ熱量だが、それもそのはず、この店の監修は焼き鳥店でミシュラン一つ星を獲得する大阪『鳥匠いし井』の石井吉智氏が務めている。ネギ塩を纏った胸肉のさっぱり感も、辛味噌で赤く輝く脂ののったふりそでも、それぞれの部位ならではのおいしさを堪能できる鶏焼肉。サイドメニューも、飲めるほどトロトロの親子丼に鶏白湯煮込みなど鶏専門店ならではの充実っぷり。飲んで食べても牛焼肉に比べてハッとするほどリーズナブル。鶏焼肉、これ2024年、流行ると思います! ネギ塩タレ胸肉(1400円)に、辛味噌タレのふりそで(850円)をじっくり焼いて。那須の高級「極」卵を惜しげもなく使った地鶏の親子丼(1650円)もマストオーダー。桃色が美しいガリサワー(650円)に、お茶っ葉を使用したクラフトビール「見冨右衛門ビール」(1500円)などドリンクも楽しい。 鶏焼き肉 囲 東京都港区六本木7‐5‐11 カサグランデミワ2F TEL:03・6721・1927 17:30~22:30(フード50分前、ドリンク30分前LO) 月・火曜休 ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。 ※『anan』2024年2月7日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/530081/ Source: ananweb

  • 2024.01.17

佐賀県の食と歴史を堪能「ユージアムサガ」と生産者に出会う旅 | ananweb – マガジンハウス

佐賀で限定オープンしたプレミアムレストラン。「食材」と「器」と「料理人」を掛け合わせた最高の美食体験と、このイベントを陰で支える県内の生産者を訪ねる旅の様子をお伝えします。 最高の器で最高の食を味わい尽くす体験! 美術館(MUSEUM)に飾るような人間国宝などの器を使い(USE)、佐賀の食材を才能豊かな料理人たちの技で仕上げた料理が楽しめる、期間限定のプレミアムレストラン「USEUM SAGA」(ユージアムサガ)。2021年からスタートして、2023年12月に5回目が佐賀市を舞台に開催されました。 独創的な空間で開催された「USEUM SAGA」。 佐賀は温暖な気候で自然にも恵まれていることから、食材が豊富です。これに加えて焼き物の産地でもあるため、唐津焼や有田焼などが歴史と共に受け継がれてきた場所でもあります。 豊富な食材と伝統ある器。両者をつなぐには、腕利きの料理人が必要です。県内の料理人と県外の料理人がタッグを組んで1つのコースを仕立てることも、このユージアムサガの特徴。料理人一人の力だけではなし得ない、今までにないプレミアムな食体験へと押し上げられるのです。 今回シェフの一人は、佐賀市にある『カレーのアキンボ』のオーナーで、独創的なスパイス料理でカレーフリークや美食家たちを魅了している川岸真人シェフ。そしてもう一人は、沖縄・宮古島の風土や食文化を100年後につなげる料理をテーマに、琉球ガストロノミーを提唱する渡真利泰洋シェフ。二人は偶然にも同い年。佐賀と沖縄のカルチャーにスパイスの要素も加わる、二人の化学反応から生まれた独創的な料理が繰り広げられました。 川岸真人シェフ(写真左)と渡真利泰洋シェフ。 互いを知って生まれた至極のメニュー このイベントが開催される数か月前、渡真利シェフと川岸シェフは互いが暮らす場所を行き来してそれぞれの風土や文化について学び、メニューをどう組み立てていくかをシェフ二人で会話を重ねながら決めていったそう。それぞれのシェフが交互に料理を提供するスタイルはよく見られますが、今回は完成度の高さを求めて全てのメニューを合作にすることに。 アルコール、ノンアルコールのドリンクと食事のペアリングも楽しんだ。 食べ終えると思わず器をうっとりと眺めてしまう。 今回の夢のようなメニューを1品ずつ紹介します。 1品目は「水イカのパフェ」。ねっとりとした食感の水イカ、カリッと香ばしい菊芋、甘みのあるパパイヤ。それぞれが小さめにカットされているので口の中で混ざり合って、味わいが深まっていきます。 水イカのパフェ 今右衛門窯 2品目は「カキトカブ」。カキの下に酒粕入りのアイスクリームを敷き、さいの目切りにしたカブを添えた一品。器に使われている「ハマ」は、磁器を窯に入れて焼成する際に磁器がくっつかないよう焼台として下に敷くもの。基本的に一度使ったら廃棄されていますが、今回は器として活用されました。 カキトカブ ハマ 3品目は「ポーポー」。宮廷料理にも出される一品。インドのスパイスとオイルで和えたなまり節を生のよもぎと一緒に皮で巻きました。ポーポーを載せる敷き紙とポーポーを包む紙は、『名尾手すき和紙』で作られたもの。 ポーポー 名尾手すき和紙 4品目は「カニと豆腐ようのスープ」。カニと豆腐ようのやわらかな味わいとスパイスの余韻に包まれます。器に使われたのは『文祥窯』のワイン用のカップ。独特の白さがスープの色を引き立てます。 カニと豆腐ようのスープ 文祥窯 5品目は「がめ煮 ドゥルワカシー」。ドゥルワカシーとは沖縄名産の田いもを使った料理のこと。田いもを煮ている様子が泥を煮ているように見えたため、「泥沸かし」から「ドゥルワカシー」と言われるようになったそう。沖縄諸島に多く分布している長命草を添えて。シャキシャキとした食感の田いもの甘みとスパイスを感じる一品。 がめ煮 ドゥルワカシー 弓野窯 14代今泉今右衛門 6品目は「ジューシー」。乳酸発酵させたきゅうりの薄切りと佐賀の海苔をのせたおじやで、カッパ巻きが好きという渡真利シェフが生み出しました。きゅうりのシャキッと感、発酵させた奥深い味わい、そして海を感じる海苔のハーモニーが楽しい。 ジューシー 柿右衛門窯 7品目は「イラブチャー」。イラブチャーとは、沖縄を代表するアオブダイのこと。タイカレーペーストで和えたイラブチャーとぎんなんを沖縄で昔から親しまれる月桃(げっとう)で包んで蒸しました。沖縄でも珍しい魚を蒸すアイデアは、川岸シェフから。 イラブチャー 井上萬二窯 8品目は「祝いの山羊 ケバブ」。クミンなどのスパイスを混ぜ込んだ山羊のひき肉をケバブに。山羊の独特な臭みはなく、脂も軽め。口に含むと、あとからスパイスの奥深さを感じます。 祝いの山羊 ケバブ 柿右衛門窯 9品目は「祝いの山羊 山羊そば」。沖縄では祝いの席で食べられる山羊汁に、麺をプラス。島とうがらしを泡盛に漬け込んだコーレーグースを垂らすとさっぱりとした味わいになり、麺がスルスルと胃の中に収まっていきます。 祝いの山羊 山羊そば 中里太郎右衛門陶房 10品目は「祝いの山羊 山羊カレー」。燻したシナモンや泡盛の酒粕から作られたソースが、タマリンドのような酸味をプラスします。 祝いの山羊 山羊カレー 李荘窯業所 11品目は「アイス」。『ナカジマファーム』でホエイを煮詰めて作ったブラウンチーズ、豆腐よう、醤油のしぼり粕を、山羊のミルクから作ったアイスクリームに混ぜ合わせました。複雑な味わいや濃厚さが、お酒にも合います。 アイス 井上萬二窯 12品目はオリオンビールに合わせて作られたデザートとおつまみ。沖縄の名産である海ぶどうに、佐賀の唐辛子を使ったサクサクとした食材を合わせました。 オリオンビール 徳幸窯 自身の故郷を再発見できた 大盛況のうちにこのイベントを終えた直後、シェフ二人に今回の取り組みについて振り返ってもらいました。すると、いろいろな発見があったそう。 渡真利シェフは、「器にすごく衝撃を受けました。私自身が沖縄出身ということもあり、器に対する知識や経験を佐賀の人ほど持ち合わせていません。普段はもっとわかりやすいエンターテインメント的な器の使い方をしてしまうので、今回は九州陶磁文化館に行って器について深く知って、さらにこのイベントを通じて勉強になりました」と佐賀の器の文化について絶賛していました。 また、川岸シェフは、「渡真利シェフから沖縄には台風などの影響もあって青々とした葉物や柑橘はないと言われて、佐賀の食材の豊富さを改めて実感しました。何でもあるから名物を出しづらい側面もあるかと思うのですが、そこは無理にオリジナリティを見つけずに、何でもあることを佐賀のアイデンティティとするのが良いのかもしれない。何でもあるからこそリミックスできる、今回は沖縄に対して回答ができる懐の深さが佐賀にあったと感じました」とコメント。 これまでに『Joel Robuchon』(ジョエル・ロブション)をはじめとしたパリの名店で研鑽を積み、故郷の宮古島に戻ってからガストロノミーレストラン『Restaurant Etat d’esprit』(エタデスプリ)の総料理長を務めてきた渡真利シェフ。評判だった『カレーのアキンボ』を東京・錦糸町で営むも、オープンから5年後に佐賀にUターンして佐賀の食材を生かすスパイスコースのみの営業にリニューアルした川岸シェフ。二人ともそれぞれの地元があったからこそオリジナリティを確立できたことを、改めて確認する夜となりました。 独特の白さが美しい『文祥窯』の器 この夢のような饗宴に無くてはならなかった食材と器。これらが生み出される場所を訪れて、生産者や作家から話を聞くことで、この食の体験がますます豊かになります。4品目の「カニと豆腐ようのスープ」に使われたカップを作った『文祥窯』、3品目の「ポーポー」に使われた『名尾手すき和紙』、9品目の「アイス」に使われたブラウンチーズを生み出した『ナカシマファーム』を訪ねました。 伊万里港を臨む高台に窯を構える『文祥窯』。三代目の馬場光二郎さんが手がける器は、温かみのある白さを帯びています。カニと豆腐ようのスープが供されたカップも、繊細な飲み口やフォルムでありながら柔らかさをまとっていました。そんな落ち着きのある感覚は、馬場さんの人柄と彼がこだわる手法に由来するものだとお会いして確信しました。 作陶の世界では、白磁や絵付けのために材料となる石を精製して不純物を取り除く工程があります。その不純物らが廃棄物になってしまっていたことから、馬場さんは自然に負荷をかけるような無駄なことはしたくないという思いになったそうです。そして、本来分業制で成り立っていた有田焼の世界で、石の採掘から粘土にする工程も自分で手がけるように。「不純物を含む土で器を作ることによって自然な色合いになりつつも、割れたり欠けたりすることもありますし、その部分を継いで完成品にすることもあるんですよ」と馬場さん。 『文祥窯』3代目の馬場光二郎さん。自身のポリシーや作陶の様子について、気さくに話してくれました。 馬場さんの席から見える伊万里港。有田焼や伊万里焼がこの港から国内や海外に運ばれていきました。 焼成前(写真左下)と焼成後(写真右下)では、大きさがかなり違います。写真上にあるのは、模様をつけるための型。 馬場さんの工房に並んでいた作品。温かみのある白が美しい。 ブラウンチーズを生み出した『ナカシマファーム』 ユージアムサガのデザートに登場した、濃厚だけれど後味はさっぱりしているアイス。このアイスに使われていたブラウンチーズを作っているのが『ナカシマファーム』です。チーズづくりで発生する副産物のホエイの量は、何と原料である生乳の8~9割。これも活用したいと生まれたのがブラウンチーズです。胴釜で新鮮な生乳とホエイを直火でかき混ぜること6時間、キャラメルのようなねっとり感があり、ピーナッツバターや黒糖を彷彿とさせるチーズが完成します。 日本や世界のチーズコンテストでも高い評価を受けたこのチーズを手がける『ナカシマファーム』。見渡す限りの田んぼの中にチーズを製造・販売するショップがあり、その裏には約100頭の牛が飼われていました。ショップの目の前の田んぼで米と大麦を二毛作で栽培して、自家製の肥料を与えているそう。代表の中島大貴さんの案内で牛舎へ。すると草の発酵臭が少しあるくらいで、鼻を突くような臭いはありません。その答えは、糞尿が微生物によって分解される仕組みを導入しているからでした。 宿場町の面影が残る嬉野市塩田津に新しいショップ『MILKBREW COFFEE』もオープン。米蔵をリノベーションしてできたスタイリッシュな空間で、アイスクリームやドリンクを楽しめます。ここで働く美しいユニフォーム姿のスタッフも、ローテーションで牛の世話をしているそうです。「自然の循環を大切にする人を採用しているので、スタッフ18人全員が世話をできます。ショップのお客様にも自然とそういう話を伝えるようになっていますね」と中島さん。人も動物も環境も自然のセオリーに従っていて、そこから生み出されるものに心地よさを感じました。 嬉野市塩田津の宿場町の面影が残る通りにある『MILKBREW COFFEE』。 『ナカシマファーム』代表の中島大貴さん。牛舎に導入した飼料を餌場に寄せるための機械を見せてくれました。 牛舎内は草の発酵臭が香るくらいできつい臭いはありません。牛も気持ち良さそうに過ごしています。 牛舎近くにあるショップにて、チーズを試食。県外からも買いに来る人が多いそうです。 和紙の可能性を広げる『名尾手すき和紙』 最後に訪れたのは、佐賀市にある『名尾手すき和紙』。300年以上の歴史を有する手すきの和紙工房で、神社・仏閣の修復用や提灯、番傘、合羽、障子の紙などに、その和紙が使われてきました。ユージアムサガでは、コースの3品目に登場したポーポーを載せる敷き紙とポーポーを包む紙に使われました。包み紙はポーポーの生地のように柔らかくて、川岸シェフが思わず「ポーポーと間違えて食べてしまわないよう注意してください」とアナウンスしたほど。それとは対照的に、敷き紙は和紙とは思えないほどしっかりとした硬さがありました。 工房近くに生えていた和紙の原料となる梶の木と、和紙をすく様子を7代目の谷口弦さんに見せてもらいました。和紙といえば楮(こうぞ)や三椏(みつまた)の木が代表的ですが、梶の木は楮の原種に当たるそう。約300年前に谷口さんの先祖によって植えられた梶の木がまだ生き続けていることに感動。1月に刈り取ってすぐに蒸して、皮を剥いで干したものを倉庫で保管。そこから紙をすく度に原料を水に戻して、大釜で煮て、晒して……とさまざまな工程を経て、ようやくおなじみの紙をすく工程へ。水の中で木枠を揺らす感覚だけでなく、その音も聞きながらすき具合を確かめているとの言葉に、紙すきの奥深さを感じました。 そして、工房から少し離れた場所にあるショップも訪問。築200年の元自宅を改装した空間には、普段づかいできそうな紙から、紙を使ったアート作品までもが並んでいました。「紙を踏むというなかなかできない体験もしてもらえたらと思い、紙を床にも貼りました。新たな和紙の使い方を見いだしながら、後世にもつなげていけたら」と語る谷口さん。20代の女性2人が谷口さんの元に弟子入りして、和紙づくりを学んでいるそうで、明るい未来への兆しがそこにはありました。 『名尾手すき和紙』7代目の谷口弦さんが工房近くに生えている梶の木を見せてくれました。 手の感覚だけではなく、水の音にも耳をすませながら紙をすきます。 築200年の家屋をリノベーションしてできたショップ。 ショップではさまざまな紙を販売。紙を見ているだけで創作欲が増してきます。 食材×器×料理人の饗宴と、生産者を訪ねる旅。佐賀で過ごした時間はとても濃密で、これからの食人生をさらに深めていくためのヒントをたくさんもらったように思いました。まだまだ知られていない佐賀の魅力を発見する旅に出てみませんか。 ユージアムサガの最新情報はインスタグラムより@sagamariage https://ananweb.jp/news/528264/ Source: ananweb

  • 2023.11.30

フレッシュな食材を贅沢に! 食料品店の奥に、知る人ぞ知るパスタ専門店あり!? | ananweb – マガジンハウス

フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『Aoyama Gourmet Mart』の本日の特製パスタです。 コインランドリーの奥のカフェとか、魚屋の奥の定食屋とか。の奥に店がある、という構造になぜだかときめく。9月に青山に誕生した『Aoyama Gourmet Mart』は、魅力的な食料品にワインがずらりと並ぶ、一見グルメなセレクトショップに見えつつも、その奥にひっそりカウンターのパスタ専門店が。シェフが豊洲で買い付けるフレッシュな食材を贅沢に使った日替わりパスタが楽しめる、パスタ好きにとっては夢のカウンターだ。 この日は「豊洲の貝づくしペスカトーレ」。若きシェフ久保雄之介さんのペスカトーレへのこだわりは、貝だけで攻めること。蛤、ムール貝、あさり、沖しじみ、しじみ……多様な貝の旨味をギュンと吸い込んだ太めの乾麺がたまらない。ペスカトーレに小さなしじみとは珍しいが「しじみが入ることで旨味が締まる。あるとないのじゃ全然違うんです」と久保さん。定番的なパスタであっても、必ずそこにシェフ自身のおいしさの道理が介在する姿勢に魅せられる。パスタの他には前菜やデザートも揃い、ワインは店頭セラーから値段そのままでボトル持ち込みも可能で、通常のレストランに比べ驚くほどリーズナブルに楽しめてしまう。サクッと、だけどとびきりおいしいごはんにしたい日の重宝具合が半端じゃない。ついでに気の利いた手土産も買えちゃうし。この店のこと知っててよかった! ってなる予感しかありません。 本日の特製パスタから、豊洲の貝づくしペスカトーレ ビアンコ(3000円)。ロッソも選べます。前菜には、明石産真ダコとじゃがいもの温菜(1500円/ハーフ750円)。グラスワイン(1500円~)。 青山グルメマート 東京都港区南青山2‐10‐11 A 青山ビル1F  レストラン11:30~15:00(14:30LO)、16:00~22:00(21:30LO) ショップ11:00~22:00 月曜休 ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。 ※『anan』2023年12月6日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/519262/ Source: ananweb

  • 2023.11.09

宇賀なつみ「この味はここでしか食べられない!」 お気に入り韓国料理店のタッカルクッス | ananweb – マガジンハウス

お酒をこよなく愛するアナウンサー・宇賀なつみさんの「宇賀なつみのほろ酔いおつまみ」。今回は『シモン』のタッカルクッスです。 宇賀(以下U):今回は、局アナ時代によく通っていた名店のタッカルクッスと生マッコリを。韓国料理となると、やっぱりマッコリを合わせたくなっちゃうんだよね~。 編集S(以下S):タッカルクッス、恥ずかしながら初めて知りました。 U:韓国料理で鍋っていうとサムゲタンとか、あとは辛いチゲとかをイメージすると思うんだけど、タッカルクッスは牛骨からとったベーススープに鶏肉、じゃがいも、ねぎ、うどん麺が入っている優しい味のお鍋。 S:酢醤油をかけると味変になって、これまた美味…! 店主さんが「これを頼まないと、うちに来た意味がないです(笑)」とおっしゃるくらい、ほとんどの方が注文するとのこと。 U:そうだよね~。ポッサムやチヂミも美味しいんだけど、やっぱりこの味はここでしか食べられないもん! 体がぽかぽかになるし、これからの寒い時期にもピッタリ。 S:あと、うどん麺もすっごく美味しいです。うどんといっても盛岡冷麺を少し太く硬くした感じの麺で、煮込んでも伸びないんですって。 U:満足感があるよね。ほろほろのじゃがいもも柔らかい鶏肉も美味しいけど、私はなんといってもこのスープがいちばん! 塩ベースの優しい味なのにコショウのパンチもあって…もはやスープをチェイサーにマッコリが進んじゃうくらいです(笑) タッカルクッス(2人前)¥2,970。食後には、ぞうすい(1人前¥770)を追加するのもおすすめ。生マッコリ(グラス)¥550。 シモン 東京都港区麻布十番1‐5‐5湯建十番ビル TEL:03・3470・5889 17:30~23:00 不定休 寒い時期は特に店内が賑わっている可能性が高いので、事前の電話予約が安心。 宇賀なつみ お酒をこよなく愛するアナウンサー。自身初のエッセイ本『じゆうがたび』(幻冬舎)が発売中。 編集S あまりの美味しさに感動! 思わず取材後すぐに予約を取ってしまいました。 ※『anan』2023年11月15日号より。写真・清水奈緒 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/515551/ Source: ananweb

  • 2023.11.02

いい香りがぷんぷんする! アラカルトもお酒も楽しめる、中華料理店がOPEN | ananweb – マガジンハウス

フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『XIANG PEN PEN(シャンペンペン)』のアラカルト中華です。 「コースもあるけどアラカルトで楽しめる。価格帯も行きやすく。僕はお酒も好きなんで、ワイン、クラフトビール、紹興酒、台湾ウイスキーも揃えて」。自分が本当に行きたい店を妻と共に作りたい……シェフの九鬼修一さんが独立するにあたって描いた夢が、8月にオープンした木場の中華料理店『XIANGPEN PEN』で形になった。 ホテル中華や『筑紫樓』といった王道から、中国のローカルな食文化を探求する代々木上原『Matsushima』等まで、多様な経験を積んだ九鬼シェフのお料理は、素材感の生きた確かな骨格の広東料理に、シェフならではのツイストが利いたスタイル(そんなのときめくに決まっている!)。例えば香港クリスピーチキン・脆皮鶏(チョイペイカイ)は赤鶏さつまを使用し、中はジューシー、皮はパリッパリの丁寧な仕事と技術力の高さに満ちた逸品。そこへ雲南省などで見られるミントとパクチーと発酵唐辛子のソースを合わせる新鮮さがたまらない。 店名は中国語で「いい香りがぷんぷんする」。大きい店では難しかった熱々の料理も、ここでならできる。カウンターキッチンから登場する料理は何もかもが良い香りの湯気をたっぷりと纏っている。どーんと料理が供され、香りが立ち上り、そこへ人が顔をほころばせて寄せ合う。そんな理想の風景が、夜ごとこの店では繰り返されている。 アラカルトメニューより、右・赤鶏さつまの脆皮鶏(1600円)、左・澄んだ清湯スープにムギュムギュの海老雲呑が浮かぶ香港 海老雲呑麺(1200円)、中央・香港鮮魚の蒸し物(1名1500円~※予約推奨)、オレンジワイン(1200円~)、紹興酒(1200円~)。 香噴噴(XIANG PEN PEN) 東京都江東区東陽3‐16‐9 18:00~23:00(22:00LO)、土・日・祝日17:00~22:00(21:00LO) 月曜休+不定休 ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。 ※『anan』2023年11月8日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/513902/ Source: ananweb

  • 2023.09.06

こんな店を求めてた! 美食家たちの間で話題沸騰のIZAKAYA『CENSU TOKYO』 | ananweb – マガジンハウス

フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『CENSU TOKYO』の海南チキンパエリアです。 「CENSU行った?」「ああいう店を求めてた!」。近頃のフーディーとの会話でその名が挙がるのを何度聞いただろう。外苑前に7月にオープンした『CENSU TOKYO』は、香港発のフレンチベースなガストロノミー居酒屋……と言うと難解だが、あえてシンプルな言葉に託すなら「ちょっと面白い居酒屋です」と、オーナーシェフの金須郁幸さん(実力派って往々にして軽やかですよね)。 CENSUの始まりは2021年。現地オーナーの佐藤峻さんが香港店をオープンさせて以降、瞬く間に美食家やシェフから支持される一軒に。“IZAKAYA”というある意味自由なフォーマットに、和食・フレンチ・中華の技法を取り入れた情報密度の高いガストロノミックな料理を縦横無尽に展開する。〆の「海南チキンパエリア」は象徴的な一皿。帆立ベースの出汁にパンダンリーフやレモングラスを合わせて炊いたパエリアを、ドライエイジングした美桜鶏のローストが支配する。米の旨味にアジアンハーブの香り、チキンのパリパリジューシーな仕上がりには中華の技法もよぎる。あらゆる食文化を越境させながら、それでもカオスを避けてバシッと美味しさに着地させる手腕は見事。そして何より楽しい。固定観念が追いつけない感性と技術のクロスオーバーで、居酒屋というスタイルを更新するCENSU。今、彼らの登場と挑戦に、東京のフードシーンが勇気づけられている。 奥から時計回りに、蛤を紹興酒や梅酒に漬けた「ドランケンクラム」(¥1,480)は香港らしい一皿。「ハマチ」のお造り(¥1,380)は、トマトとハラペーニョを合わせた自家製ポン酢で。〆の「海南チキンパエリア」(¥4,880)は、4人ほどでシェアできるサイズ感。ドリンクは日本酒(1合¥1,280~)もナチュラルワイン(グラス¥1,280~)も勢揃い。今日はとことん飲みましょー。 CENSU TOKYO 東京都渋谷区神宮前2‐12‐9 TEL:03・6434・5883 18:00~23:00 日曜・不定休 詳細はインスタグラム(@censu_tokyo)で。 ひらの・さきこ 1991年生まれ。フードエッセイスト。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)など。 ※『anan』2023年9月13日号より。写真・清水奈緒 取材、文・平野紗季子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/504265/ Source: ananweb

  • 2023.01.18

ダチョウの生肉でオイルフォンデュ!? 宇賀なつみ「全然クセもなくて、次々と食べられる」 | ananweb – マガジンハウス

お酒をこよなく愛するアナウンサー・宇賀なつみさんの「宇賀なつみのほろ酔いおつまみ」。今回は『Cave de ワイン県やまなし』のダチョウのオイルフォンデュです。 宇賀(以下U):珍しいものを紹介したくてこのお店を選びました。ダチョウのオイルフォンデュです! 編集K(以下K):オイルフォンデュ…? 聞き慣れない料理です。 U:このお店の監修をしている、ソムリエの田崎真也さんに連れてきていただいて、私も初めて出合いました。温めたオイルにダチョウの生肉をくぐらせて素揚げにして、ソースとかを付けて食べるんです。スイス発祥のフォンデュなんだとか。 K:塩とコショウ、あとマスタードが効いたオランデーズソースと、スパイシーな四川風のソース。味の選択肢が多くて迷っちゃいますね(笑)。 U:私は辛い四川風のソースがお気に入り! 10秒から15秒、オイルにお肉を入れるんだけど、その時の「パチパチッ」っていう音もいいんです。ダチョウのお肉って馴染みないと思うけど、全然クセもなくて、次々と食べられる。赤身で、ヘルシーなのも嬉しいな。 K:“素材の味勝負!”ですね。 U:海外だと結構濃い味付けをしたりするんだけど、ここはオイルで素揚げ。鮮度が良くて、よっぽど素材に自信がないとできないこと。あ、もちろん合わせるのは赤ワイン。サッポロビールが造っている山梨甲斐ノワールの赤が飲みやすくて美味しいの! ダチョウのお肉と赤ワイン…最高ですね(笑)。 やまなしフォンデュ ダチョウもも肉(150g/2人前)¥3,400。山梨甲斐ノワール 特別仕込み2018(赤)グラス(60cc)¥600。 Cave de ワイン県やまなし 東京都中央区日本橋2‐3‐4 日本橋プラザビル1F TEL:03・3527・9185 ランチ11:30~14:00(13:40LO)、ディナー17:00~22:00(21:00LO) 土・日・祝日休 宇賀なつみ お酒をこよなく愛するアナウンサー。MCを務める情報バラエティ番組『土曜はナニする!?』(フジテレビ系)が放送中。 編集K 入社4年目。「浅草の寿司屋によく行くのですが、生ダコの旨さに気づきました」 ※『anan』2023年1月25日号より。写真・清水奈緒 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/462935/ Source: ananweb