内田紘倫

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  • 2023.09.17

ゲームクリエイター・小島秀夫の“全力疾走” 「“物創り”という大きな目的地に向けて」 | ananweb – マガジンハウス

小島秀夫の右脳が大好きなこと=を日常から切り取り、それを左脳で深掘りする、未来への考察&応援エッセイ「ゲームクリエイター小島秀夫のan‐an‐an、とっても大好き」。第5回目のテーマは「乗り継ぎへの全力疾走」です。 子供の頃、よく“全力疾走”したものだ。公園で、運動場で、河川敷の堤防で。何かを追いかけていたのか? 何かに追われていたのか? 誰かと競争していたのか? それとも、外の世界へ飛び出そうとしていたのか? ただ走るのが楽しかった。 あれから50年。日常生活で走ることはなくなった。年齢的に“全力疾走”はやめた方がいいとインストラクターにも注意されている。 6月末、セルビアでの撮影を終えて帰国する為、ベオグラード空港にチェックインした。東京までの直行便はない。フランクフルトで羽田行きの便に乗り継ぐ。乗り継ぎには2時間の余裕を取っていた。ラウンジで仕事の成功を祝う乾杯をしながら出発を待っていると、「フランクフルト行きの便が遅延」との案内。2時間近くもの遅れだ。航空会社に相談してみたものの、ギリギリ間に合うかどうか? とのこと。遅れると帰国便はもうない。 案の定、2時間遅れでフランクフルトに到着する。真っ先にボーディング・ブリッジを駆け抜け、ターミナルビルに! そのつもりだったが、なんと、出口から伸びていたのは、地上へのタラップ?! しかも待機していたのは、数台連結のバス! 乗客全員が乗り込むまでバスは出発しない! さらにバスが送り届けてくれたのは、隣のターミナルのA! 乗り継ぎ便が待つのはターミナルのB! これはまずい! そう思った時、出口で「TOKYO」のプラカードを持った空港職員の40代くらいのドイツ人女性を発見! 「20分以内でゲートに着かないと乗り遅れます! 私について来てください!」と、女性はそう言って唐突に走り出した。「え? 走るの?!」。僕は大きなバッグを背負い直して、彼女を真似て“小走り”を始めた。 裏道をショートカットすると思いきや、そうではなかった。彼女は正規のルートを、一定のスピードを保ったまま進んでいく。走り慣れていない僕には、“小走り”さえもきつい。ただ乗り継ぎには、出入国管理場(パスポート・コントロール)は通過しない。それで時間が稼げる?! だがそこはトラムのホーム。どうやら、隣のターミナルまでトラムで移動するらしい。彼女は冷静沈着に、「あと10分!」と航空会社と無線連絡を交わしている。しかし、当のトラムはなかなか来ない。筋肉だけではなく、胃まで痛くなる。 到着したトラムに駆け込み、ターミナルBで降りる。セキュリティ・チェックが待っていたが、問題なく通過。あの空港職員がいない! 見失った?! と、彼女が廊下の向こうで手を振っている。ゲートはまだまだ先! 停止している空港内の電動カートを尻目に、また“小走り”を再開する。今いるのは10番ゲート、目指すのは42番ゲート?! 随分と先だ。彼女は、ペースを崩さず進んでいく。驚くべき体力。僕には、このラストスパートは辛かった。諦めてもいい? そんな弱音が一瞬、頭を過(よぎ)った。 なんとか搭乗ゲートに到着。ヘロヘロになりながらも、ゴールイン。乗客がいなくなったゲートでチケットを見せる。航空会社のCAは「荷物は間に合わないかも知れません」。 あの女性を探したが、“小走り”の天使の姿はもうなかった。お礼は伝えられなかった。彼女は幻だったのか。 結局、離陸機が混雑していたとのことで、1時間以上遅れての離陸となった。おかげで絶望視していた荷物の積み込みも完了。本当にあそこまで走り続ける必要が、あったのだろうか。 空港での乗り継ぎには、リスクが付き纏う。乗り遅れたり、荷物がなくなったり、スーツケースが壊れたり。なるべくなら、直行便が安心だ。でも、長い人生には、乗り継ぎや乗り越しは、必然。 7年前、僕は大きな“乗り継ぎ”、いや、“乗り換え”を行った。30数年間勤めた会社を去り、自分の機体となる“コジプロ”を創った。僕が“全力疾走”していたのは、乗り継ぎの為ではなかった。“物創り”という大きな目的地に向けての“全力疾走”だったのだ。 僕はもう機体を乗り換えない。同じ機体(スタジオ)で給油と乗組員(スタッフ)の交代をしながら飛び続ける。僕の新たな冒険はノンストップ便だ。だから、この旅は“トランスファー(注1)”ではなく、“トランジット(注2)”だ。もう自分の機体も、目的地も、変えるつもりはない。この機体で“全力疾走”を続ける。 いま、僕は再び“乗り継ぎ”の危機に直面したフランクフルト空港にいる。ベオグラードからの便が、機材の遅延と雷の影響で離陸が大幅に遅れた為だ。ヨロヨロと迎えに来たバスに乗り込み、時計を確認する。出発時刻まで僅か10分! 前回よりもシビアな状況だ。他の乗客たちも殺気立っている。乗り継げるかどうか? “全力疾走”が試される。 注1:トランスファー 目的地へ向かう途中の空港で飛行機から降り、最終目的地へ向かう別の飛行機へと乗り換えること。注2:トランジット 目的地へ向かう途中の空港にいったん着陸し、燃料の補給や清掃、クルーの入れ替えを行い、再び同じ飛行機で最終目的地へ向かうこと。 今月のCulture Favorite フランクフルト空港での全力疾走の乗り継ぎの様子。 映画『NOPE/ノープ』などで知られるジョーダン・ピール監督、ホイテ・ヴァン・ホイテマ撮影監督と、お揃いの上着で記念撮影。 今年12月日本公開予定のホラー映画『Talk to Me』を監督した、フィリッポウ兄弟と。 こじま・ひでお 1963年生まれ、東京都出身。コジマプロダクション代表。’87年に初監督作『メタルギア』でデビュー。独立後初となるタイトル『DEATH STRANDING』が世界で大きな話題を呼んだ。現在、その続編となる『DEATH STRANDING 2』の制作中。ドキュメンタリーフィルム『HIDEO KOJIMA ‐ CONNECTING WORLDS』の予告編が、KOJIMA PRODUCTIONSの公式YouTubeチャンネルで公開中。 次回は、2368号(10月11日発売)です。 ※『anan』2023年9月20日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/505309/ Source: ananweb

  • 2023.09.11

『ヒプステ』“麻天狼”「楽しいライブにすることが使命だと思うし、そのために努力したい」 | ananweb – マガジンハウス

大きな節目を迎える『ヒプノシスマイク ‐Division Rap Battle‐』 Rule the Stage ‐Battle of Pride 2023‐。ここでは、シンジュク・ディビジョン“麻天狼”の鮎川太陽さん(as神宮寺寂雷)、新木宏典さん(as伊弉冉一二三)、井出卓也さん(as観音坂独歩)に話を聞きました。 左から新木宏典さん、鮎川太陽さん、井出卓也さん。 ――まずは目前に控える『Battle of Pride 2023』(以下、BoP)横浜公演への想いを伺わせてください。 新木:全ディビジョン集合してのライブってことで、祭り感は間違いないと思うんです。キャスト全員が卒業するってことで、観に来られたお客さんは寂しさを感じる部分もあるかもしれない。でも僕らは全員で一斉にゴールテープを切るところに美学を感じているので、そこにネガティブな感情を持ち込みたくない。だからこそ楽しいライブにすることが使命だと思うし、そのために努力したいなと。 井出:そうだね。きっとお客さんは、いろんな感情で来られると思うんです。でも、僕らシンジュクとしての指針とかスタンスを決めて、3人で足並みを揃えていきたいですね。『Rep LIVE』(各ディビジョンの単独ライブ)も、毎回3人で話し合って、ライブの方向性とか、この曲はお客さんにどう見せたいかみたいなことを決めてやってたんで。 鮎川:新木くんが稽古場で前回公演の動画をよく確認するんですよ。それで楽曲が流れだすと自然とみんな集まって、このときはこうだったよね、ああだったよねって話になって、じゃあ次はこうしたい、こうできたらって話に繋がっていく。 新木:井出くんが発声練習しだすと、俺らもやんなきゃって追随するのと同じ。 鮎川:そうそう(笑)。なんとなく始めた人にみんながのっかって、一緒にアップしたり反省会したりするんです。 新木:誰かが号令かけたりもなく、ね。 鮎川:BoPでは、お客さんも各ディビジョンのチームカラーで応援してくれるんで、会場がすごいカラフルになるんですよね。前回のBoPでそれを見たときにものすごく感動したんで、またあの景色が見られるのが今から楽しみで。 ――他のディビジョンには負けないぞ、みたいな気持ちになるものですか? 新木:…と言った方がいいですよね。 井出:いやっ、なるって! 鮎川:おそらく今回は、僕らだけじゃなくキャストも、そしてファンの方々も、どうしたってこれまでで一番想いの強い公演になるとは思うんです。ただ、公演名に“バトル”って付いてるんで、そこは負けられないぞと(笑)。 ――みなさんが他にはないシンジュク・ディビジョンの自慢をするとしたら? 鮎川:僕たちシンジュクの楽曲って、わりと大人めなシックな曲が多かったけど、この間の『Rep LIVE』で起伏のあるオリジナル楽曲も生まれたんで、魅せられる幅が広がった気がしてて。 井出:あと、それなりにキャリアを積んできている3人なんで、勢いだけで突っ走るんじゃなく、きちんとショーとして魅せることができるっていうのも、強みなんじゃないかと思う。歌詞とか、一番聴きやすいチームだと思うし。 新木:全ディビジョンが集まる公演ということもあって、演出としてシンジュクが担うべきポジションっていうのがきっとあると思うんです。トータルバランスを考慮した上で、与えられた役割を自分たちらしく的確にやれるのがシンジュクだと思うんですよね。 ――頻繁に話し合いをしていたり、チームワークの良さが窺えますが、結束力が高まったタイミングはあるんでしょうか。 新木:『Rep LIVE』じゃないかな。 鮎川:確かに圧倒的に話す機会が増えた公演だった。 新木:シンジュクが登場したのはtrack.2からなんですけれど、すでにコロナ禍で稽古場で雑談できる環境ではなかったんですよね。ようやく話し合いをしてもいい環境になったのが『Rep LIVE』のタイミングで、打ち合わせの回数が圧倒的に多かったから。 井出:僕は途中からの参加だから厳しい時期の稽古場は知らないけれど、それぞれが自分の考えてきたことを言い合える環境に自然となっていったのが面白いなと。それぞれが同じ目標に向かって歩いていたら自然と歩幅が一緒になっていて、気づいたら並んでた、みたいなのって、すごくいい形だと思うんだよね。公演について話すうちに、「これまでで一番つらい時期っていつだった?」みたいな話をしたり。役だけでなく人間として一緒に歩んできた仲間だなって思ってます。 鮎川:他のディビジョンがどうかはわからないけど、僕ら、稽古が終わった後も部屋を借りて、この曲はどうしていこうとか、どこに盛り上がりを持ってこようかとか、一曲一曲精査していく時間を作っていたからね。そこに関しては、他のディビジョンより濃密に作っていった自信がある。あのときは地方公演もあったから、公演終わりにみんなで食事にも行って、お酒を飲みながらプライベートな話ができたのも楽しかったし。 ――今回の特集に絡めて、それぞれのメンバーを他己紹介していただきたいのですが、まずは鮎川さんからお願いします。 井出:こう見えてめちゃくちゃファニー。その言葉が一番しっくりくるくらいかわいいんです。ちょっとヌケてるところがあって、母性本能的なものをくすぐるし。 新木:しかも頭がいいし、サービス精神旺盛なので、今あるものに何を足したらファンの方が喜ぶかを冷静に分析して考えられる人。その頭の回転の速さにファニーさがのることによって、重くならない。奇跡的なバランスなんです。 井出:お肉でいったら豚肉だね。 鮎川:それ面白いね。僕、効率が悪いのが大っ嫌いなんで、こだわりは持ちつつ合わせるタイプだから、そこは近いかも。 井出:新木くんは何肉かなぁ? 鮎川:鶏肉じゃない?(笑) こうと決めたら揺るがない感じが。一度やると決めたら絶対にちゃんと達成するところは、マジで尊敬する。しかも勉強熱心なのに謙虚だし。 井出:はっきりしてるんですよね。だからといって協調性がないわけじゃない。あと、ずっと考えているというか、芝居に関してもだけど、答えを出すことに対してすごく慎重で、ずっと答えを探求し続けている旅人みたいなところがある。 新木:確かにそれ、すごい的確かも。学生の頃、先生が夏休みの宿題を「毎日15分やれば終わる量」だと言うから、毎日きっちり15分やったのに終わらなかったってことがありました。 鮎川:そうそう。言われたことはきっちりやってから文句言うんですよね(笑)。 新木:井出くんはすごく大人。波瀾万丈な人生を送ってきてるからこその落ち着きと決断力がすごいし、人が悩んでいることに気づいてくれて、押し付けがましくない寄り添い方をしてくれる。大人。 鮎川:マジで頭の回転が速い。ラップをやってるからか、人の話をよく聞いていて、その言葉を取って返すのが上手いんですよね。しかも深い話をすると、相手の想いを汲み取りながら、自分の視点ですごく的を射た言葉を返してくれる。 井出:馬肉くらいにしといて(笑)。 鮎川:脂肪がなくて筋が通ってて…。 井出:ありがたいっすね。 『ヒプノシスマイク ‐Division Rap Battle‐』 Rule the Stage ‐Battle of Pride 2023‐9月7日(木)~10日(日)ぴあアリーナMM 原作・EVILLINE RECORDS 演出・植木豪 脚本・亀田真二郎 音楽監督・KEN THE 390  テーマソング・井手コウジ 全席指定1万5000円(ラバーバンド3 個セット〈全4 種ランダム配布〉付き) 見切れ席1万5000円 SOGO TOKYO TEL:03・3405・9999 シンジュク・ディビジョン“麻天狼” リーダーは、“The Dirty Dawg”の元メンバーで天才医師の神宮寺寂雷(じんぐうじ・じゃくらい)。シンジュクNo.1ホストながら、じつは極度の女性恐怖症である伊弉冉一二三(いざなみ・ひふみ)と、根は優しいがキレると手が付けられない会社員の観音坂独歩(かんのんざか・どっぽ)がいる。 あゆかわ・たいよう 1991年1月18日生まれ、東京都出身。10歳より活動をスタートし、舞台、ドラマ、映画、モデルなどで活躍。本作のほか、主な出演作に舞台『魔法使いの約束』シリーズなど。10月にはミュージカル『新テニスの王子様』The Third Stageに出演予定。 シャツ¥31,900(ウィザード/ティーニーランチ TEL:03・6812・9341) イヤリング¥12,100(ライオンハート) ウォレットチェーン¥385,000 ブレスレット¥198,000(共にシンゴクズノ) 以上Sian PR TEL:03・6662・5525 その他はスタイリスト私物 あらき・ひろふみ 1983年6月14日生まれ、兵庫県出身。2004年より俳優集団D-BOYSのメンバーとして活動し、数々の舞台やドラマ、映画に出演。フォトブック『“新”発見 丹波ガイド』(東京ニュース通信社)が好評発売中。10月より舞台『赤ひげ』に出演予定。 シャツ¥59,400(08サーカス/08ブック TEL:03・5329・0801) タンクトップ¥1,980(キャスパージョン/Sian PR) レザーパンツ¥198,000(カズキ ナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575) ネックレス¥27,500(バフ TEL:0154・38・2600) ウォレットチェーン¥231,000(シンゴクズノ/Sian PR) その他はスタイリスト私物 いで・たくや 1991年3月12日生まれ、東京都出身。子役として活動をスタート。数々の舞台やドラマに出演する一方、歌手、ラッパーとしても活動。昨年にはT‐iD名義でEP『New Attitude』をリリース。10・11月にはライブツアーも控える。 シャツ¥4,950(キャスパージョン) イヤリング¥11,000(ライオンハート) バングル¥132,000(シンゴクズノ) 以上Sian PR ニットタンクトップ¥16,500(アンバーグリーム/ルーストン TEL:03・6805・6603) パンツ¥46,200(08サーカス/08ブック) ネックレス¥24,200(バフ) サングラス¥52,800(ミスタージェントルマン アイウェア/ジョイ エブリ タイム TEL:03・5937・1965) その他はスタイリスト私物 ※『anan』2023年9月13日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・鹿野巧真 ヘア&メイク・瀬戸口清香 北崎実莉 構成、取材、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/504464/ Source: ananweb

  • 2023.05.13

人気eスポーツチームに成長! Crazy Raccoon代表・おじじが明かす、異例のチーム運営 | ananweb – マガジンハウス

創設5年で日本で最も人気のeスポーツチームのひとつになった「Crazy Raccoon」。代表のおじじさんが、異例のチーム運営について語る。 Crazy Raccoon(以下CR)は、日本の人気プロeスポーツチームの中でも前例のない挑戦を重ね、独自のポジションを築いているチームだ。 チームおよび所属メンバー45人のTwitterやYouTubeの登録者数は計2000万人超。’22年6月には、チームやメンバーのオリジナルグッズを販売する店舗を日本のチームとして初めて渋谷にオープンし、併設の「CR GAMING SPACE」には、無料で使えるハイスペックゲーミングPC60台以上を完備している。 もうひとつ忘れてはならないのが主催する「CR CUP」だ。チーム内外のプロ選手やストリーマー、VTuberはもちろん、山田涼介さんや『【推しの子】』の原作などで知られる赤坂アカさんなど幅広い出場者が参加するこの大会シリーズは、’19年の初開催から約4年で国内最大級のeスポーツイベントとなった。 最近では自社で格闘ゲームの開発を始めたりと、eスポーツチームとしてはあまりに異例ずくめのCR。思わず「なんと呼ぶのがよいでしょう?」と代表のおじじさんに聞くと、かなり悩んだのちにこう答えてくれた。「一言で言うなら、ゲームがうまい人たちのエンタメ集団…ですかね」 異例なのは、事業の幅広さだけではない。プレイヤーファーストを掲げるCRでは、大会の賞金も配信の収益も100%選手のものだとおじじさんは言う。選手が獲得した賞金や配信の広告収入の一部をチームの収入とする契約を結ぶeスポーツチームがほとんどであることを考えると、CRの言うプレイヤーファーストの本気度が窺える。動画の編集やプロモーションにかかる費用はもちろんチームが負担。チームの主な収入源はグッズの売り上げだという(その利益も選手と折半だ)。 その徹底ぶりの背景にあるのは、おじじさんがチームを結成したそもそもの理由。「焼き肉店のオーナーをしていた時代に、プロゲーマーの人たちから『ゲームだけでごはんを食べていくことが難しい』という話を直接聞いたんです。それなら自分でプレイヤーが第一のチームをつくろうと思って設立したのがCRでした」と振り返る。 「ゲームへの愛なら、ほかのどのチームのオーナーにも負けないと断言できます。だからこそプロや配信者を誰よりもリスペクトしているし、自分の手で環境を変えたかったんですよね」 2018年4月の設立からたった5年で、CRは日本随一の人気チームに成長。チーム全体が人気を獲得し続けている理由のひとつは、おじじさんの“視点”にあるのだろう。「選手の多くは、ゲームのうまさが正義だと思っているんですよ。これは正しいけれど、本質的ではない」と、おじじさん。 「例えば、クリスティアーノ・ロナウドのスニーカーが売れるのは、サッカーがうまいからではありません。人気だから売れるんです。技術が高いことは、人気の理由のひとつでしかないわけです」 eスポーツの世界で、大会の賞金だけで生きていける人はごくわずか。しかし、たとえゲームの技術が一番でなくとも、圧倒的人気のあるプレイヤーなら契約するチームはあるし、お金を稼ぐ手段も増えるとおじじさんは言う。 「まず人気について考えよう、ということはチームのベースになっていますね。『そのためにこれをしろ』と選手に強制することはありませんが、サポートは全力でします」 今年4月には、初の大型ファンイベント「CR FES 2023」を開催したCR。1万8000人のキャパシティをもつ幕張メッセを会場にしたにもかかわらず、チケットへの応募はそれをはるかに上回った。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだが、おじじさんの目標はさらに壮大だ。「日本のeスポーツ業界はまだまだブルーオーシャンだと思います。CRとしては数十億円規模で実施したい企画をいろいろ溜めていますし、いつかは東京ドームをファンで埋めます!」 Crazy Raccoonとは? “ゲーマーをかっこよく魅せる”というテーマのもと、2018年4月に結成。『Fortnite』『Apex Legends』『VALORANT』『Clash Royale』『Super Smash Bros.』『Brawl Stars』の6タイトルに配信者の『Streamers』部門を加えた7部門を展開。選手のSNSのフォロワーは合わせて900万人、YouTubeの登録者数は860万人を超える。国内最大級のeスポーツイベント「CR CUP」を主催するほか、ゲーミングスペースや実店舗の運営も行う。 おじじさん プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」代表。ラッパーや役者、焼き肉店のオーナーなどを経験し、2018年にプロゲーマーの友人たちと同チームを結成。自身も1日に10時間以上プレイする日もあるという大のゲーム好き。 ※『anan』2023年5月17日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) ヘア&メイク・宮坂和典 取材、文・川鍋明日香 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/483671/ Source: ananweb

  • 2023.01.27

バッグの持ち方を変えるだけでOK! ペタンコお腹のキープ法3つ | ananweb – マガジンハウス

習慣化したい、ペタンコお腹のキープ法とは? 生活の中で行える3つの方法を美容家・南雅子さんが教えてくれました。 足指エクササイズ 立っても座ってもできる、足指を使ったエクササイズ。美姿勢をキープするのに必須な脚の裏側の筋肉を刺激。首が伸びて肩の力が抜け、前かがみグセを直すのにも最適。 足指上げ下げ(各5秒×10回) 親指以外の4本の指を特に意識して、ゆっくりと上げ下げする。上げた状態を5秒キープ、下げて指で床を押すようにして5秒。10回ほど繰り返す。 指で床押し(5秒×10回) かかとを上げ、親指以外の4本の指裏で床を押す。ゆっくり床を押して5秒キープ、かかとを戻す、を10回ほど繰り返す。片足ずつ行ってもいい。 肩掛けバッグの持ち方 肩掛けバッグの持ち方が、前首、前肩、猫背を誘発。ストラップの位置を調整すると首が伸び、姿勢が整い、いつもよりバッグが軽く感じられるメリットもあり。 肩に掛けたストラップを手で背面に送り込む。鎖骨が開き、ストラップと一緒に肩が後ろに送られるイメージ。【NG】前に抱え込むようにして持つと、首や肩が前に出て背骨が丸まる。 首を伸ばし、腋を締め、片手でバッグを下から支える。腰を反らさないよう注意。バッグが軽く感じられる。 お尻歩き 椅子の上でお尻を左右交互に後ろに進むイメージで行う。股関節への負担が軽減し、垂れ尻予防にも効果が。座っている時間が長い人ほど仕事中に何度も行って。 椅子に浅く座り、背筋を伸ばしお腹を凹ます。左かかとを上げ、親指以外の4本の指で床を押しながら、左肘を後ろに引き、左手で太もも裏から左尻の筋肉を引き上げるようにしてお尻を後ろにずらす。このとき、肩甲骨を中央に寄せるように意識。呼吸は自然に。 手を熊手のようにして、垂れ尻をグーッと持ち上げるイメージで。 手を使う時は肩甲骨を寄せながら行うと、背面の筋肉が使いやすい。 同様に、右かかとを上げ、右肘を後ろに引き、肩甲骨を中央に寄せるようにしながら右手で右尻を持ち上げ後ろに進み、左右交互に続ける。常にお腹は引っ込めて。 両尻が背もたれに近づいたら終了。坐骨が立ち、骨盤に正しく上半身が乗った座り姿勢ができる。 南 雅子さん 美容家。整体エステ『ガイア』主宰。人間本来が持つ、機能的で美しい体づくりを提案。これまで、約12万人の施術を行った実績がある。近著は『たった1回でお腹が凹む 奇跡の股関節ほぐし』(SBクリエイティブ)。 トップス¥12,100 レギンス¥13,200(共にジュリエ ヨガ アンド リラックス TEL:03・5720・8256) バッグ¥9,240(ナージー/ジュンカスタマーセンター TEL:0120・298・133) ※『anan』2023年2月1日号より。写真・内田紘倫(The VOICE) スタイリスト・仮屋薗寛子 ヘア&メイク・浜田あゆみ モデル・岩田絵莉佳(セントラルジャパン) 取材、文・板倉ミキコ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/463825/ Source: ananweb