大久保愛

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  • 2024.03.08

クリーム、菓子パン大好き…「おりもののニオイが気になる人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

女性のデリケートゾーンの悩みには様々なものがありますが、「おりもの」もそのひとつ。量や色、ニオイなどに変化を感じると不安ですよね。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、おりもののニオイが気になる人のための食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます! 私のおりもの、もしかしてにおってる…? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 256 2020年ころから、フェムケアやフェムテックという考え方が急速に広まってきましたよね。女性の社会進出が進むなか、男性に比べ女性は妊娠、出産、更年期などのライフステージに合わせて、様々な女性特有の不調に悩まされることになります。また、毎月訪れる月経時には、PMSや月経痛、排卵痛、不正出血、月経過多、おりものの異常などの不快症状を感じ、ひと月の中でも調子のよい時期がほとんどないという方も多いです。 こういった背景から、吸水ショーツやおりものの異常を軽減するアプリケータやデリケートゾーン用の保湿オイル、オンラインピル処方、卵子凍結サービスなど、幅広く女性の活動を支える商品やサービスが次々と登場しています。日々進化するテクノロジーに頼ることは、もちろん必要ですが、自分で解決できる問題も中にはあるかもしれません。 女性の体は、ホルモンバランスに日々翻弄されていますが、そんな中でも「不調が起こりにくい人」が存在します。具体的にどんな人であれば不調が起こりにくいのかというと、「食事、運動、ストレス管理、睡眠などの自己管理に長けている人」です。とくにその中でも食事は、まずはじめに体に影響を与えるものです。ということで、今週は女性の不調の中でも悩む人が多い、おりもののニオイが気になるという人に向けた食薬習慣を紹介していきます。 今週は、おりもののニオイが気になるときの食薬習慣 最近、おりものについて「量が増えた」「ニオイが気になる」「粘性が強くなった」「色が濃くなった」などの違和感をもったことはないでしょうか。それらの症状は、下着が蒸れやすかったり、締め付けの強い服を日常的に着ていたり、デリケートゾーンを洗いすぎているなど、外的なことが原因である場合もあります。もともと女性ホルモンの変動に合わせておりものの質は変化するものですが、それ以上に違和感があるときには注意が必要かもしれません。カンジダ膣炎やクラミジア、トリコモナス膣炎などの可能性もあるからです。 ただし、今回は生活スタイルによって変化するおりものについて解説したいと思います。例えば、漢方医学では体が冷えて『腎陽虚』のときには、水っぽいおりものが増えるとされており、デニッシュやクリームパン、クロワッサンなど菓子パンなど甘いもの、小麦製品などを摂ることが多いときには、『湿熱』を生じ、粘性とニオイが強いおりものが増えるとされています。そこで、今週はおりものの気になるニオイの対策をとるために、『湿熱』を除去し、雑菌に負けないように『腎』を強化する食薬を紹介します。今週食べるとよい食薬は、【大根おろしとトロロをかけたキャベツの味噌汁】です。そして逆にNG習慣は、【デニッシュ、クリームパン、クロワッサンなど、菓子パン】の食べ過ぎです。 食薬ごはん【大根おろしとトロロをかけたキャベツ味噌汁】 胃腸の働きを整えつつ『湿熱』を取り除くアブラナ科の野菜であるキャベツと大根、『腎』を強化する長芋を組み合わせたお味噌汁で、腸内環境を整えつつ免疫の低下を防ぎ、炎症や雑菌の繁殖が起こりにくい体内環境づくりをしていきましょう。 <材料>大根    5㎝くらい(皮ごとすりおろす)長芋    5㎝くらい(皮ごとすりおろす)キャベツ  4枚(小さくちぎる)生姜    2片(すりおろす)鰹節    1つかみ(手で粉々にしていれる)   水     400ml味噌    大さじ1海苔    あれば少し(刻む)七味    お好みで <作り方>おろした大根と長芋をよく混ぜ合わせておく(A)。お鍋に水、キャベツ、生姜、鰹節を入れ火が通ったら、味噌を溶く。器によそい、(A)をお好みで載せて、海苔と七味をトッピングする。 NG行動【デニッシュ、クリームパン、クロワッサンなど、菓子パン】 小麦や砂糖、クリーム系の乳製品などは、カンジダ菌の好物です。腸内環境を荒らし、リーキーガット(腸管壁浸漏)を起こすことで、免疫が低下したり、炎症体質へと偏ってしまうことがあります。抗生物質やおりものシートなどの対処療法だけではなく、体の内側からケアをすることはマストです。 女性の不調は、一難去ってまた一難という感じで、何十年も落ち着くことが難しいのが現状です。平穏に暮らすためには、テクノロジーだけに頼るのではなく、自分の行動を変えて体質改善していくことが必要不可欠。心と体の状態を常に安定させるためにも自分の体を一番に優先することを考え、日ごろの習慣の見直しをしていきましょうね。そして、そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©ssstocker/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/537531/ Source: ananweb

  • 2024.03.01

寝る前のお酒がやめられない…「睡眠不足なのによく眠れない人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

眠りが浅い、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなど、睡眠の質の低下に悩む人がたくさんいます。疲れているのに眠れず、翌日まで不調を引きずってしまうことも…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、良質な睡眠を得るための食薬習慣と、NG習慣を教えてくれます! よく眠れずに悩んでいませんか 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 255 疲れたと思い布団に入ると目が冴えてしまったり、その日の出来事や悩みをくよくよ考えだしてしまったり、悪夢を見て夜中に何度も目を覚ましたり、トイレに起きてしまったり…。睡眠にまつわる悩みに何年も苦しめられているという人は意外と多いのではないでしょうか。 睡眠は、単純に体を休憩させる時間ではなく、細胞の修復や免疫の向上、記憶の固定、感情の整理などその働きは多岐にわたり、心と体が元気でいるために欠かすことのできない大切なものです。2、3日連続して質の良い睡眠をとることができただけでも、疲れがすっきりとれたり、お肌の状態が好調になったりすることを体感できるので、睡眠の影響力は想像できますよね。ということで、今週は睡眠の質を高めるための食薬習慣を紹介していきます。 今週は、睡眠の質を高めるための食薬習慣 眠れない日が続くと、今日は眠れるかなと夜になるにつれて自分にプレッシャーをかけて、余計に眠れなくなってしまう人もいらっしゃるようです。睡眠に関しては、眠るタイミングにだけ気合を入れても質の向上が望めるものではありません。睡眠の質には、朝の過ごし方、食べているもの、ストレス環境、運動や入浴の習慣、睡眠時の環境など、非常にたくさんの要因が存在しています。そのため、睡眠の質を下げている習慣を日ごろから一つでも多く減らしていくことが大切です。 漢方医学では、寝つきが悪かったり、すぐ目を覚ましてしまうようなタイプを『心脾両虚』や『心血虚』、『肝血虚』など『血』が不足していると考えることがあります。そこで、食べるとよい食薬は、胃腸に優しく『血』を補ってくれる【即席玉子と豆腐のスープ】です。そして逆にNG習慣は、寝つきを改善する目的で飲むと常習的になってしまう【寝酒】です。 食薬ごはん【即席玉子と豆腐のスープ】 『血』を補い睡眠の質を高めてくれる漢方薬の“人参養栄湯”のような優しいスープです。セロトニンの原料となるトリプトファンや睡眠の質を高めるセリンなどを含む豆腐と玉子を具材とします。梅干しや塩昆布で味を整え胃腸の働きもサポートしていきます。 <材料>A・塩昆布 5g・梅干し 1個(包丁で叩く)・絹豆腐 半丁(スプーンですくう)・醤油  小さじ1くらい・水   200mlB・溶き玉子 2個・豆乳  200ml <作り方>Aを加熱し沸騰したら、溶き玉子を加え固まったら、豆乳を加えて完成。 NG行動【寝酒】 不眠を解消するためにお酒を飲むことは、アルコールに対する依存症の可能性を高めたり、眠りが浅くなったり、睡眠のリズムの余計に乱してしまうことがあります。不安や不眠を解消することを目的として、お酒を飲むことは控えましょう。 健康で若々しくいるためには、睡眠の質を向上させることが必要です。食事の内容や量、タイミングも睡眠の質に関係するので食事の管理も大切ですが、スマートウォッチなどで、睡眠のスコアと生活スタイルをリンクさせて考えることで、生活の見直しも同時に行っていくと対策をたてやすくなります。そして、そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©星野スウ/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/536269/ Source: ananweb

  • 2024.01.04

スナック菓子好き、口臭がキツい…「年始にやる気がでない人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

2024年がスタートしました。年明けから仕事にプライベートにスタートダッシュといきたいところですが、実際はそううまくいかないもの。仕事始めが憂鬱、正月疲れで体は重いしやる気がでない…。例年のことながら、そんな人が多いと思います。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、正月ボケを吹き飛ばしてくれる食事と、危険なNG習慣を教えてくれます! 年明けの仕事始めにだるさを感じませんか? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 247 2024年が始まりましたね。例年のことですが、やはり長期休暇明けは、仕事に行くのが嫌になるという人がほとんどではないでしょうか。年末の慌ただしい日々で交感神経が優位になり、休暇に入ったとたんに人が変わったようにのんびり過ごすというリズムの方も多いと思います。 ただ、こうなると再び日常に戻るときに「嫌だな」と思うのは普通の感情ですよね。一年の始まりといえば、今年の抱負を考えたり、ポジティブな発言が増える人も多いですが、発言とは裏腹に行動としては、横になり外出も仕事もしたくないと引きこもりがちになることもあるかもしれません。ということで、今週は、2024年のスタートを応援する食薬習慣を紹介していきます。 今週は、正月疲れ対策となる食薬習慣  やる気がない、疲れる、動きたくない、体が重い、肌荒れが気になり始めたというかた、鏡をもって舌を見てみてください。舌の真ん中に苔が多くついていたり、口臭が気になったりしないでしょうか? 漢方医学では、体の状態を把握するために舌の状態を把握することがあります。舌苔がふえているときには、消化に負担がかかるほどに食べていたり、お酒や偏食によって肝臓に負担がかかっていたりすることがあります。漢方医学ではこれを『痰湿・湿熱』が生じている状態と考えます。 私たちの体は、食事から栄養を吸収し、老廃物や有害物質を解毒し排泄することで元気を保つというシンプルな仕組みをもっています。しかし、リズムが乱れがちな年末年始で、この仕組みがダメージを受けることとなり、その結果として疲れが抜けなくなったり、やる気がなくなったり、肌トラブルも出てきてしまいます。そのため、消化の働きを助ける『脾』と解毒の働きを助ける『肝』をサポートし、『痰湿・湿熱』を除去していきましょう。 そこで、今週食べるとよい食薬は【ブロッコリースプラウトの即席スープ】です。逆にNGな習慣は、正月ボケを満喫すべくゴロゴロしながら食べる【ポテトチップスなどスナック菓子】です。 食薬ごはん【ブロッコリースプラウトの即席スープ】 何をするのも面倒に感じていたとしても簡単に作れるスープです。消化を助け、腸内環境を整え、ミネラルを補い、解毒を促す食材を集めました。 <材料>ブロッコリースプラウト 山盛り鰹節          10gとろろ昆布       2つかみ梅干し         1個(包丁でたたくか、容器に入れ箸でつぶす)醤油・みりん      各小さじ1くらい(調整)お湯          200ml <作り方>材料を容器にすべて入れてよく混ぜたら完成。 NG行動【横になりながらのスナック菓子】 だるいし、やる気がないし、相当気合を入れないとテキパキ動くことができないというとき、人はどんどん手軽に食べられるものを食べるようになっていきます。その結果、横になりながらポテトチップスなどのスナック菓子を袋ごとペロッと食べてしまうということもあるかもしれません。ですが、今必要なやる気をだすための栄養を摂取できるものではなく、お腹をいっぱいにしてしまう恐れがあるため、3度の食事内容も少なくしてしまう傾向があります。その結果、質的な栄養失調に近づいてしまいます。 1年の中でも食べ癖が付きやすい時です。暇だから食べる、疲れるから食べる、イライラするから食べるといったように習慣化してしまっている人は注意しましょうね。 正月明けは、新年への期待、正月ボケで何もしたくない気持ち、気が引き締まったり、怠けたくなったりと心が忙しくなると思います。心の不調を感じた時には、根性論ではなく、まずは食事の見直しなど現実的な問題を解決していきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©Vanz Studio/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/525220/ Source: ananweb

  • 2023.12.28

焼肉大好き、風邪が治りにくい…「食べ過ぎリセットできない人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

忘年会にクリスマス、お正月とイベント続きの年末年始。多くの人がこの時期、食べ過ぎ、飲み過ぎによる胃もたれや消化不良で悩んだことがあるはず。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、暴飲暴食による内臓疲労、免疫力の低下をリセットしてくれる食事と、危険なNG習慣を教えてくれます!  年末年始の暴飲暴食で胃腸が弱っていませんか? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 246 お正月を目前にすでに内臓が疲れていると感じているかたはいませんか。忘年会、クリスマスとイベントが続き、食べたり、飲んだり、お祭りのような毎日を過ごしている人も多いと思います。楽しいと思って忘年会などに参加する人もいれば、本当は家でのんびりしたいけど、人付き合いでしぶしぶという人もいらっしゃるかもしれません。どちらにせよ、早期に心と体のケアをしていきたいですね。 新年には年神さまがやってきて、私たちに幸せをもたらすといわれていますよね。その神様への縁起のよいお供え物を元旦に食べるようになったものがお節といわれています。また、三が日はさまざまなよいことを水に流さないように、料理をせずに過ごすとよいという習わしもあります。そんなわけで、お正月にはあまり体を動かさずに、食べて飲んで過ごす方が増えることだと思います。今週は、食べ過ぎ、飲み過ぎをケアしていく食薬習慣を紹介します。 今週は、暴飲暴食対策となる食薬習慣  今年は、新型コロナウイルスが5類感染症へと位置づけが変更され、久々に人が町中にあふれる年末年始になります。忘年会、お正月行事等が続き、日常も活気づきますよね。気の知れた友達と食べたり、飲んだりすると、つい時間を忘れて長時間過ごしてしまうこともあると思います。 ただ、楽しい時間は大切なのですが、胃や腸、肝臓などへのダメージが着実に積み重なり、ちょっと内臓が疲れているなと感じているかたも多いと思います。口内炎や口唇ヘルペス、カンジダ膣炎、膀胱炎など、免疫低下時に起こりやすい症状がでてきてはいないでしょうか。漢方では、食べ過ぎ飲み過ぎの時には、免疫を低下させ炎症の原因となる『湿熱』が生じるため、『肝・脾』を整えていくとよいとされています。 ということで、解毒に関わる『肝』と消化に関わる『脾』をサポートする食薬習慣が大切です。今週食べるとよい食薬は【大根とニンジンのピクルス みぞれ和え】です。逆にNGな習慣は、【霜降りたっぷり焼肉の宴会】です。 食薬ごはん【大根とニンジンのピクルス みぞれ和え】 大根とニンジンの抗酸化物質と食物繊維で腸から心と体を元気にしましょう。大根おろしを加え、大根の辛みをアクセントにすると、『脾』をサポートするジアスターゼや『肝』をサポートするイソチオシアネートの働きを得ることができ、年末年始の食べ疲れを癒してくれます。 <材料>人参     1/2(一口大)大根     4センチくらい(一口大)大根おろし  お好みでお酢・みりん(アルコールが気になる人はレンチン) 各大さじ3 <作り方>材料を半日漬けたら完成。 NG行動【霜降りたっぷり焼肉の宴会】 タンパク質がたくさんとれていいじゃん! と言われそうですが、脂の多い焼き肉を食べた後、胃もたれしたり、膨満感や下痢などに悩まされてしまう人も多いのはおわかりだと思います。脂身の多いお肉は、消化に時間がかかり、胃腸の働きが低下しているときにはとくにダメージを感じやすくなります。 また、タンパク質には窒素が含まれますが、分解の過程で窒素はアンモニアに変わり、肝臓や腎臓に負担がかかることがあり、内臓疲労の原因となってしまうこともあります。外食が続いているときには、気をつけましょう。また、食べるとしたら大根やキャベツなども一緒に食べたり、よく噛んで食べたりして楽しむようにしましょう。 年末年始の食べ過ぎや飲み過ぎは、楽しさの代償として生じるものです。しっかりとその時間を満喫していれば、決してネガティブなものではないと思います。ただ、その食べ癖が続いたり、お酒の習慣が身に着いたり、内臓の疲れを引きづったりすることは、その後の自分の体に対して、優しい行動ではありません。オンオフの意識をしっかりもって、素敵な時間をたくさん過ごしましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©Daria/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/525198/ Source: ananweb

  • 2023.12.21

カフェラテ大好き、昼間の眠気が強い…「心身の不調から太りやすい人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

イベントが多い年末年始は、食生活や生活リズムが乱れてストレスもたまりがち。気づけばぽってりお腹に…なんて人が続出するシーズンでもあります。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、心身のバランスを整え、ダイエットにもつながる食事と、危険なNG習慣を教えてくれます! 年末年始のストレスから太り気味の人はいませんか? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 245 忙しく、忘年会もあり、クリスマスもあり、大晦日もあり、盛りだくさんな1か月ですよね。そろそろストレスがたまってきていませんか? ここで、ちょっと深呼吸をしましょう。息をつく間もなくあれこれ考え、動き、スケジュールを埋めていく人も多いと思います。ストレスに強い人でも、気が付かないうちにリラックスを求めていることもあるのではないでしょうか。 リラックスしたいときに、簡単にできる方法として、甘いスイーツを食べたり、甘いカフェラテを飲んだりすることってありますよね。ホッと一息つくと殺伐としていた日常にも一瞬だけ華やぎを取り戻すことができ、再び頑張ることができます。ただ、これに頼りすぎていると、ここぞというときに眠気がやってきたり、持久力がなくなったりしてしまうこともあるかもしれません。さらには、太ってしまうということもありますよね。 冬はただでさえ、食べたり飲んだりする機会が増えるので、太りやすい時です。だからといって、運動量も増やしたくはないので、行動一つひとつに気をつけなければならないですよね。ということで、今週はストレス太りを予防する食薬習慣を紹介していきます。 今週は、ストレス太り対策のための食薬習慣  仲のいい人に「ちょっと太った?」といわれたり、冬服でお腹やお尻の周りが隠れることを嬉しく思ったりすることはないでしょうか。「春になる前にダイエットしたらいいよね」と開き直っている人は注意です。そう簡単に、痩せないからです。冬は、運動量が減り、食べる量が増えることで太ります。つまり、脂肪が増え、筋肉量が減り、痩せにくい体形になるからです。 そこで、ご自身の生活を見直してみましょう。集中できないとき、イライラしたとき、眠気が強いときなどに甘いものに頼ってはいませんか? 今の時期は、濃厚なクリーム系やチョコレート系などの季節限定スイーツも増えています。誘惑が多いですよね。漢方医学では、ストレスに強くなるために『肝』を強化し、代謝を上げていくためには『気』を補うことが必要だと考えます。 ということで、『肝』の働きを強化し『気』の巡りを促し、『気』を補う食薬習慣が大切です。今週食べるとよい食材は【ベリービネガードリンク】です。逆にNGな習慣は、【甘いカフェラテ】です。 食薬ごはん【ベリービネガードリンク】 漢方医学では、「気」の巡りを促し、ストレス解消に役立つとされるお酢。血糖値の上昇を抑えることで、心の安定やダイエットにつながったり、消化を助け栄養の吸収を助けたり、便通をうながしたり、内臓脂肪の燃焼に役立ったり、疲労回復につながったりします。 抗酸化作用が高く、疲れ目対策やストレスケア、美肌にも役立つビタミンCやアントシアニンを豊富に含むベリー系を合わせて、手軽にベリービネガーを作りましょう。ミックスベリーやブルーベリー、イチゴなどはコンビニやスーパーの冷凍コーナーに売っていますよ。 <材料>冷凍ミックスベリー  110g(1袋)酢          100ml蜂蜜         50gくらい水          お好みで <作り方>清潔な容器に材料を入れ、全体になじませる。1時間以上おいたら、お水や炭酸水で割ってお召し上がりください。3~4日するとより味がなじみます。 NG行動【甘いカフェラテ】 カフェラテやカフェオレには、糖質や脂質が多く含まれています。ちなみに、カフェラテ1杯には、約10g程度の糖質が含まれていることがあります。ちょっと休憩と思い、カフェラテとクッキーやビスケットをつまんでいると、糖質やカロリーの摂取量がいつもの食事に上乗せされる形になるので、習慣化すると当然太ってしまいますよね。とくに、今の時期から1月にかけては食べ癖がつきやすい時期です。なるべく、習慣化しないようにしていきたいですね。 年末年始は、数か月ぶり、1年ぶりなど久しぶりに会う人が増えますよね。ベストコンディションの心と体と外見をもって楽しめるように、日ごろからできることは取り入れていきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 ※1 農林水産省サイト「アツアツな飲み物にご注意!」 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©autumnn/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/524297/ Source: ananweb

  • 2023.12.01

コーヒー好き、風邪を引きやすい…「集中できず仕事の能率が上がらない人」の対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

走り回るほど忙しい師走。今いちばん欲しいのは山積みのタスクをこなす集中力と持久力、という人も多いかもしれません。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、タフに活動するために効果的な食事と、避けるべきNG習慣を教えてくれます! 最近、仕事の能率が落ちていませんか? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 242 今年もラストの月となりました。アッという間に過ぎたという人もいれば、濃厚で時間が長く感じたという人もいると思います。同じ1年間でも、時間感覚はヒトや場面によっても違いますよね。楽しい時間や何かを考えている時間は早かったり、何かに時間を拘束されたり、待っているときには長く感じることもあると思います。 そんな1年の中でも、とくに12月はやること、やりたいことがたくさんあるぶん、短時間で集中し、効率よくテキパキと活動していきたいときだと思います。やり残すこと、諦めてしまうことはできるだけ少ない方がよいですよね。ということで、今週は師走に突入した12月にやる気のスイッチのオン・オフがコントロールできるように、栄養状態から整えていく食薬習慣を紹介していきます。 今週は、時間を無駄にできない人のための食薬習慣 今月は、オンオフの管理をしっかり行うことが充実した年末を迎えるキーとなると思います。年末年始の長期休暇に向けて山積みになっていくタスクに対して集中力を一瞬で発揮し、効率よく処理していくオンの時間、そして何も考えずにダラダラと楽しい時間を過ごすオフの時間の両面を、臨機応変に出現させていく柔軟性が必要となります。 そこで、必要となるのが脳の神経伝達物質に必要な栄養、持久力に必要な副腎の働きを支える栄養などです。タフに活動するためには、このHPA軸機能(脳の視床下部、下垂体、副腎の関係)を整えることが必要になります。これを漢方医学では、『腎』の働きを助け、『気・血・水』を補うことだと考えます。そして、『腎』の働きは、睡眠時間を十分に確保し、良質な睡眠を得ることが最低条件なので、12月の時間のある日には、ストレス発散となる深夜の自由時間を優先するのではなく、とにかく眠る時間の確保を優先していきましょう。それが、今年中にすべてをやりきるためのポイントとなります。 そして、食薬としては『補腎』ができ、『気・血・水』を補うことのできるものが必要となります。ということで、今週食べるとよい食薬は【大根と玉子と椎茸のおでん】です。逆にNGな習慣は、【集中力が欲しい時のお菓子とコーヒー】です。 食薬ごはん【大根と玉子と椎茸のおでん】 この時期、おでんを食べる機会が増えますよね。おでんはいろんな食材を含むため、その時の体調に合わせて必要な食材を選ぶことのできるサプリメントのような料理です。とくに『補腎』に役立つビタミンDを含む椎茸、『気・血・水』を補う玉子、消化吸収の負担を軽減し『補脾』に役立つ大根などを選ぶようにすると、不足しがちな栄養素を補うことができます。また、おでんの中でもなるべく加工されている物ではなく、食材そのものをチョイスするようにすると、体を構築するために役立つことが多いので、覚えておくのがおすすめです。 <材料>大根     5㎝(一口大)ゆで玉子   2個里芋     4つ(レンチンして皮をむく)水      400ml醤油・みりん 各大さじ1塩昆布    大さじ1鰹節     1つかみ(粉々にるす)干し椎茸   4個分 <作り方>よく煮込んだら完成。 NG行動【集中力が欲しい時のお菓子とコーヒー】 集中力が短期的に必要なときには、お菓子とコーヒーもよいと思います。ですが、12月はまるまる1か月間という中長期的な集中力が必要と感じる人が増えるシーズンです。そのため、一時的な集中力のキープに役立つお菓子やコーヒーでは、その後の集中力を低下させたり、睡眠の質を低下させたりすることも…。さらには、集中したいタイミングが増えることにより、お菓子の回数が増え、3度の食事の量が減り、質的な栄養失調気味になってしまうことなどが考えられます。 今月は、攻めと守りが必要となる月です。食薬としては、瞬発的な効果を期待した食材ではなく、栄養の消化吸収を高める食材、持久力や集中力を養うために必要な栄養素を含む食材などを意識して取り入れていきましょう。 思ったように集中力をコントロールできる状態である体は、持久力もあり、免疫も高く、冷えにくい体であるとも考えることができます。悔いのないように、栄養状態を高めていきましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©Dzianis Vasilyeu/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/520197/ Source: ananweb

  • 2023.11.24

朝食はパン、胃腸が弱い…「気温が下がると不調になりやすい人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

寒い日には温かなお風呂やお鍋が恋しくなりますよね。だけど、それだけでは冬の冷えからくる不調対策に十分とは言えないそう。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、体を温まりにくくしてしまうNG習慣と、すぐにできる入浴法などの対策を教えてくれます! 体がなかなか温まらない人はいませんか? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 241 温活はじめていますか? この時期になると、今までシャワーで済ませていた人もお風呂に浸かりたいと思う人が増えると思います。 入浴の際、冷え性の人は、39度から40度くらいの少しぬるめのお湯に10分から15分くらい浸かるのがおすすめ。あまり熱すぎると交感神経が刺激され、睡眠の質に影響したり、急激に上昇した体温をもとに戻すために逆に冷えてしまったり、心臓に負担がかかることがあります。無理せずにリラックスできるくらいの温度で入りましょうね。 また、入浴剤として、マグネシウムが含まれていたり、炭酸系であったり、気を整える理気作用のある柑橘系の精油などを加えるのもよいですね。入浴後は、レッグウォーマーや腹巻をして、湯冷めしないようにしましょう。ちなみに、就寝時間の90分くらい前に入浴することで、就寝時に深部体温が程よく下がり、睡眠の質を向上させられます。 温かい体を作るためには、外部から体を温めてくれる入浴はもちろん、湯たんぽやカイロなども有効ですが、食事、運動、睡眠、ストレス環境などを整え、体がエネルギーを作り出せる環境を整えてあげることも大切です。ということで、今週は、体の中から温める食薬習慣を紹介していきます。 今週は、体の中から温める食薬習慣 寒さが厳しいですが、お鍋が美味しくなったり、寒いとモコモコのかわいいルームウェアや防寒グッズが増えたり、お風呂の時間が楽しくなったり、よいこともありますよね。 とくにお風呂では、好きな入浴剤やアロマオイル、マッサージクリームやクレイパックなど、いろいろ試したいものを使ってみたり、ハーブティーを飲んだり、映画やドラマを観たり、音楽を聴いたり…。お風呂の時間は温活の一つですが、乾燥ケアやむくみとりなどの美容の時間になったり、映画鑑賞でリラックスタイムになったりと、日替わりでテーマを決めたくなるくらい楽しむことのできる楽しい時間にすることができます。まだ、シャワーだけで済ませているという人は、早速自分の心と体のために少しだけ時間を用意してあげて、入浴してみてくださいね。 そして、寒い時期に温かく過ごすためには、エネルギー生成を円滑に行うことのできる体が必要です。エネルギーを作り出すミトコンドリアにしっかりと栄養素が届くように、胃や腸のケアをしつつ、適切な栄養素を取り入れることが大切です。 漢方医学では、胃腸虚弱で一度冷えるとなかなか温まらない状態を『脾腎陽虚』といいます。このタイプになると、冷えだけではなく、疲れやすさや、気分の落ち込み、朝のだるさ、中途覚醒など悩みは複数になってくる可能性も考えられます。そこで本格的に寒くなる前に『脾腎』をサポートしていくことがおすすめ。ということで、今週食べるとよい食薬は、【山芋と明太子のお好み焼き】です。逆にNGな習慣は、【朝食のパンとスムージー】です。 食薬ごはん【山芋と明太子のお好み焼き】 『補腎』に役立つジオスゲニンを含む山芋、ビタミンDとカプサイシンを含む明太子、そして血流を促すネギ、アミノ酸スコア100でマルチに働く玉子を組み合わせて、お好み焼きのようにして食べましょう。山芋を『脾』の働きをサポートしてくれるので、胃腸が弱い人でも優しく栄養補給できる食材です。 <材料>山芋   6センチ(ポリ袋に入れ瓶底で荒くつぶす)玉子   2個明太子  1腹ネギ   1/2本(輪切り)醤油・みりん 各大さじ1海苔・あおさ お好みで好きなソース <作り方>山芋、玉子、明太子、調味料をポリ袋にいれよく混ぜる(※)。クッキングシートをフライパンに敷く。ネギをいれて、炒める。そこにを加え蓋をして蒸し焼きにする。海苔やアオサをトッピングして好きなソースをかけて完成。 NG行動【朝食のパンとスムージー】 温かい体を作りたいと考えるときには、血糖コントロールと糖質過多にならない食卓づくりは欠かせないものとなります。とくに朝食にタンパク質を食べると消化管が動き、熱が作り出され、体が活発になるようにスイッチを入れてくれます。体温を上げていきたい人は、生姜やニンニクなどのスパイスもいいですが、朝のタンパク質はマスト。パン中心の食事は、糖質中心になることでビタミンB群が消耗されたり、和食に比べてタンパク質や食物繊維が少なくなりがちです。 また、体のために食べている人の多いスムージーは、糖質が多く、噛む必要のない冷たい飲み物でもあるためダイレクトに胃腸を冷やしてしまいます。冷えが気になる人は、ごはん、味噌汁、肉か魚のような和食を朝食にしてみてはいかがでしょうか。 朝食は、パターン化されやすいものです。毎日同じものを食べることになるということは、積もり積もって体質づくりに大きな影響を与えるものとなります。体は、なんてことない日々の繰り返しによって作られているので、体質改善をしていきたいと考えるときには、朝食の見直しから始めるのもおすすめです。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©Takae/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/518898/ Source: ananweb

  • 2023.11.17

エナジードリンク大好き、眠れない…「お腹が痛くなりやすい人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

最近の寒さから、お腹の不調を感じることはありませんか。「元気になる食事を」と思っても、胃腸の調子が悪ければ逆に体の負担になってしまうことも…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、お腹の調子が悪くなるNG習慣と、すぐにできる対策を教えてくれます! 最近の寒さで胃腸の調子が悪くなっていませんか? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 240 いつのまに秋は終わったのか!? と思うほどに寒い日が続きますよね。紅葉も見ていないのにダウンジャケットが恋しくなる毎日です。油断していると背筋がゾクゾクしたり、お腹が冷えて腹痛・下痢に悩んだり、肩凝りが悪化したり、風邪を引いてしまったり…と慣れない寒さに戸惑っている人も多いのではないでしょうか。 体を寒さに慣らすための期間でもある秋は、今年はその役目を果たせそうにありません。というわけで、私たちには寒暖差に柔軟に対応し、強く生きることが必要となります。今回は、急な寒さに負けてお腹の調子が悪くなってしまわないように、効果的な食薬習慣を紹介していきます。 今週は、お腹の調子を整える食薬習慣 元気を作る素となるものは、食事ですよね。ただ、食事を消化し吸収するために活躍する胃腸の働きが正常であることが必要条件です。つまり、風邪を引きそうだから、疲れがとれないから…といって、プロテインやニンニク、豚肉など元気がつきそうなものをたっぷり食べたとしても、それが必ずしも体内で有効利用できるかはわからないということです。胃腸の調子が悪ければ、栄養満点の食事もうまく利用できずに体の負担となる場合もあり得ます。 ここ最近の寒さで自律神経を乱したり、お腹が冷えることで、腹痛や下痢・便秘などの不調を感じる人も増えています。漢方医学では、自律神経の乱れによる胃腸の不調である『肝脾不調』を改善したり、『脾胃』を温め、『温中散寒』してあげるとよいとされています。そこで、今週は、『脾』をサポートし、『気』を補い、『散寒』することで、体を温める食薬がおすすめです。 今週食べるとよい食薬は、【レンコンのすり流しいり五目味噌煮込み】です。逆にNGな習慣は、気合を入れるために頻繁に登場する【エナジードリンク】を飲む、です。 食薬ごはん【レンコンのすり流し入り五目味噌煮込み】 レンコンには、胃の粘膜を保護する働きやタンパク質や脂肪の消化吸収を助ける働き、バリア機能を高める働きがあるので、『脾』のサポートをしつつ『気』を補うことができます。さらに具材として、『散寒』に働くニンニクや『脾気』を補うニンジンや鶏肉、大根などの具材を取り入れて作るトロトロのスープがいいのです。 <材料>鶏肉の細切れ  150g大根やこんにゃく、ニンジン、ゴボウなどお好みで  300g程度(一口大に切る)ニンニク    1片(スライス)酒       50ml味噌      大さじ1くらい水       200mlレンコン    5㎝(すりおろす) <作り方>材料をお鍋に入れ、煮込んだら完成。 NG行動【エナジードリンク】の飲みすぎ 調子が悪い・だるい・集中できない…となると、カフェインが入った冷たいエナジードリンクに頼る人も多いのではないでしょうか。今の時期、自律神経の乱れやお腹の冷えなどで胃腸の調子が悪かったり、免疫が低下している人も少なくありません。そんな時に、エナジードリンクに頼りすぎてしまうとカフェインによる胃への刺激により、胸やけやお腹の張り、腹痛や吐き気など胃の不快感を感じることもあるようです。また、飲む時間が夕方以降になると、睡眠の質を低下させ、丈夫な体を維持するための妨げとなってしまうことも。 今の時期はとくに体調を崩しやすいので、エナジードリンクで元気の前借りをするのではなく、ダメージを受けやすい胃腸の働きをケアすることで、根本的な元気を目指していきましょう。 胃腸の不調は、どんな不定愁訴を感じた時にでも、初期の段階にケアすべき部分です。体の基礎となる部分なので、早期解決を目指しましょう。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©panchanok/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/517647/ Source: ananweb

  • 2023.11.10

スナック菓子好き、深夜の動画…「インフルエンザに感染しやすい人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

例年12月後半頃から流行するインフルエンザですが、今年はすでに流行が始まっています。毎年感染症にかかってしまう人や免疫機能の低下が気になる人は、今すぐ対策を始めることをおすすめします。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、インフルエンザに感染する原因となるNG習慣と、すぐにできる対策を教えてくれます! 免疫機能の低下が気になっていませんか? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 239 コロナ渦の3年間は、インフルエンザに感染する人はかなり減っていましたが、今年は非常に増えてしまっていますよね。それに加え、また新型コロナウイルスに感染する人が増えてきてしまったら、免疫機能が低下している人は何度も様々な感染症にかかってしまうかもしれません。そうなれば、つらい日々を過ごすことになり、心も体も疲弊してしまうでしょう。そうならないようにするためには、体の基礎作りがとても重要です。 もうインフルエンザにかかってしまった人も、毎年感染症にかかってしまう人も、食事・睡眠・運動のレベルをワンランクアップしていく必要があるのではないでしょうか。ということで今回は、インフルエンザにかかりやすいタイプ、そして、その対策について、食事の観点から解説し、効果的な食薬習慣を紹介していきます。 今週は、インフルエンザ対策のための食薬習慣 例年であれば、年明け頃からインフルエンザが流行するとされていますが、今年は一足早く流行が始まっています。また、インフルエンザは経験されているかたも多いと思いますが、ワンシーズンに何度もかかってしまうかたもいらっしゃいます。その一方で、一度もかかったことのないかたも一定数いますよね。あなたはどちらでしょうか。 この違いは免疫機能の違いですが、漢方医学では『気虚』や『腎虚』の人が感染しやすいとされています。たとえば、朝、昼の食事を適当に済ませ、夜だけがっつり食べたり、ストレスが多く、日中クッキーやスナック菓子や菓子パンなどを食べたりしている人、また、毎日晩酌で気分転換したり、会社やスーパーの往復など最低限の運動量で毎日過ごしていたり、深夜までSNSや動画などを見ている人などがこれに当たります。 自身の食事・運動・睡眠・ストレスなどの状態に配慮しておらず、自己管理ができていない人が『気虚』や『腎虚』になりやすく、インフルエンザにかかりやすいタイプと考えられます。ということで、今回は『補気』と『補腎』のために役立つ食薬をおすすめします。 今週食べるとよい食薬は、【牡蠣と玉子のチゲスープ】です。逆にNGな習慣は、腸内環境を乱す【気分転換のクッキーやスナック菓子】です。 食薬ごはん【牡蠣と玉子のチゲスープ】 『腎』や『気』のサポートとなる亜鉛やマグネシウムなどミネラルを豊富に含む牡蠣の料理を取り入れましょう。そして、体を温めるカプサイシンを含み、免疫の要となる腸内環境を整える発酵食品であるキムチを合わせ、アミノ酸スコア100のフワフワ玉子を加えることで『補気』できるスープがおすすめです。 <材料>トマト        1個(さいの目)キムチ        60g豆腐         半丁(スプーンですくって一口大)水          400ml牡蠣         6個味噌         大さじ1~2すりゴマ       大さじ1溶き玉子       2個 <作り方>味噌と溶き玉子以外の材料をお鍋に入れ、ひと煮たちさせる。味噌をとき、溶き玉子を加え、玉子が固まったら完成。 NG行動【気分転換のクッキーやスナック菓子】 市販のクッキーやスナック菓子は、砂糖や異性化糖、人工甘味料×小麦粉×酸化した油などでできているものが多いです。習慣が体を作ることは、皆さんご存じだと思いますが、毎日の気分転換やストレス発散として、そういったものを食べる習慣を身に着けていたら、健康から遠ざかってしまうことはイメージしやすいのではないでしょうか。これらは、免疫機能を整える上で大切な腸へのダメージを与える食材です。そのため、口内炎やヘルペス、ものもらい、カンジダ膣炎などになりやすく、最近免疫が低下しているのではないか…と考える人は、控えることがベターです。 人の往来が増え、忙しい年末年始へと向かっていきます。ウイルスと出くわす機会も多く、生活習慣が乱れる機会も多くなる時です。自分の体は自分で守ることができるように、家庭でのご飯は、体をいたわるご飯になるようにしたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©akaricream/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/516580/ Source: ananweb

  • 2023.10.20

パンにカフェオレの朝食…「うんちがスルっと出ない、コロコロ便が続く人」の特徴と対策 – 文・大久保愛 | ananweb – マガジンハウス

秋はじつは、便秘や硬くコロコロとした便が出る人が増える季節。その原因は、日々の食生活や生活習慣にあります。さらに、肌寒くなるこの時期に、ぬくぬくしながら食べたくなる食べ物にも一因があるのだとか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、便の状態を乱すNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます! 便秘・コロコロ便が続いていませんか? 【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 236 肌寒い季節が始まり、ぬくぬくすることに幸せを感じる時間が増える季節になりましたよね。就寝時には久しぶりに加湿器を稼働させたりと、季節が変わりゆくことを日々実感します。そして、寒くていつまでも眠っていたい朝には、焼き立てのクロワッサンやデニッシュ、温かいカフェオレやカップスープなどが癒しになることもあるかもしれません。 ただ、乾燥した空気、急な冷え込みと、体調を崩してしまう要素も同時に少しずつ増えていきます。そんなときには、カラダに朝を知らせ、腸内環境を整え、一日を元気に過ごせるように、活力を与える朝食の習慣が大切です。とくに朝食は、そもそも食べなかったり、食べたとしても毎日同じものを食べたりとパターン化されてしまうことが多いもの。健康に気を付けた食事をしていきたいときには、食物繊維やタンパク質の不足がないよう、真っ先に見直すポイントとなります。 また、朝食をおいしく食べるには、夕食の量、内容、時間などのコントロールをすることで、胃腸の負担を朝まで引きずらないことも大切です。もし、コントロールできない場合には、便秘になったり、固い便がでたり、ニオイがきつく便器にくっつくような便が出たりと、便の状態に様々な変化が現れます。自分の食事の内容が適切なのかどうかは、便の状態を把握することもヒントとなります。 ということで、今週は健康管理の上で見逃せない、便の状態を整える食薬習慣を紹介していきます。 今週は、便秘・コロコロ便の対策となる食薬習慣 最近、スルッとした便はでていますか? 漢方医学では、この時期は便秘になりやすく、腸内環境が乱れることにより、肌トラブルや免疫力の低下を感じることが増えるとされています。秋に食べたくなる食材は、どちらかというと糖質や脂質が多い、こってり濃厚な食材が多いと思います。サツマイモや栗を使ったクロワッサンやクリームたっぷりのデニッシュ、お湯に溶くだけでできるホッコリするスープ、濃厚クリーミーなカプチーノなど、温かさを感じられる食べ物が欲しくなります。 これらの食材を立て続けに食べるときには、腸内細菌と共存していることを思い出し、便の状態までたどって考察してみるのがおすすめです。食べ過ぎた時には、ベットリしたニオイのきつい便やスルッと出ない残便感を感じる便などが出てきてしまうことが多いはずです。この状態が続くと、漢方医学で考える喉や鼻が敏感になり免疫が低下してしまう『肺陰虚』やアレルギーや咳などの炎症を起こしてしまう『湿熱』などを感じることがあるといわれています。 ということで、今週は、『肺陰』を補い『湿熱』を除去する食薬を紹介していきます。今週食べるとよい食薬は、【ゴボウとアサリの味噌汁】です。逆にNGな習慣は、『湿熱』を生じさせる【クロワッサン・デニッシュ】を朝の定番とすることです。 食薬ごはん【ゴボウとアサリの味噌汁】 ゴボウとアサリ、ニンニク、ネギを組み合わせることで、腸内環境、肝臓の働きを整え、便秘、アレルギー、貧血、むくみなどの対策やデトックスにも役立ちます。特にミネラル豊富なアサリによって『陰』を補い、ゴボウによって『湿熱』を除去します。便通がいまいちというときには、朝食の味噌汁習慣をはじめてみましょう。 <材料>アサリ  150gニンニク 2片(スライス)ネギ   お好みでゴボウ  1/3本(輪切り)水    400ml味噌   大さじ1くらいみりん  小さじ2 <作り方>材料を煮たら完成。 NG行動【朝食のクロワッサン・デニッシュ】 便の状態は、カラダの状態を教えてくれる通信簿です。もしも便の状態があまりよくなかったり、便秘薬で便をだしているという場合には、朝食の見直しをしてみましょう。パンよりはお米。そして、食物繊維の摂取も当然ですが忘れてはいけません。パンをメインにした食卓からは、食物繊維やタンパク質が不足しがちです。調子が悪い時だけでも、ごはん、味噌汁、サラダ、鮭のような旅館の朝食をイメージした食事を準備してみましょう。 毎日のことだから、そんな手間がかかることは、無理! とはじめから諦めてしまってはいないでしょうか。毎日のことだから、積もり積もってカラダに大きな影響を与えてしまうものでもあります。全部を一気に変えることは難しいですが、1つずつ良い方向へ変化できるポイントを探し、1か月に1つ程度でもよいので、体に良い習慣を増やしていけると、1年後には12個も良い習慣が身に付きますよね。 一度に変化させることを目指すのではなく、習慣化させることを目指していけるとよいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。 ※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。 近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。 ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。 Information <筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika 『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。 『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。 ©panchanok/Adobe Stock 文・大久保愛 https://ananweb.jp/column/yoisyokuzai/512380/ Source: ananweb