奥村歩

  • 2024.04.07

ぼんやりタイムでストレス解消! ストレスから身を守るライフハック8つ | ananweb – マガジンハウス

心の不調に繋がる最大の敵であるストレス。社会との関わりが増えて、人間関係が広くなればなるほど、外部からの刺激は大きなものに。しかしストレスに対する自分自身の感じ方や捉え方を変えて、セルフマネジメントできれば、ストレスとうまく付き合えるようになる! ストレスは溜め込まず、上手に受け流すこと。 環境の変化や仕事が忙しいなど、様々な要因により日常の中で感じるストレス。身近な人間関係はもちろん、最近はSNSの繋がりにより、多くの人とコミュニケーションをとる機会が増え、ストレスを感じる機会も増え続けている。 「ストレスとは、外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のこと。その原因となる外的刺激のことを『ストレッサー』と呼びます。ストレッサーには、天候などによる環境要因、睡眠不足や病気による身体的要因、人間関係、仕事などによる社会的要因が挙げられます。これらは生きていれば必然的に生まれるので、ストレッサーを完全に避けることはできません。しかし自分が感じるストレス反応は、適応力を身につけることで、うまくコントロールすることができるのです」(脳神経外科医・奥村歩さん) だからこそまずは自分のストレス反応に気づくことが重要。ストレスが溜まると、脳の前頭葉の働きが過剰になり、心身に様々な不調が現れる。心身の不調のサインを感じたら、そのきっかけとなる出来事やストレッサーが背後に潜んでいるということなので、早めに対処するようにしたい。 「自分に生じやすいストレス反応を知り、ストレッサーの受け止め方や捉え方を変えれば、自分の中でうまく受け流すことができるようになる。また脳の疲れを癒す習慣を身につけることで、ストレス反応が起きにくくなるので、自分の身を守ることができます」 ストレスから身を守るライフハック ストレスをストレスと意識すればするほど、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす。そこでストレスを過度に溜めないための心構えと、脳を心地よく癒す方法を伝授。どれもすぐできるものばかりなので、ストレスフリーな毎日を送るためにレッツトライ! 【ライフハック1】八方美人にならない。 人間関係や周囲のことに気を配りすぎるとストレスが増幅する。「真面目で気配り上手な日本人は、何事にも全力で立ち向かえるのが取り柄ですが、人間が使えるエネルギーには限度がある。だからこそ自分にとって何が大切か、人や仕事に対して優先順位をつけることで、負担を減らすことができます」 【ライフハック2】自分でコントロールできない情報はできるだけ遮断する。 他人の行動や世間の動向を過度に気にしすぎないように、ネットの情報は必要最低限に。「人間は強い不安から、知れば知るほどさらに知りたくなるという性質が。ならば初めから必要以上の情報を自分の中に入れないようにしてみては。世の中の全てのことを知ることはできないと開き直ると、できる気がしませんか」 【ライフハック3】体を動かしたり、アウトプットを増やす。 大量の情報をインプットし続けると、脳の機能が低下し、ストレスは溜まる一方。「だから意識的にアウトプットすること。たとえば趣味活、運動など、カロリーを消費できるようなアクションがベスト。するとストレスに打ち勝とうとする時に働く脳内物質『ノルアドレナリン』が分泌され、心のバランスが整います」 【ライフハック4】マルチタスクは優先順位をつけて行う。 人間の脳はマルチタスクが苦手。あれもこれもと手を出すとストレス反応を引き起こし、脳の情報処理能力が低下。「だから優先順位をつけて、脳に負担の少ないものから取り掛かると、集中力がアップします。また5つあるタスクのうちたとえ3つしかできなかったとしても、3つもできたと割り切ることも大切」 【ライフハック5】一日一善を心がける。 人の役に立つような行動を起こすと、脳と体が健康になり、自分のためにもなる。「人に感謝されることや、自分が満足するパフォーマンスをすると、交感神経が刺激され、脳内物質『ドーパミン』が分泌され、やる気や幸福感を得ることができます」。また自律神経のバランスが整い、入眠しやすくなるというメリットも。 【ライフハック6】気の置けない仲間とおでかけする。 大好きな人と一緒に公園などにおでかけしてストレス発散。「好きな人と触れ合ったり、楽しく会話したりすることで、多幸感を与えてくれる『オキシトシン』が分泌されます。また緑に囲まれ、四季の移り変わりを実感することでセロトニンが活性化され、さらに脳を癒すことができるので、ストレス解消に一石二鳥」 【ライフハック7】ぼんやりタイムで脳内を省エネモードに。 「何もしていない時に活発になるニュートラルな脳のことを『デフォルトモード・ネットワーク』といいます。この大きな働きのひとつが、自分という人間を見失わないためのシステムなので、ぼんやりタイムを設けると、不安やストレス解消の近道になります」。日中に行う30分以内のパワーナップ(仮眠)も効果的。 【ライフハック8】ストレス反応を感じたら3つに分類する。 ストレッサーを認知したら、3つの対処法のどれかに仕分けする癖をつけて。「その1、逃げられるなら逃げる。その2、自分が変わることで適応してみる。その3、適応することができない場合は逃げることも諦めてストレスを受け入れる。冷静に分類することで、ストレス反応に客観的に対処できるようになります」 奥村 歩さん 日本脳神経外科学会認定専門医、おくむらメモリークリニック理事長。認知症やうつ病に関する診察も多く経験し、これまでに10万人以上の患者の脳を診断。『スマホ脳の処方箋 10の生活改善テクニックで脳の疲れがみるみるとれる!』(あさ出版)など、著書多数。 ※『anan』2024年4月10日号より。イラスト・黒猫まな子 取材、文・鈴木恵美 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/541681/ Source: ananweb

  • 2024.04.07

現代人は“史上最悪のメンタル”!? 3つ以上当てはまったら注意、心の不調をチェック | ananweb – マガジンハウス

心の不調のメカニズムや、現代人が置かれている状況についてお勉強。「自分はメンタルが強いから大丈夫!」という過信は禁物。生活習慣がメンタルヘルスに影響を与えるので、今の自分の状態を心の不調チェックで確認して。 心の不調の原因は、脳の使いすぎ! シリーズ累計100万部を突破しているスウェーデン出身の精神科医アンデシュ・ハンセン氏の最新刊『メンタル脳』(新潮新書)によると、現代人は“史上最悪のメンタル”といわれ、とりわけ若年層の心の不調は世界的に広まっているそう。なかでも日本は特に深刻で、高校生の30%、中学生の24%、小学4~6年生の15%が中等度以上のうつ症状を訴えているとの調査結果も。そこで心の不調はなぜ起こるのか、脳神経外科医の奥村歩さんが解説。 「そもそも私たちの体や心をコントロールしているのは脳。“脳を使いすぎている”ことが、心の不調を引き起こしています。昔に比べて生活そのものは便利になりましたが、現代人はマルチタスクで、毎日やることがたくさんあり、人間関係も複雑で不安や心配事を多く抱えているため、日々脳を酷使しています。脳を使いすぎると、脳の機能が低下します。脳には、人の感情をコントロールし、不安を鎮めるシステムがありますが、その中心を担っているのが、大脳の前部分に位置し、人間の運動、言語、感情を司る『前頭葉』です。ところが脳の使いすぎでその前頭葉の機能が低下すると、不安を過剰に感じるようになり、これが心の不調に繋がるのです」 また、もともと日本人は遺伝子的に不安を感じやすい民族で、空気を読んだり、周囲に気を配って人間関係を良くしようとする特質があるため、脳に負担がかかり、メンタルも不安定になりやすい。 「日本人は、幸せホルモンと呼ばれる脳内の神経伝達物質のひとつ『セロトニン』が枯渇しやすい遺伝子を持っています。セロトニンは心身の健康の安定に深く関係しているのですが、人間関係の悩みや生活への不安を抱えるとセロトニンが分泌されにくくなり、脳は疲労困憊状態になります。そして脳を使いすぎている日本人に、さらに追い打ちをかけているのが、現代のデジタル社会やテレワークの定着による運動不足です。特にスマホ依存は情報過多になりすぎて脳を刺激し、大きなダメージを与えます。また働き方の多様化で、出勤しなくても働けるようになり体を動かすことが減ったことで脳はリフレッシュできず、脳を酷使し続ける結果に。そんな疲れすぎた脳を効率よくメンテナンスできるのが実は睡眠。良い睡眠は、外部の刺激(ストレス)から身を守り、脳の健康を保ち、心身を整えてくれるとても大切な時間です。しかし、日本は世界ワーストレベルの睡眠負債大国で、睡眠時間は年々短くなっている傾向にあり、脳の機能を回復できず、心の不調に陥る人が増加しているのです。この状態を放置していると、メンタルがさらに深刻な状態になり、若年層もまた将来認知症になる可能性が高くなるので、今のうちからメンタルヘルス対策をしっかり行うことが大切です」 また新生活が始まる春は、新しい変化にワクワクする一方で、新たな人間関係の構築などにより過度な緊張やストレスを感じやすい季節。知らず知らずのうちに心身に負担がかかっている場合があるため、下記の心の不調チェックで今の自分の状態を確認しよう。その上で、ストレスから身を守る方法を身につけたり、睡眠不足解消など、生活習慣を見直して。 心の不調チェック 最近の自分の状態を振り返りながら、当てはまる項目にチェックしてください。チェックのついた項目が3つ以上だった場合、いま心の不調を感じている可能性があります。5つ以上の場合は心の不調が健康を害し始めている可能性があるので早めの対処を。 頭と体が重い感じがする疲れやすい朝ヤル気が出ないイライラしがち頭痛・目まい・肩こり・胃のもたれを感じる嫌なことが頭から離れない物忘れやうっかりミスが多い仕事・家事の段取りが悪い以前好きだったことやものに興味が持てなくなった四季の移り変わりや旬の食べ物に鈍感 心の不調を招く主な原因 日常生活の中で何気なく行っているアクションが、脳にダメージを与えて心の不調を招くので、因果関係をしっかり把握しておくことがメンタルヘルス対策には有効。知ることで自分ごと化でき、意識も変わるので行動にも変化が表れるはず。 スマホ依存SNSによる不特定多数の人との繋がりが脳の使いすぎを加速。 いつでも気軽に使える便利なツールゆえに、現代人の生活になくてはならないものとなったスマートフォン。「だからこそスマホ依存に陥る人が続出中。しかしネットにあふれる多くの情報を処理できずに、脳の機能が低下。またSNSの普及で、気を使わなければならない相手が膨大に増えたために、脳が疲弊することに。スマホとの付き合い方が現代人の課題。スマホ依存を低減するおすすめの方法が『スマホレコーディングダイエット』です。1日の中でスマホを使った時間と目的をノートに記録し、客観的に認識することでスマホに触れる時間を減らす効果が期待でき、使用時間を見つめ直すきっかけになります」 人間関係日本人は空気を読むのが得意。だからこそ気の使いすぎに注意。 脳にダメージを与える一番の要因が人間関係。「もともと人間の脳は、自分が安全に豊かに楽しく生きるために働くもの。しかし争いを回避するための知恵として、他人の顔色を窺うことに脳のエネルギーをたくさん使うように進化してきました。なかでも日本人はストレスに対して過剰に反応してしまう傾向が。それは島国という閉鎖的な社会環境において、人に嫌われないよう、仲間はずれにならないようにと、周りに気を使いすぎてしまうため、それがストレスになっています。しかしストレスこそ心の不調の最大の敵なので、ストレスに対する適応力を身につけることが大切です」。 睡眠不足睡眠は脳の疲労を飛躍的に軽減! 睡眠不足は脳の大敵と心得て。 複雑な人間関係、スマホ依存、運動不足の三重苦により非常に疲れている脳。その脳の機能をリセットし、最適化してくれるのが睡眠。しかし、日本は他の先進国と比べ1時間も平均睡眠時間が短く、睡眠不足は若い世代ほど強い傾向に。「広島大学が最近実施した生活習慣調査によると、高校3年生の1週間の平均睡眠時間が、日本人全体の平均より短く、高校生のうちから睡眠不足が習慣になっていることが明らかに。しかし質の良い睡眠が取れると脳が整理整頓されるだけでなく、不安も解消してくれるので、熟睡こそが心の不調とサヨナラする最強の解決策です」。 運動不足体を動かすと脳の疲れを癒せる! 現代人の運動習慣が大きな課題。 日本では約3人に1人の成人が運動不足というデータがあり、コロナ禍以降はさらに増加傾向に。「現代人は多くのワーキングメモリーを駆使して、日々目の前の作業に追われています。特にテレワークが定着したことで、働く・休むの切り替えができなくなってしまい、脳は緊張しっぱなしに。そのため脳に疲労が蓄積し、心の不調を招きやすくなっています。体を動かすことは、眠ることと同様、脳にとって非常に良い疲労回復法。もし運動ができる環境になければ、仕事中に定期的に立ち上がり、周りを少し歩くだけでもOK。体を動かし脳の疲労を解消することで、パフォーマンスが高まるため、仕事の効率も良くなります」 奥村 歩さん 日本脳神経外科学会認定専門医、おくむらメモリークリニック理事長。認知症やうつ病に関する診察も多く経験し、これまでに10万人以上の患者の脳を診断。『スマホ脳の処方箋 10の生活改善テクニックで脳の疲れがみるみるとれる!』(あさ出版)など、著書多数。 ※『anan』2024年4月10日号より。イラスト・黒猫まな子 取材、文・鈴木恵美 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/541674/ Source: ananweb

  • 2023.04.28

30代も増加中!? 2つ以上当てはまったら要注意“スマホ認知症”リスクをチェック | ananweb – マガジンハウス

スキマ時間に場所を問わずスマホでSNSをチェックし、寝る直前まで動画観賞。ただでさえマルチタスクをこなし疲労している脳に、とめどなく情報を流し入れていると、脳疲労の悪循環に…。 だらだらスマホで脳がゴミ屋敷。キャパオーバーがもの忘れを招く。スマホ認知症とは? スマホがもたらす膨大な情報が脳疲労を招く。 長時間のスマホ使用によって脳が疲労し、生活に支障が出る状態を“スマホ認知症”と名づけ、その危険性にいち早く警鐘を鳴らしてきた脳神経外科医の奥村歩先生。 「膨大な情報に晒されると脳の情報処理が追いつかず脳が疲労します。するとますます情報処理能力が落ちて、疲労が悪化するという悪循環に。情報が整理整頓されていない、いわば“ゴミ屋敷”状態の脳では、必要な時に必要な情報や記憶の断片を引き出すことができません。その結果、思考力が落ちたり、言葉が上手く出てこなかったりして、仕事や家事に支障が出る状態を“スマホ認知症”と呼びます。認知症というと年配者の問題と考えがちですが、私のクリニックを訪れる方には30代も増えています」 奥村先生は、スマホ認知症による心身への影響は大きいとも。 「脳は体をコントロールしていますから、肩こり、胃腸の働きの低下、便秘なども引き起こしかねません。脳が疲労した状態だと依存症になりやすく、スマホ依存による精神的なダメージも心配です」 奥村先生はスマホから離れ、料理や散歩などで五感を刺激する時間を持つように勧める。 「仕事の効率を上げるためにネット検索する、好きな動画を見てリフレッシュするといった使い方はいいのですが、SNSやネットサーフィンを続けることは、脳を疲れさせるだけ。目的のないだらだらスマホはやめましょう」 CHECK! 電車の通勤通学時や待ち時間など、時間があればスマホをチェックしている。調べものや名前が思い出せない時、すかさずスマホで検索する。覚えておこうと思った事柄について、写真やスクショで保存することが多い。トイレやお風呂、食事中もスマホをチェックすることがある。寝る前もベッドや布団でスマホを操作することが多い。※2つ以上当てはまった方はスマホ認知症のリスクが高い可能性あり! 予防METHOD 脳疲労で鈍った五感を自炊で刺激。 スマホからの情報を浴び続けていると、脳はパンク状態に…。「脳の疲れをリフレッシュするには、五感への働きかけが大事。日常生活の中でできることが、自炊です。食材ごとに切った時の音の違いに意識を向ければ聴覚が、旬の野菜から立ち上る強い香りは嗅覚が、そしてできあがった料理をいただく際には味覚が刺激されます」 散歩で脳内のセロトニンを活性化。 “幸せホルモン”と呼ばれる脳内物質・セロトニンは、ストレスを感じると分泌されにくく脳疲れの原因に。分泌を促すには散歩など一定のリズムで体を動かすのが効果的。「スマホでマップを見ながらではなく、景色に目を向けて目的なくぼんやりと歩けば脳は休まり、自分でルートを決めることで、脳にいい刺激を与えられます」 anan recommend! 予防ITEM 噛んで記憶力を維持。大事なのは“リズムよく”。 ガムをリズミカルに噛むことも、自炊や散歩のように認知症予防に非常に効果的。イチョウ葉抽出物が、中高年の記憶力を維持する機能があると報告されている。歯につきにくいガム粒〈記憶力を維持するタイプ〉¥151(ロッテお客様相談室 TEL:0120・302・300) モーツァルト効果で、集中力を高めて。 モーツァルトの曲やクラシック音楽の多くは、川の流れや風の音など自然音に近いリズムの揺らぎを感じさせるため、脳をリラックスさせる。さらに適度な刺激も与えてくれるので、心身ともに健やかな状態になれる。活脳クラシック¥1,650(デラ TEL:03・4545・2161) 奥村 歩先生 脳神経外科医。2008年、認知症やうつ病などを専門とする、おくむらメモリークリニックを岐阜県に開設。著書に『その「もの忘れ」はスマホ認知症だった』(青春出版社)、『スマホ脳の処方箋』(あさ出版)などがある。 ※『anan』2023年5月3日‐10日合併号より。イラスト・のいぷらこ 取材、文・小泉咲子 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/482167/ Source: ananweb