川口春奈

  • 2024.04.07

川口春奈「私の人生は“チリつも”。どの年齢や時期を切り取っても全部大事で必要なもの」 | ananweb – マガジンハウス

同世代の女性を演じる説得力と自然体な人柄にも共感が集まる俳優・川口春奈さん。落ち着きの中に熱さを宿す彼女の、29歳を迎えた今の想いとは。ドラマ『9ボーダー』で、また新たな等身大の女性像を体現する川口さんの、飾らない美しさの在り処に迫ります。 今の自分と同じ年の七苗にすごく親近感を抱いています。 この日スタジオ入りすると、撮影の趣旨を確認しながらすぐさまメイクを始め、あっという間に衣装に着替えてカメラの前へ立った川口春奈さん。そのムダのない動きは、性分なのだろうか。勘所をつかむ早さにも惚れ惚れする。重厚感のあるボッテガ・ヴェネタのコレクションを纏い、躍動感ある動きを見せたかと思えば、ザ・ロウのデニムスタイルでは一転、絶妙な脱力感を漂わせて素材のよさを引き立てた。ハイブランドのアイコンとして、次々に指名を受けるのも納得である。俳優業でもそのプロフェッショナルな仕事ぶりが光る。代表作をいくつも持つ川口さんが、新たに主演を務めるドラマ『9ボーダー』の初回放送日は、まもなくやってくる。19歳、29歳、39歳の三姉妹が、いわゆる“大台”を迎える前のラストイヤー=“9ボーダー”に直面する中で、恋や生活に悩みながら人生を前向きに歩む姿を描くヒューマンラブストーリーだ。 「私は次女の七苗(なな)を演じています。しっかり者で頑張りすぎるがゆえ、自分で自分の首を絞めてしまうようなところがある七苗は、今の自分と同じ年。すごく親近感を抱いています。生きづらい世の中で働く大変さ、女性ならではのステージの変化や葛藤などを描いているのですが、理解できる部分がたくさんあるので演じていて楽しいです。今ある環境において何を選択しても、自分が納得できて人生を楽しめるならそれでいいじゃない、というメッセージもきっと感じていただけるはず」 実はご自身も三姉妹。今回の物語に重なるが「同じ三姉妹とはいえ、家庭によって関係性や役割が違ったりもしてそれぞれだとは思います。うちの場合は大人になるにつれ、より仲が深まっているような感じがします、不思議ですね」と目を細めた。 「この仕事のやりがいを感じるのは、お芝居をしている時よりも完成して見てくださるみなさんの元に届いた時。ありがたいことに嬉しいお言葉もいただけるので、だからこの仕事が続けられているのかも。自分だけのためには絶対にできないよな、って思ったりもします。今作も早くみなさんに見ていただきたいです」 ちなみにご自身は、それほど年齢には囚われないタイプなのだそう。 「私の人生は“チリつも”。12歳で芸能界デビューをしたのですが、そこから何か1つ欠けたら今はないと思います。関わった作品の全てが少しずつ積み重なり、山になって今に繋がっているので、どの年齢や時期を切り取っても全部大事で必要なものでした。これから年齢を重ねることについても、不安などはありません。それに、子供の頃から早く大人になりたかったんです。先生や周りの大人たちを見ながら、自分で責任を取って生きるのっていいな、自由でいいな、授業を受けるよりも外に出たいと思っていました。大人になった今は、年齢や経験を重ねたほうがお芝居の振り幅が広がり、演じられる役が増えたり表現の説得力も増すことを実感しているので、年齢を重ねるのがますます楽しみ。そしてだんだん仕事と私生活のバランスがうまくとれるようになったり、メリハリが作れるようになったりもするので、毎日楽しいです。もちろん忙しくて大変な時もあれば、決していいことばかりではないけど、それもいつか素敵なお母さんやかわいいおばあちゃんになるための修業だと思って、ありがたく受け止めています。唯一、若い頃のようにノリで突き進めるような無敵感がもうないのは寂しいかな。“怖いもの知らず”なフシは今も少しありますけどね(笑)」 マインドキープとカラダづくりのために心がけているのは、運動。 「あまり好きじゃないけど、面倒くさいと思っても無理やりでもジムに行ってしまえばこっちの勝ち。走って汗をかくとやっぱり心は晴れるし、何よりのメンタルヘルスだと思います。人に対する興味や好奇心も強いので、なるべく外に出て、好きな人たちに会うこともマインドキープに繋がっています」 かわぐち・はるな 1995年2月10日生まれ、長崎県出身。ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)や『silent』(フジテレビ系)で主演を務めるなど代表作多数。ヒロイン役で出演するスペシャルドラマ『心はロンリー 気持ちは「…」FINAL』(フジテレビ系)は、4月27日放送予定。 トップス¥140,800 パンツ¥308,000 スニーカー¥148,500 アクセサリー¥38,500 ※すべて予定価格(以上ミュウミュウ/ミュウミュウ クライアントサービス TEL:0120・45・1993) 『9ボーダー』 三姉妹の次女・29歳の七苗(川口春奈)と39歳の長女・六月(木南晴夏)、19歳の三女・八海(畑芽育)が父の失踪を機に集結。各年代のラストイヤーを生きる物語。TBS系にて4月19日スタート。毎週金曜22時~放送。 ※『anan』2024年4月10日号より。写真・Maciej Kucia(AVGVST) スタイリスト・杉本学子(WHITNEY) ヘア&メイク・笹本恭平(ilumini.) 取材、文・若山あや 撮影協力・バックグラウンズ ファクトリー (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/541517/ Source: ananweb

  • 2024.02.07

川口春奈「ムロツヨシさんの身代わりになったら大変そう」と語る理由 – 写真・大内カオリ(川口春奈) | ananweb – マガジンハウス

日本で昔から愛され続けている時代劇のひとつといえば、47人の赤穂浪士たちが吉良邸に討ち入りする様子を描いた「忠臣蔵」。まもなく公開を迎える最新作『身代わり忠臣蔵』では、吉良上野介の弟・孝証が“身代わりミッション”で幕府をだますという大胆な脚色が話題となっています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。 川口春奈さん 【映画、ときどき私】 vol. 635 思いがけず殿の身代わりとなった孝証が想いを寄せる女中の桔梗を演じている川口さん。昨年には「anan AWARD 2023」の俳優部門にも輝くなど、映画やドラマなどで幅広い活躍を見せています。今回は、主演を務めたムロツヨシさんとのエピソードや身代わりがいたらしてほしいこと、そして30代を目前にしたいまの心境などについて語っていただきました。 ―本作はこれまでの忠臣蔵とは大きく異なる作品となっていますが、どのようなところが魅力だと感じていますか? 川口さん 今回はコメディ要素が強いこともあり、時代劇を普段観ないような方でもテンポよく楽しんでいただける痛快なストーリーになっていると思います。あとは、男性社会だけでなく恋愛感情も描かれているので、桔梗との関係性にはほっこりしていただけるかなと。桔梗は強い女性ではありますが、かわいいと思ってもらえるようなマドンナになれたらいいなと考えて演じました。 ―孝証を演じるムロさんとの現場で印象に残っていることがあれば、教えてください。 川口さん ムロさんとは10年ぶりくらいにお会いしたということもあって、お互いの近況を話していたらあっという間に終わってしまった気がします。孝証のキャラクターとムロさんの穏やかで優しい人柄によってリラックスできたことで、すごく自然体で撮影に挑めました。 観るのは好きだけど、コメディを演じるのは難しい ―本作の現場では全体的にアドリブも多かったようですが、ムロさんともそういったやりとりはあったのでしょうか。 川口さん ボケとツッコミのようなシーンではあえてカットをかけず、長めに撮影をするようなことはありました。ただ、基本的にはムロさんが自由に演じられて、それを私が見ているという感じで(笑)。でも、そういう関係性は、キャラクターにも合っていたと思います。 間合いやタイミングというものを狙いすぎるのもダメなので、コメディ作品は本当に難しいですよね。偶然が重なったときに面白くなったりするので、観るのは好きですけど演じるのは大変だなと毎回感じています。 ―なるほど。今回は京都での撮影となりましたが、どのようにして過ごされていましたか? 川口さん 待ち時間も着物だったので外に行くわけにもいかず、部屋で台本を読んだりしていました。ただ、撮影が日中に終わることが多かったので、そういうときはタクシーの運転手さんに「オススメのお店ありますか?」と聞いて、教えてもらったラーメン屋さんにそのまま行ったことも。そんなふうに、「今日は何を食べに行こうかな?」と考えていることが多かったです。 応援してくださる方や家族からのリアクションが原動力 ―では、もし誰かに自分の身代わりになってもらえるなら、何をお願いしたいですか? 川口さん 家のことや雑務をこなすのが苦手なので、そういったことを完璧にやってもらいたいです! お料理とかもしてくれたら本当にありがたいですね。 ―誰かの身代わりをしてみるのはどうですか? たとえば、ムロさんとか。 川口さん できれば誰の身代わりもしたくないですが、特にムロさんはすごい気遣い屋さんなので大変そうだなと(笑)。ただ、ムロさんに関してはいつも心配してしまうくらい気を遣っていらっしゃるので、少しでもお手伝いができるならしたいなという気持ちはあります。いや、でも本当にムロさんは大変そうです。 ―劇中では孝証が身代わりをしていく過程で、初めて人から必要とされる姿も描かれていますが、共感する部分などもありましたか? 川口さん 私も「自分が必要とされていると感じたい」という気持ちは前提にあると思います。自分がいることで何かが解決したり、「作品を観て救われた」とか「面白かった」と言ってくださる方がいたりすることで成り立っている仕事だと思うので。 それだけに、作品をちゃんと届けたいという心構えはいつも大切に考えています。自分のためだけにはできない仕事なので、応援してくださる方や家族からのリアクションが自分にとっては原動力です。 オフはなるべく外でアクティブに過ごして気分転換 ―毎日お忙しいと思いますが、オンオフの切り替えなどはどうされていますか? 川口さん カラダのメンテナンスをしたり、飼っているワンコと出かけたり、人と会ったりして自分なりに気分転換をしています。ワンコに関しては時間もお金も手間もすべて注いでいるので、溺愛しているというより、もはや私の分身に近いですね(笑)。劇中に出てくるお犬さまのような扱い方で、とにかく“犬ファースト”の生活になっています。 あとは、おいしいご飯を食べるのが楽しみのひとつ。家にいるとどうしても仕事のことを考えてしまうのでなるべく外に出たいというのもありますが、アクティブなので家にいる時間は少ないほうだと思います。 ―最近テンションが上がった食べ物やハマっているものがあれば、教えてください。 川口さん 好きなのは、タイ料理や韓国料理。エスニック系も好みなので、カレー屋さんを巡ったりもしています。気になるお店をリストにしていることもあって、それを巡っていくのも楽しいです。 大事なのは、自分がちゃんと楽しめているかどうか ―まもなく29歳となりますが、20代最後の年をどのように過ごしていきたいですか?  川口さん 30代にはなってみないとわからないですが、いま何か掲げている理想とかは特にありません。あまり年齢は気にしていないので、とにかく健康に気を付けてこれからもお仕事を続けていけたらいいなと考えています。 それと、旅行が好きなので行ったことのない場所に行って、見たことのない景色を見たり、食べたことのないものを食べたりして、いろんなことをたくさん吸収できたらいいなとは思っています。 ―川口さんといえばいつも笑顔で明るいイメージがありますが、落ち込んだときはどうやって乗り越えているのでしょうか。 川口さん 昔から大事にしているのは、ちゃんと息抜きをして1回フラットにすること。さっきもお話したように、バランスを保つためにオフの使い方は意識しているほうだと思います。パフォーマンスの質を落とさないためにも、自分で自分の機嫌を取るようにもしていますが、そういうのは大きいですね。 とはいえ、私はあまり落ち込んだりしないほうで寝たら忘れちゃう(笑)。ズルズル引きずらないというか、気が付いたらどうでもよくなっていることが多いです。あとは、自分がちゃんと楽しめているかどうか。それは仕事にも反映されることなので、そういった部分は大切にしています。 いいことも悪いことも、成長に繋がっている ―それでは最後に、仕事や恋愛に悩む同世代のananweb読者に向けて、メッセージやアドバイスをお願いします。 川口さん 私も完璧じゃないですし、みなさんと同じように悩みながら働いていく、というのを繰り返しているところです。その過程では、いいことも悪いこともあると思います。でも、そうやっていくことで絶対に成長もしているし、強くもなっているので、一緒にがんばっていきましょう! インタビューを終えてみて…。 劇中で演じられた桔梗のように、芯の強さとかわいさをあわせ持っている川口さん。これから30代に向けて、どのような女性になっていくのかも楽しみなところです。本作では普段とは違う素敵な着物姿もぜひ堪能してください。 こんな「忠臣蔵」は観たことない! クセが強すぎるキャラクターたちが次々と登場し、これまでの時代劇とはひと味もふた味も違う面白さが詰まった本作。斬新なストーリー展開に驚かされるだけでなく、笑って泣ける新たな「忠臣蔵」の誕生です。 写真・大内カオリ(川口春奈) 取材、文・志村昌美 ストーリー 嫌われ者の旗本として知られていた吉良上野介。ある日、城内で斬りつけられ、逃げた傷で瀕死の状態に陥ってしまう。理由は、吉良から陰湿ないじめを受けていた赤穂藩藩主がブチ切れたことによるものだった。斬った赤穂藩主は当然切腹だが、吉良も逃げた傷を負ったとなれば武士の恥。両家ともお家取り潰しの危機を迎える。 ここで吉良家家臣から出てきた奇想天外な打開策は、殿にそっくりな弟の孝証を身代わりにすることだった。そんななか、赤穂藩の部下である大石内蔵助は仇討の機会をうかがっているような動きを見せる。はたして、孝証は世紀の大芝居で身代わりミッションをコンプリートできるのか…。 痛快な予告編はこちら! 作品情報 『身代わり忠臣蔵』2月9日(金)全国公開配給:東映 (C)2024「身代わり忠臣蔵」製作委員会 写真・大内カオリ(川口春奈) https://ananweb.jp/anew/529994/ Source: ananweb