映画

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  • 2024.05.23

「事態はあらゆるレベルで悪化している」フランスの気鋭監督が映し出したパリの知られざる真実 | ananweb – マガジンハウス

この夏さらなる盛り上がりが期待される都市である、パリ。日本でも人気の高い観光地ですが、そんななかでご紹介するのは、見たこともないパリの姿を映し出している話題作です。 『バティモン5 望まれざる者』 【映画、ときどき私】 vol. 645 パリ郊外にあるのは、「排除された者たちの地帯」という語源を持つ「バンリュー」と呼ばれる地区。ここにはいくつもの団地が立ち並び、労働者階級の移民家族たちが多く暮らしている。その一画にあたるバティモン5では再開発のために老朽化が進んだ団地の取り壊し計画が進められていた。 そんななか、臨時市長となったピエールは、バティモン5の復興と治安を改善する政策の強行を決意。しかし、横暴なやり方は住民たちの反発を買ってしまう。そして、移民のケアスタッフとして長年働いているアビーたちを中心とした住民側と、市長を中心とした行政側が、ある事件をきっかけに衝突。やがて激しい抗争へと発展していくことに…。 日本では知ることのできないパリの“暗部”を垣間見ることができる本作。今回は、ananwebに4年振りの登場となるこちらの方に、その裏側についてうかがってきました。 ラジ・リ監督 2019年に発表された長編映画監督デビュー作『レ・ミゼラブル』で主要な映画祭の賞レースを席巻し、世界にその名を知らしめたラジ・リ監督。前作と同じ製作スタッフが再び集結し、本作でも貧困地域が抱える問題に真正面から切り込んでいます。そこで、現地での反響や自身が感じている使命、そして日本に対する印象などについて語っていただきました。 ―パリに対して華やかなイメージを持っている日本人にとっては、前作同様に衝撃を受ける作品ですが、フランスの観客からはどのような反応がありましたか? 監督 普段からフランスのメディアがこういった事実を見せることはないので、現実とのギャップに多くの方が驚いていたようです。そもそもパリに「バンリュー」のような場所があることを知らない人すらいるくらいですから。 そういったこともあって、僕の作品を通して何が起こっているのかを目の当たりにした方が多かったようです。フランスといえば、人権を掲げ、啓蒙思想が浸透している理性的な国というイメージがあるかもしれませんが、実際はそうではありません。だからこそ、僕の使命はいままで語られることのなかったフランスの真実をみなさんに示すことだと考えています。 圧力に近いような動きを感じることもあった ―『レ・ミゼラブル』が公開されたときは、作品を観たエマニュエル・マクロン大統領が閣僚たちに指示を出したという動きもあったと言われていますが、本作も改善に向けて政府が動き出すきっかけになったこともありましたか? 監督 本作で扱っているのは劣悪な住宅問題についてですが、政治家たちが隠したいと思っているようなことがテーマとなっています。そういったこともあって、改善どころかなるべく人々に見せたくないというような圧力に近い動きを感じました。とはいえ、これはもはや隠し切れないほど大きな問題になっています。実際、フランスでは500万人ほどの人が劣悪な住環境に暮らしているような状況ですから…。 そんななか、貧困地区を再開発し、中流階級の人たちを呼び込んで街のイメージを刷新させようとする動きが出てきています。ただ、そうすると結局そこに暮らしていた人たちが排除されてしまうため、新たな問題が起きるのではないかなと。特にいまは世界的スポーツイベントを控えているので、政府としてはあまりこの問題にフォーカスされたくないという意図があるのだと思います。 ―つまり、盛り上がりを見せるいっぽうで、貧困地域との差がより大きくなってきているということでしょうか。 監督 それは間違いなくありますね。大規模な再開発計画が進められたので、それに伴って貧しい人たちを排除するような動きがありました。事態はあらゆるレベルで悪化していると言わざるを得ません。 扱っている題材は、自分自身が経験してきたこと ―この状況を改善するためには、どういった取り組みが必要だとお考えですか? 監督 現状については確認していますが、正直なところ僕もどうしたらいいかわからなくなっています。ただ、わかっているのは、いまの政府はまったくいいところがないので、フランスは壊滅的な状態にあるということです。 ―だからこそ、映画を通して状況を伝えていくのがご自身のすべきことだと考えていらっしゃるのですね。 監督 まさにその通りです。次回作でもこれまで語ってきたように90年代に起きた問題について主に取り上げていく予定ですが、これからもこの路線で自分の使命をまっとうしたいと思っています。 ―では、ストーリーを構築するうえで苦労したことがあれば、お聞かせください。 監督 シナリオを完成させるまでに3年ほどかかっていますが、「それぞれのアイデアをどのように組み合わせていけば整合性が取れるのか」といった部分が一番難しかったですね。住宅に関する問題を抱えている人や排除されてしまった人など、いろんな方に直接話を聞きにいっては頭を悩ませました。 ―監督といえば、リアリティのある映像を得意とされていると思いますが、撮影時に意識していることについて教えてください。 監督 そもそも扱っている内容は、僕自身が経験してきたことでもあるので、どうすれば映像に現実味を出せるかというのが身に染みてわかっているのは大きいですね。だからこそ、現場に行くだけでリアルなシーンを撮ることができるんだと思います。 「戦い続けていく女性を描きたい」という思いがあった ―本作には俳優以外にも現地の方も出演しているのでしょうか。 監督 エキストラの8割は、実際の住人たちに演じてもらっています。「出たい!」とみんなが言っていたので、希望者が多すぎてむしろ大変なくらいでした。 ―俳優ではない方たちには演技指導をされたのか、逆に普段のままでいてほしいと伝えたのか、どのような演出をされましたか? 監督 僕の場合は、どうしてほしいかというのを事前にきちんと伝えるようにしています。なので、「自由にやっていいよ」という感じよりも、わりとしっかりと演技指導をさせてもらいました。 ―フランスの観客は衝撃を受けていたとのことですが、当事者の方たちの反応はどのようなものだったのでしょうか。 監督 映画で語られているのが自分自身の物語ということもあって、非常に喜んでくれました。彼らにとっては、撮影に参加したことも誇らしい経験となってくれたようで僕もうれしいです。 ―また、本作では女性のキャラクターが印象的に描かれています。女性を描くうえで意識されたこともありましたか? 監督 主人公であるアビーのように、市民のための援助活動を熱心に行っている力強い女性というのは、実際の貧困地区にもたくさんいます。そういったこともあって、彼女たちにオマージュを捧げたいと思い、今回は女性を中心に描きました。アビーのキャラクターに関しては、モデルが1人いるというよりも、実在するさまざまな女性をミックスして作り上げています。 ―アビーの存在には希望も感じましたが、ラストはどのようにして決められたのでしょうか。 監督 彼女がどういう道を進んで行くのかという結末については、かなり初期の段階から決めていました。というのも、「戦い続けていく女性を描きたい」という思いがあったので。ただ、本作は登場人物が多いこともあって、それぞれをどういうふうに動かしていけば最終的にこのシーンにたどりつくかを考えるのが難しかったです。 日本には強い感銘を受ける部分がある ―話は変わりますが、日本には4年前にもいらっしゃっているので、どのような印象をお持ちなのかを教えてください。 監督 ヨーロッパより10年も、20年も先を行っているような最先端の国だなと感じています。僕のルーツはアフリカのマリ共和国ですが、そこと比べると1世紀くらい未来にいますよね(笑)。それくらい近代的な国というのが第一印象でした。 ただ、取材などを受けているうちに日本でも最近は移民や貧困の問題があることを聞き、世界中どこにでも同じ問題はあるのだなと。どんなに発展した国であっても、すべてがうまくいっているわけではないのだと改めて認識しました。 ―だからこそ、監督の作品は日本でも多くの方に観てほしいと感じます。では、日本のカルチャーで興味を持っているものはありますか? 監督 僕たちの世代はみんなそうだと思いますが、やっぱり日本の漫画やアニメは大好きですよね。特に『ドラゴンボールZ』とか。なので、そういうカルチャーが生まれた国で自分の映画が上映されることは、本当に誇らしいことだと感じています。 あとは、「職人」と呼ばれる方々が1つのことに情熱と愛情を込めて取り組んでいるのが素晴らしいなと。そうやって美しいものを作り出している姿にも強い感銘を受けています。 ―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。 監督 女性の方々はがんばって働いていると思いますが、ぜひ権力もつかんでほしいと考えています。というのも、男性ばかりが中心になると戦争をしたりして、国をめちゃくちゃにしてしまうと感じているからです。これからは、もっと女性の時代になるように願っています。 “不都合な真実”が私たちに問いかける これまで抱いていた“花の都”パリのイメージを大きく覆し、観る者の心を激しく揺さぶる衝撃作。権力に屈することなく声を上げて戦う女性たちの姿に、決して他人事ではないと感じさせられるはずです。 取材、文・志村昌美 目が離せない予告編はこちら! 作品情報 『バティモン5 望まれざる者』5月24日(金)、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開配給:STAR CHANNEL MOVIES (c) SRAB FILMS – LYLY FILMS – FRANCE 2 CINÉMA – PANACHE PRODUCTIONS – LA COMPAGNIE CINÉMATOGRAPHIQUE – 2023 https://ananweb.jp/anew/550525/ Source: ananweb

  • 2024.04.29

舘ひろし「頑張ることこそが年を取った男のカッコよさ」 柴田恭兵と語る8年ぶりの『あぶない刑事』 | ananweb – マガジンハウス

刑事ドラマの常識を軽やかにスタイリッシュに覆し、日本ドラマ史上のレジェンド的存在となった『あぶない刑事』が8年ぶりに復活。38年間演じ続けてきた舘ひろしさんと柴田恭兵さんのバディのカッコよさは“あぶ刑事”世代じゃない人も惚れるはず! ――8年ぶりに新作の映画を撮る、と聞いたときは、率直にどう思われましたか? 舘ひろし(以下、舘):僕は正直、前回(2016年公開の映画『さらば あぶない刑事』)で終わったと思ってたんですが、また柴田恭兵という人と『あぶない刑事』ができるということだけで、もう断る理由はありませんでした。とにかく恭サマと、もう一回演やれる。それが本当に嬉しかったんですよ。 柴田恭兵(以下、柴田):右に同じです(笑)。僕的には、舘さんが「全員集合」と言ったら、もう何はさておき馳せ参じますよ(笑)。 舘:何をおっしゃる(笑)。 柴田:いや、実は正直なことを言うと、最初は「映画? もういいでしょ…?」という部分はなきにしもあらずでしたが、「二人のどちらかの娘が登場する話を考えている」と聞いて、これはちょっとおもしろくなりそうだな、と。長い間やってきましたけれど、これまでタカとユージのプライベートが垣間見えるということは、ほぼなかったので。 ――久しぶりの『あぶ刑事(デカ)』の現場だったと思いますが、すぐに雰囲気は掴めましたか? 舘:ええ。会った途端に空白の時間はまったくなかったような感じでした。 柴田:そう。ブランクなんてなかったみたいに。舘さんがダンディーにそこに立っているだけで、みんなが「よし、やるぞ」という気になるんです。 舘:恭サマと僕、オンコ(浅野温子/あつこ)、(仲村)トオルが揃えば怖いものなし。僕は本当に、この4人は最強だと思ってるから。 柴田:安心感も大きいですからね。たぶんそういう雰囲気、映像にも溢れているんじゃないのかな。 ――おっしゃるとおりで、みなさんが楽しく撮影していらっしゃる感じが溢れていました。 舘:そう、めちゃくちゃ楽しかったもん(笑)。 ――舘さんが演じる鷹山敏樹、柴田さんが演じる大下勇次。それぞれの魅力を教えてください。 柴田:タカはとにかくダンディー。世界を代表するダンディー。びっくりするぐらいダンディー。 舘:(笑)。あの、鷹山っていうのはこの作品にとってファンダメンタルな存在で、土台みたいなものだと思ってます。物語の基礎に鷹山という男がいて、その上にユージという建物が立つ。タカの上でユージが走ったり、キラキラ輝いている。僕は土台だからそんなに目立つ男じゃないんです。 柴田:それで言ったら、ユージはセクシーで軽くてただのお調子者。 舘:いやいやいや、そんなことはない(笑)。タカとユージも、舘ひろしと柴田恭兵も同じなんですが、それぞれが長方形の対角線上にいるような、遠い存在なんですよ。でも、そういう二人がバディを組むことでケミストリーが起こり、おもしろいものが出来上がる。それがタカとユージ、そして『あぶない刑事』の魅力なんじゃないのかな。 ――今回の監督・原廣利さんは現在30代半ばで、ご自身でも「再放送で見ていた世代」とおっしゃっていました。若い監督と一緒の現場はいかがでしたか? 柴田:舘さんの初日にハーレーに乗るシーンがあって、それを見た瞬間にみんなが「わぁ、ダンディー鷹山だ!」って大興奮だったんです。そこでまず世界観が出来上がった。芝居に関しては僕たちが、「こんな感じでやりますよ、こんな芝居ですよ」というのをいろいろ提案し、それを監督はじめ若いスタッフがいろいろと拾って、“もっと素敵に、もっとダンディーに、もっとセクシーに!”と頑張って撮ってくれたんです。 舘:原監督のお父さんは原隆仁監督といって、かつて『あぶ刑事』のテレビドラマの監督だった方なんです。原隆仁監督は、ハードボイルドな作品を撮るのが本当に上手かった。 柴田:ハードボイルドのなんたるかがわかっていて、さらに作品がとてもおしゃれだった。 舘:その息子さんである原廣利監督も、そのDNAを受け継いでいるんじゃないのかな。 柴田:本当にそのとおり。その上で、このわがままな二人のやりたい放題を受け止めてくれて(笑)。 ――久しぶりの『あぶ刑事』ということで、現場に入る前に特別な準備などはされましたか? 舘:まったくないです(笑)。 柴田:女性を抱きしめるシーンの準備とかはしてると思いますよ? まあ準備なんてしなくても、お手の物ですけど。 舘:それは確かに練習が必要ね。 柴田:僕が現場で台本を読んでいると、舘さんが横に座ってる。「恭サマ、何考えてるの?」って聞くから、「このセリフのことを、ちょっとね」。で、僕が「舘さんは?」と尋ねると、「女のこと」って(笑)。 舘:(苦笑)。いや、それは、恭サマがセリフも物語もすべて把握しているから、わからないことがあったら恭サマに聞けばいいわけで。すごいんですよ、恭サマは。僕はね、彼の横でふにゃふにゃしてるだけなんです。 ――本当に、タカとユージのようにいいコンビネーション…。 柴田:僕と浅野さんとトオルで、舘さんのわがままを支えているんです(笑)。 ――ちなみにお話ししていただける範囲で、舘さんのわがままエピソードを教えてもらえますか? 舘:「8時からデートだから、6時に撮影を終わらせてほしい」って言ってた日があったんですよ。でもどんどん押しちゃって、全然終わらない。で、我慢できなくなっちゃって、「デートがあるから帰ります」って、帰っちゃった。 ――柴田さんはなんと? 柴田:「しょうがないなぁ」(笑) 舘:優しいでしょ? 恭サマ(笑)。 ――ご自身の俳優ヒストリーの中で、『あぶない刑事』はどんな意味を持つ作品ですか? 舘:僕にとってはまず、「代表作が持てた」という意味で、この作品に出合えたことは本当に幸運だったと思います。俳優の名前を見て「この作品!」というものを持てることって、実はなかなかないんですよ。 柴田:若いときは、この作品がヒットしたからこそ、「もっと違う自分を見せたい」とか「また別の素敵な作品に出合えるだろう」と思っていたんですが、時間が経ってから、『あぶない刑事』は自分が思っていたよりも大きな意味を持つ作品だったことに気がついたというか…。作品はもちろん、出演者、スタッフ、誰一人欠けても生まれなかった作品だと思うんですよ。いろんな意味で、僕にとって素敵な出合いだったと言える作品です。今作のエンディングでユージが振り返って何かを口走るんですが、実は、もう亡くなってしまったスタッフや共演者の名前と“ありがとう”と言ってまして…。毎回本当にいろんな人に支えてもらって、出来上がった作品なんですよね。 ――全編にわたってカッコいいタカとユージ、そして『あぶない刑事』の世界観を満喫できる2時間ですが、あえてお二人から、「特にここを観て!」というところを教えていただけますか? 柴田:年を取った元刑事の二人の、無理して頑張っているカッコよさを観てほしいです。タカとユージってアニメのキャラクターみたいなものだと思っていて、年を取ってもキャラにブレはないんです。 舘:そうそう。頑張ることこそが年を取った男のカッコよさですよ。最近わりとシリアスな映画が多いような気がするんですが、そんな時代に、こういう楽しくてちょっとバカバカしい映画もいいかな、と思います。 柴田:そう。映画って楽しいんですよって言いたいよね。 『帰ってきた あぶない刑事』 定年退職後ニュージーランドで探偵業を営んでいた鷹山と大下が、8年ぶりに横浜に戻り、探偵事務所を開設。最初の依頼人は、タカ&ユージのどちらかの娘?! 彼女の依頼は「母親の捜索」。二人は捜索に乗り出すが、殺人事件が多発、さらにはテロの危機が。母親は見つかるのか、そして街は救われるのか?! 共演に浅野温子、仲村トオル、土屋太鳳、早乙女太一、ベンガル、吉瀬美智子、岸谷五朗ほか。監督/原廣利 脚本/大川俊道、岡芳郎 5月24日より全国公開。©2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会 たち・ひろし(写真・左) 1950年生まれ、愛知県出身。’76年に映画『暴力教室』で俳優デビュー。映画『終わった人』で第42回モントリオール世界映画祭最優秀男優賞を受賞。 しばた・きょうへい(写真・右) 1951年生まれ、静岡県出身。’75年に劇団「東京キッドブラザーズ」に入団し、キャリアをスタート。代表作にドラマ『ハゲタカ』、映画『半落ち』など。 ※『anan』2024年5月1日号より。写真・野呂知功(TRIVAL) スタイリスト・中村抽里(舘さん) 古舘謙介(柴田さん) ヘア&メイク・岩淵賀世(舘さん) 澤田久美子(柴田さん) (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/546124/ Source: ananweb

  • 2024.04.27

【2024年最新韓国ドラマ】キム・スヒョン&キム・ジウォンらの恋にときめく!! ラブストーリー最新作 – 文・かわむらあみり | ananweb – マガジンハウス

気になる話題の映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第14回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりがお届けします。 Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中 【テレビっ子の窓】vol.14注目作が続々登場する韓国ドラマの中でも、今回は主人公とヒロインの恋にときめく最新ラブストーリーを4作ご紹介します! ラブストーリー『涙の女王』 Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中 田舎出身の“スーパーマーケットの王子”ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)は、財閥のクイーンズグループ3代目となる“百貨店の女王”ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と結婚3年目を迎えるも、関係はすっかり冷え切り、夫婦仲の危機に直面していました。離婚を切実に考えるようになっていたヒョヌでしたが、ヘインがある出来事に見舞われると、ふたりの心情にも変化が訪れて…。 Netflixシリーズ『涙の女王』独占配信中 今作が初共演となる、『サイコだけど大丈夫』のキム・スヒョンと『私の解放日誌』のキム・ジウォンがW主演し、『愛の不時着』の脚本家パク・ジウンが、『星から来たあなた』以来再びキム・スヒョンとタッグを組んだラブストーリー『涙の女王』(2024年)。最初はなんとも情けない夫に見えるヒョヌと高飛車なヘインが、だんだんと変わっていくさまに笑ったり、驚いたり、ほっこりさせたれたり。ふたりの愛の行方に釘付けに! ヒーリングロマンス『ドクタースランプ』 Netflixシリーズ『ドクタースランプ』独占配信中 高校時代のライバル同士だったヨ・ジョンウ(パク・ヒョンシク)とナム・ハヌル(パク・シネ)。大人になって、美容外科医として華々しいキャリアを築いていたジョンウと麻酔科医として激務をこなしていたハヌルは、偶然再会します。しかし、それぞれが人生最悪のスランプに陥っていたふたりは、思いがけずお互いの存在に癒やしを感じ始めて…。 Netflixシリーズ『ドクタースランプ』独占配信中 ライバルだったふたりが、やがてかけがえのない存在になっていき、人生最大のスランプを共に乗り越え再生していく姿を描いているヒーリングロマンス『ドクタースランプ』(2024年)。上を目指しているときには気づかず、大きくつまずくようなことがあって初めて自分自身を見つめ直し、そばにいる人の大切さを実感するジョンウとハヌルの姿にじーんとするはず! ラブコメディ『婚礼大捷<こんれいたいしょう> -愛結ぶ二人-』 『婚礼大捷<こんれいたいしょう> -愛結ぶ二人-』 U-NEXT独占配信中 Licensed by KBS Media Ltd. © 2023 KBS. All rights reserved 優秀なシム・ジョンウ(ロウン)は、科拳(官僚登用試験)に主席合格するも、ある出来事によって出世できないまま8年間を過ごします。その頃、未婚の男女が増えて問題となるなか、鬱憤がたまっていたジョンウのもとに未婚の3姉妹を結婚させるよう王命が下り、“仲人の神”ヨジュことチョン・スンドク(チョ・イヒョン)宅へ行き、共に協力しあうようになるのですが…。 『婚礼大捷<こんれいたいしょう> -愛結ぶ二人-』 U-NEXT独占配信中 Licensed by KBS Media Ltd. © 2023 KBS. All rights reserved 朝鮮時代を舞台に、ワケありの男女が独身同士を結婚させるべく“仲人”となって奮闘する、時代劇版の婚活ラブコメディ『婚礼大捷<こんれいたいしょう> -愛結ぶ二人-』(2023年)。以前、パク・ウンビンと共演した時代劇『恋慕』は日本でも話題となり、朝鮮王朝時代の装いも板に付いているロウン。異なる価値観を持つ仲人のふたりが、次第に恋に発展していく様子や、コミカルでテンポのいいストーリーも見どころ! ロマンチックコメディ『ウエディング・インポッシブル』 『ウエディング・インポッシブル』 U-NEXT独占配信中 © STUDIO DRAGON CORPORATION まだ駆け出しの女優ナ・アジョン(チョン・ジョンソ)は、演技力はあるものの芽が出ない状況に焦っているなか、友人の財閥御曹司から、偽装結婚の話を持ちかけられます。彼は自分の秘密を隠したいから、そしてアジョンは自分の夢を叶えるために承諾。しかし、彼の弟イ・ジハン(ムン・サンミン)は結婚に猛反対し、妨害してくるようになって…。 夢と野望のために奮闘する男女が、予測不可能な物語を繰り広げるロマンチックコメディ『ウエディング・インポッシブル』(2024年)。キム・ヘス主演時代劇『シュルプ』で王子のひとりを演じて注目されたムン・サンミンと、先日韓国で開幕した「MLBワールドツアーソウルシリーズ2024」の始球式に登場して話題を呼んだチョン・ジョンソのどたばたラブストーリー! 今回は、現代劇から時代劇まで、さまざまなストーリーをベースにした主人公とヒロインの恋愛模様が見どころの最新韓国ドラマをお届けしました。この機会にぜひ観てみてくださいね。 文・かわむらあみり 文・かわむらあみり https://ananweb.jp/anew/544928/ Source: ananweb

  • 2024.04.02

フランス映画界の実力派俳優「京都や奈良での経験は忘れられない」日本での思い出を語る – 写真・園山友基(ヴァンサン・ラコスト) | ananweb – マガジンハウス

映画ファンにとって毎年欠かせないイベントのひとつといえば、横浜フランス映画祭。今年も豪華なゲストたちによって大きな賑わいを見せましたが、今回はこちらの方にお話をうかがってきました。 ヴァンサン・ラコストさん 【映画、ときどき私】 vol. 641 『EDEN/エデン』や『アマンダと僕』などに出演し、フランス映画界をけん引する若手実力派俳優として知られるヴァンサンさん。オープニング作品『愛する時』では、ある過去を抱えながら小さな息子と暮らす女性マドレーヌと運命の出会いを果たす裕福なインテリ学生のフランソワを演じています。そこで、役作りの裏側や人間関係で大事にしていること、そして日本での忘れられない思い出などについて語っていただきました。 ―まずは、本作に出演したいと思った決め手について教えてください。 ヴァンサンさん 監督のカテル・キレヴェレのことはよく知っていましたし、彼女の過去作『スザンヌ』もすごく好きだったので、ぜひ仕事をしたいと考えていました。あとは、この作品で描いているテーマも非常におもしろいし、20年にわたるカップルの姿にもロマンがあるなと。いろんなものが詰まっている複雑な役どころでもあったので、友人であり素晴らしい俳優でもあるアナイス・ドゥムースティエと一緒に演じたいという思いになりました。 役のアイデンティティを表現するために10キロ以上減量 ―ananwebではキレヴェレ監督に以前取材をしたことがありますが、非常に細かいところにまでこだわりを持っていらっしゃる方という印象を受けました。現場ではどのような演出がありましたか? ヴァンサンさん 確かに、彼女の演出はとてもこだわりが強いですよね。そんななか、僕がこの役を演じるうえで言われたのは、まず痩せることでした。なぜなら、内面のもろさや繊細さ、そしてキャラクターの持つ優しさを身体で表現してほしいというリクエストがあったからです。そのために糖分をまったく取らずに10キロ以上も減量しましたが、そうすることで役のアイデンティティを表現しています。 ―なるほど。また、劇中の2人はそれぞれの秘密を共有し合うことによって、特殊な愛情で結ばれていたと思いますが、彼らの関係性をどのようにとらえましたか? ヴァンサンさん マドレーヌとフランソワは、お互いを求めているというよりも、社会から存在を拒否されている2人であるがゆえにお互いを支え合って生きているカップルだと思いました。苦しい生活のなかでフラストレーションが溜まっていくところもありますが、真摯な愛情もあるのでそこが映画としても美しい部分だと感じています。 人間関係で大事なのは、自分らしくいられるかどうか ―ご自身が人と付き合ううえで大事にしていることがあれば、お聞かせください。 ヴァンサンさん 僕自身は幸いなことにすごく自由に生活ができる国で、何の問題もなく暮らしているので、恋愛に関しても自分が思う通りの人間関係が実現できていると思います。とはいえ、自分らしくいられるかどうか、というのは一番重要ですね。 相手に求めているものがあるとすれば、優しさとユーモアがあって、いろいろな感性を持ち合わせている人であること。ともに時間を過ごすことになるので、それらは僕にとって欠かせないものです。 ―また、ヴァンサンさんはこれまでに数多くの作品に出演されており、毎回まったく違う印象を受けるのですが、作品選びはどのようにしていますか? ヴァンサンさん まず僕が作品を選ぶ際に重視しているのは、監督がどういう人かということです。どんなにシナリオがよくても、監督の解釈によって変わるので、監督の芸術的なビジョンに自分がピンと来るかどうかは必須ですね。 あとは、自分が観客として観たときにおもしろそうと思う作品には出たいなと考えています。僕にとって映画が生活の一部というのもありますが、観客としての視点は大切にしている部分です。 オフは何よりも自分の時間を大切にしている ―ご自身の見せ方で意識されていることもあるのでしょうか。 ヴァンサンさん 僕は若い頃から仕事を始めたので、最初はティーンエイジャーの役からスタートしましたが、その後はコメディやドラマでいろんな役を演じてきました。そのなかでも、なるべく同じタイプの役を選ばないようにはしています。とはいえ、俳優は提案をもらってから成り立つ仕事なので、いい話をもらうまでに時間がかかることもありますね。 ―ちなみに、オンオフはどのようにして切り替えていますか? ヴァンサンさん 撮影のときは長い期間ほかのことが何もできないので、オフのときはなるべく自分のために時間を使うように心がけています。家族や友人に会ったり、旅行をしたり、本を読んだり、映画を観たり、自宅のインテリアを考えてみたり、スポーツをしたり。とにかく自分の時間を大切に考えるようにしています。 日本の文化は、どれも特別で繊細 ―日本に来るのは3度目とのことですが、どのような印象をお持ちですか?  ヴァンサンさん いろんな文化があって素晴らしいと思いますが、そのひとつである映画には質が高くて美しい作品が多いと感じています。そういった部分は、昔から現在まで絶えることなく受け継がれているので、是枝裕和監督や今村昌平監督、北野武監督、濱口竜介監督といった監督の映画が僕は好きです。ほかにも、漫画や文学、そして食にいたるまで特別な文化ですし、どれも本当に繊細ですよね。 ―もし、日本での印象的な思い出などがあれば教えてください。 ヴァンサンさん 初めて日本に来たのは友達とのバカンスでしたが、ちょうどフランスがワールドカップで優勝したときでした。その瞬間は京都にあるバーにいたので、日本人とフランス人が一緒になって喜んだことが記憶に残っています。 それから僕は動物好きということもあり、鹿を見に奈良に行ったこともありました。ただ、せんべいをあげていたらどんどん鹿が集まってしまい、せんべいはなくなったのに15匹くらいの鹿に取り囲まれて追いかけられたことも(笑)。あれは忘れられない経験ですね! 人生に悩みがあるのは、とても自然なこと ―それでは最後に、ご自身と同世代のananweb読者に向けてメッセージをお願いします。 ヴァンサンさん 人生においてずっと悩みがあると感じることもあるかもしれませんが、これはとても自然なことです。なので、悩みを抱えている自分自身も受け入れていったらいいのではないかなと思います。他人に目を向けてみれば、みんなも将来に不安を持っている状態にあることがわかるので、「これは普通のことなんだ」と再認識できるはずです。 実際、僕自身も自分がしていることが正しいかどうか、確信を持てていません。でも、それよりも自分に対して疑いを持ったり、悩んだりすることは悪いことではないと考えるほうがいいのではないかなと。そうやっていろんなことに好奇心を持って乗り越えていくのは大事だと思っているので、みなさんにもそれを伝えたいです。あとは、友達と話をしたり、音楽を聴いたり、映画を観たり、外に意識を開いていくような生活にしていくのもオススメですね。 インタビューを終えてみて…。 これまで作品ごとにまるで違う顔を見せているヴァンサンさん。それだけに素顔はどんな感じか楽しみにしていましたが、フレンドリーでとても自然体な方でした。フランス映画界には欠かせない一人でもあるので、今後も幅広い作品での活躍を期待したいところです。 作品情報 「横浜フランス映画祭 2024」 写真・園山友基(ヴァンサン・ラコスト) https://ananweb.jp/anew/540717/ Source: ananweb

  • 2024.03.20

【2024年最新】話題の韓国ドラマをチェック! チャウヌ、チェ・ウシクらの演技に注目の「サスペンス&ミステリー」4選 – 文・かわむらあみり | ananweb – マガジンハウス

気になる話題の映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第13回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・コラムニストのかわむらあみりがお届けします。 『ワンダフルワールド』 ディズニープラス スターで独占配信中  SAMHWA NETWORKS. All Rights Reserved.(全14話/毎週金・土曜日2話ずつ配信) 【テレビっ子の窓】vol.13話題作が目白押しの韓国ドラマの中でも、今回はシリアスなストーリーからコメディタッチのものまで多彩な最新のサスペンス&ミステリーを4作ご紹介します! ヒューマンサスペンス『ワンダフルワールド』 『ワンダフルワールド』 ディズニープラス スターで独占配信中  SAMHWA NETWORKS. All Rights Reserved.(全14話/毎週金・土曜日2話ずつ配信) ある日、愛する息子を殺され、人生が一変した心理学教授で有名作家のウン・スヒョン(キム・ナムジュ)。法をかいくぐり野放しとなっていた犯人を自らの手で葬り、刑務所へ入ったスヒョンは次第に絶望の淵から這い上がります。出所すると、同じように過去に傷を負った謎の青年クォン・ソンニュル(チャウヌ)と偶然出会うのですが、おたがいに秘密を抱えていて…。 『ワンダフルワールド』 ディズニープラス スターで独占配信中  SAMHWA NETWORKS. All Rights Reserved.(全14話/毎週金・土曜日2話ずつ配信) 悲しい過去を背負う男女の運命が絡み合うヒューマン・サスペンス『ワンダフルワールド』(2024年)では、“顔の天才”と呼ばれるチャウヌの甘い表情とは違う、シリアスな演技にハッとさせられます。デビュー後の映画初出演作『デシベル』(2023年)でも、難しい役どころに挑戦したチャウヌの新しい姿に注目です。 犯罪サスペンス『殺人者のパラドックス』 Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』独占配信中 冴えない毎日を送っている大学生のイ・タン(チェ・ウシク)は、あるとき思いがけず人を殺してしまい、パニック状態に。しかし、なぜか殺人の証拠は消え、死んだのは犯罪者だったことを知り、心境に変化が訪れます。捜査が難航する中、勘の鋭い刑事チャン・ナンガム(ソン・ソック)は、タンを怪しんで執拗に追い始めるようになるも、また殺人事件が発生して…。 Netflixシリーズ『殺人者のパラドックス』独占配信中 映画「パラサイト 半地下の家族」(2019年)のチェ・ウシクと、『私の解放日誌』(2022年)のソン・ソックが共演する犯罪サスペンス『殺人者のパラドックス』(2024年)。若手実力派のチェ・ウシクが極限の状態で平凡な青年が変化していくさまを体現し、大人の魅力あふれるソン・ソックが凄みのある哀愁漂う刑事を見せています。展開もテンポも小気味いい! 下剋上サスペンス『予期せぬ相続者』 『予期せぬ相続者』 ディズニープラス スターで独占配信中 © 2024 Disney and its related entities(全12話/毎週水曜日2話ずつ配信) 過酷な環境で育ったハン・テオ(イ・ジェウク)は、鋭い頭脳と冷徹さ、そして並外れた野心を武器にどん底から脱出し、目標へと突進。そんなテオの前に、財閥のカンオグループ会長の婚外子カン・イナ(イ・ジュニョン)、底辺の生活から這い上がろうとするナ・ヘウォン(ホン・スジュ)が現れます。それぞれが違う欲望を持つ3人が手を組み、社会の頂点に立つため危険な状況に踏み込んでいくのですが…。 『予期せぬ相続者』 ディズニープラス スターで独占配信中 © 2024 Disney and its related entities(全12話/毎週水曜日2話ずつ配信) さまざまな手を使ってトップに上り詰める権力争いと復讐を描いたサスペンス『予期せぬ相続者』(2024年)。ファンタジーロマンス活劇『還魂』(2022年)で日本でも注目を集めたイ・ジェウク、U-KISS出身のジュンことイ・ジュニョン、モデルから女優へと転身し急成長中のホン・スジュといったフレッシュな面々が繰り広げる最新作から目が離せません。 コミカルミステリー『タッカンジョン』 Netflixシリーズ『タッカンジョン』 独占配信中 ある日、機械メーカーで社長を務める父チェ・ソンマン(リュ・スンリョン)の会社へ行った娘のミナ(キム・ユジョン)は、不思議な機械に足を踏み入れたとたん、「タッカンジョン (甘辛いたれのついた鶏のからあげ)」に変身してしまいます。娘を人間に戻したいソンマンは、ミナに片想い中の社員コ・ペクジュン(アン・ジェホン)とともに力をあわせるものの、続々と予想外の出来事が起きて…。 Netflixシリーズ『タッカンジョン』 独占配信中 愛する人の最大のピンチを救うため、奇妙な大冒険に乗り出す父と、彼女に片思い中の男性の姿を描いたコミカルミステリー『タッカンジョン』(2024年)。ウェブ漫画が原作とはいえ、“からあげに変身する”という奇想天外すぎる設定が斬新。昨年『ムービング』でも子どもを守るために闘ったリュ・スンリョンが、またも我が子のために奮闘する前代未聞のストーリーに釘付けに!! 今回は、最新のサスペンス&ミステリーのなかでも、多様な展開を見せる最新の韓国ドラマをご紹介しました。気になるキャストやストーリーがあったら、一度、観てみてくださいね。 文・かわむらあみり 文・かわむらあみり https://ananweb.jp/anew/538556/ Source: ananweb

  • 2024.02.20

時代を先取りしすぎていた映画!? シスターフッド映画の金字塔が4K版に! | ananweb – マガジンハウス

昨今、フェミニズムがどーたら、とか、男社会は欠陥ありとか、何十年も解決を先延ばしにしていた身近な問題が明るみに出てますよね。まるで膿をしぼり出すかのごとく。もっとやれやれ! と思ってるんですよ、ほんと。だって、おかしな話じゃありませんか。男性は許されるけど、女性は声を上げることすら邪魔されるなんて。全力で意味不明。それが常識とされていた’90年代、こんな自由に生きる女性を描いた映画があったんか! と驚いていただける傑作『テルマ&ルイーズ』が、美しい映像の4Kレストアされて上映されるんですよ。ナイスタイミング! シスターフッド映画の祖! 親友同士の主婦テルマとシングルのウェイトレス、ルイーズは、週末のドライブ旅行に。ところが、立ち寄った店の駐車場で、テルマが男から乱暴を受け、それを見たルイーズはとっさに護身用のピストルでパ~ン! 気晴らしの旅行のはずが、指名手配の逃避行になってしまいます。ふたりの旅は、迫りくる警察の追跡をまくことができるのか!? ってなロードムービー。人目をはばかる逃避行なのに、ヒッチハイクの青年を連れ込んじゃったり、タンクローリーのドライバーにセクハラされたら、その報復でタンクを撃って大爆破させたり。タガが外れたふたりの行動は超はちゃめちゃ。なのに、なんなのよ、この心の解放感……っていう、最高に爽快な作品。今でいうところのシスターフッド映画でもあり、相思相愛の愛情にも似た女性バディ映画でもあり。時代を先取りしすぎていた映画としても名高い傑作です。 この映画を知らない人がこの4K版を観たら、おそらく「今の映画でしょ」と思ってしまうんじゃないかしら(携帯電話がないとかの古くささはあるんだけど)。なんせテーマも物語も、今起きておかしくないことばかり。ってことは、30年以上この問題は棚上げされっぱなしだったってことなんですよ。それゆえに、2016年にはアメリカ国立フィルム登録簿にリストインし、同年のカンヌ国際映画祭ではジェンダーの平等と女性の地位向上に貢献した作品に贈られるウーマン・イン・モーション賞を獲得。そして、このほど監督のリドリー・スコット自身が監修した4K版が実現したってわけです。もーね、これを観ずしてシスターフッド映画は語れない、ってくらいの金字塔。 実はルイーズは性被害の経験があって、女性に乱暴する男は許せない。だから男性の横暴に対してはめちゃ厳しいのね。でも、テルマは夫(おまけにDV気味)に頼りきりの専業主婦。男性優位に設計されている社会に対してちょっと甘い考え。この対比も実にいいのよ~。現代にも残るこのテーマにおける意見の対立そのまんま。だからこそ説得力があるのよね。ちなみにテルマが誘い込むヒッチハイカー青年は若き日のブラピ。4Kになったらオリジナルよりもグッと美しく、「そら誘うわ…」と思うほどでございます(が、絶対ダメ)。イケメンが大条件のこの役、ジョージ・クルーニーもオーディションを受けて落選しているといういわくつき。説教くさく紹介したけど、そういうのを抜きにして、彫刻のように美しいブラピに翻弄される『テルマ&ルイーズ』を美麗映像&大スクリーンで観る、というだけでも価値アリアリですよ! 『テルマ&ルイーズ 4K』 監督/リドリー・スコット 出演/スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、ブラッド・ピットほか 2月16日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー。©1991 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved. ※『anan』2024年2月21日号より。文・よしひろまさみち (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/532729/ Source: ananweb

  • 2024.02.18

官能映画の巨匠が辿り着いたエロスの新境地も! 韓国映画&ドラマの官能作品5選 | ananweb – マガジンハウス

触れてもいないのに、ドキドキが止まらない…。画のすみずみから色香を感じるアジアの映像文化。その秘密はどこにあるのか? 韓国映画&ドラマの官能作品をご紹介します。 【韓国】追う、追われる、見る、見られる、相互関係の官能。 韓国映画は性描写が激しい印象があるけれど、近年は官能をテーマにした作品が減少しているそう。 「官能映画の巨匠パク・チャヌク監督も性的シーンを封印した作品に挑むほど、傾向が顕著に。その試みから生まれたのが『別れる決心』ですが、容疑者と刑事の追いつ追われつの執着や相手を見つめる行為がなんとも色っぽく、今まで以上に高度になった関係性で描き出す官能表現はさすがの一言」(ライター・西森路代さん) 愛よりも激しく濃密な、憎しみと殺意を描き切る。【MOVIE】『名もなき野良犬の輪舞』 刑務所で出会い絆を育んだ2人の男による、裏切りと復讐を描く韓国ノワールの名作。「性愛シーンはないけれど、男性同士の愛の物語だと監督が明言している作品。それを踏まえて観ると、彼らが迎えた結末の捉え方が変わってくるはず。今までのノワール映画で暗喩的に描かれていた“自らの手で相手の命を奪う”行為の官能性が、意図的に示されていると思います」(西森さん)。Blu‐ray&DVD各¥5,170 発売・販売元:ツイン デジタル配信中©2017 CJ E&M CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED 大人女性の知性とウワテな色香を堪能。【DRAMA】『ハイエナ ―弁護士たちの生存ゲーム―』 勝つためには手段を選ばない女性弁護士とエリート弁護士が、法曹界での生き残りを懸けて争うヒューマンドラマ。「女性弁護士役のキム・ヘスは、50歳を過ぎた今も韓国映画界の中心で活躍しているセクシーの権化のような俳優。この作品では普段はインパクトが強く、セクシーとは縁遠そうなキャラですがライバル弁護士から情報を得るために自ら官能スイッチを入れ、虜にしていく。そのギャップに思わず引き込まれます」Netflixシリーズ『ハイエナ ―弁護士たちの生存ゲーム―』独占配信中 ソン・ソックのただならぬ色気は一見の価値あり。【DRAMA】『私の解放日誌』 都会と田舎を往復する毎日に閉塞感を感じている三きょうだいと、彼女らの自宅の離れに住む謎の男の日々を描く。「韓国ドラマにしては珍しい“何も起こらない系”の物語で、謎めいた男を演じるソン・ソックの怪しく“けしからん”色気で見る者を高ぶらせる。末妹と謎の男は、そこはかとない生きづらさを感じていて、次第にシンパシーを感じ近づいていく様子は、官能的なシーンがないのに、いけないものを覗いているような感覚があります」Netflixシリーズ『私の解放日誌』独占配信中 Son Suk-ku(ソン・ソック)得体の知れなさに心惹かれるミステリアスな“けしからん”男。韓国で人気急上昇中のソン・ソックは、現在41歳の遅咲き。「醸し出す雰囲気が独特で、謎めいた役柄がピッタリ。そうかと思えばマ・ドンソクの『犯罪都市』シリーズでは凶悪なヴィランを演じたことも。日本作品のリメイク版で、彼と似た空気感が魅力の綾野剛さんが演じた役を務めることが多い点も興味深いです」©Han Myung-Gu/gettyimages 官能映画の巨匠が辿り着いたエロスの新境地。【MOVIE】『別れる決心』 夫の殺害を疑われる女と、事件を追う刑事。疑惑の中で惹かれ合う二人を描くサスペンスロマンス。「ずっと官能を描いてきたパク・チャヌク監督が、直接的な描写を用いずに官能性を追求した意欲作。“死”というものを共有している特殊な関係性がどこかセクシーですし、刑事に観察されていた女が途中から刑事を観察するようになり“見る”“見られる”の立場が逆転する点にも監督の意図を感じます」。Blu‐ray¥5,500 DVD¥4,400発売元:ハピネットファントム・スタジオ 販売元:ハピネット・メディアマーケティング©2022 CJ ENM Co., Ltd., MOHO FILM. ALL RIGHTS RESERVED 過激な性描写の裏にある女性同士の連帯と愛に注目。【MOVIE】『お嬢さん』 日本統治下の韓国を舞台に、令嬢とメイド、メイドを操る詐欺師の男が豪邸内で繰り広げる騙し合いを描く。「エロティックな描写が多く、とりわけ印象深いのが家父長制に抑圧されてきた令嬢とメイドが逃避行を実現した末にようやく愛し合うことができたシーン。そこに至るまでの残酷な背景や女性同士の愛といったモチーフを物語としてきちんと昇華できるのは、パク・チャヌク監督の手腕あってこそ」。Blu‐ray 通常版¥5,280発売・販売元:TCエンタテインメント 提供:ファントム・フィルム©2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED 西森路代さん ライター。韓国を中心としたアジアのエンターテインメントに関するインタビューや批評、コラムの執筆を手掛ける。著書に『韓国ノワール その激情と成熟』(Pヴァイン)などがある。 ※『anan』2024年2月21日号より。文・真島絵麻里 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/532616/ Source: ananweb

  • 2024.02.15

永山瑛太、スーパーの品出しバイト時代を語る「偉い人と出会う機会が少なかった」

 俳優の永山瑛太さん(41歳)が、全国公開中の映画『身代わり忠臣蔵』に出演しています。  本作は、時代劇ヒットメーカー・土橋章宏著の同名小説の実写化で、日本中で愛される時代劇「忠臣蔵」をベースに“身代わり”という斬新なア […] Source: 女子SPA!

  • 2024.02.15

生理前の凄まじいイライラに苦しむ女性に、同僚男性がかけた言葉が尊い|映画『夜明けのすべて』

 瀬尾まいこの同名小説を映画化した『夜明けのすべて』が、2024年2月9日より劇場上映中だ。公開直後から絶賛の声が続々と挙がり、現在Filmarksと映画.comでは5点満点中4.2点のスコアを記録している。  目玉とな […] Source: 女子SPA!

  • 2024.02.07

川口春奈「ムロツヨシさんの身代わりになったら大変そう」と語る理由 – 写真・大内カオリ(川口春奈) | ananweb – マガジンハウス

日本で昔から愛され続けている時代劇のひとつといえば、47人の赤穂浪士たちが吉良邸に討ち入りする様子を描いた「忠臣蔵」。まもなく公開を迎える最新作『身代わり忠臣蔵』では、吉良上野介の弟・孝証が“身代わりミッション”で幕府をだますという大胆な脚色が話題となっています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。 川口春奈さん 【映画、ときどき私】 vol. 635 思いがけず殿の身代わりとなった孝証が想いを寄せる女中の桔梗を演じている川口さん。昨年には「anan AWARD 2023」の俳優部門にも輝くなど、映画やドラマなどで幅広い活躍を見せています。今回は、主演を務めたムロツヨシさんとのエピソードや身代わりがいたらしてほしいこと、そして30代を目前にしたいまの心境などについて語っていただきました。 ―本作はこれまでの忠臣蔵とは大きく異なる作品となっていますが、どのようなところが魅力だと感じていますか? 川口さん 今回はコメディ要素が強いこともあり、時代劇を普段観ないような方でもテンポよく楽しんでいただける痛快なストーリーになっていると思います。あとは、男性社会だけでなく恋愛感情も描かれているので、桔梗との関係性にはほっこりしていただけるかなと。桔梗は強い女性ではありますが、かわいいと思ってもらえるようなマドンナになれたらいいなと考えて演じました。 ―孝証を演じるムロさんとの現場で印象に残っていることがあれば、教えてください。 川口さん ムロさんとは10年ぶりくらいにお会いしたということもあって、お互いの近況を話していたらあっという間に終わってしまった気がします。孝証のキャラクターとムロさんの穏やかで優しい人柄によってリラックスできたことで、すごく自然体で撮影に挑めました。 観るのは好きだけど、コメディを演じるのは難しい ―本作の現場では全体的にアドリブも多かったようですが、ムロさんともそういったやりとりはあったのでしょうか。 川口さん ボケとツッコミのようなシーンではあえてカットをかけず、長めに撮影をするようなことはありました。ただ、基本的にはムロさんが自由に演じられて、それを私が見ているという感じで(笑)。でも、そういう関係性は、キャラクターにも合っていたと思います。 間合いやタイミングというものを狙いすぎるのもダメなので、コメディ作品は本当に難しいですよね。偶然が重なったときに面白くなったりするので、観るのは好きですけど演じるのは大変だなと毎回感じています。 ―なるほど。今回は京都での撮影となりましたが、どのようにして過ごされていましたか? 川口さん 待ち時間も着物だったので外に行くわけにもいかず、部屋で台本を読んだりしていました。ただ、撮影が日中に終わることが多かったので、そういうときはタクシーの運転手さんに「オススメのお店ありますか?」と聞いて、教えてもらったラーメン屋さんにそのまま行ったことも。そんなふうに、「今日は何を食べに行こうかな?」と考えていることが多かったです。 応援してくださる方や家族からのリアクションが原動力 ―では、もし誰かに自分の身代わりになってもらえるなら、何をお願いしたいですか? 川口さん 家のことや雑務をこなすのが苦手なので、そういったことを完璧にやってもらいたいです! お料理とかもしてくれたら本当にありがたいですね。 ―誰かの身代わりをしてみるのはどうですか? たとえば、ムロさんとか。 川口さん できれば誰の身代わりもしたくないですが、特にムロさんはすごい気遣い屋さんなので大変そうだなと(笑)。ただ、ムロさんに関してはいつも心配してしまうくらい気を遣っていらっしゃるので、少しでもお手伝いができるならしたいなという気持ちはあります。いや、でも本当にムロさんは大変そうです。 ―劇中では孝証が身代わりをしていく過程で、初めて人から必要とされる姿も描かれていますが、共感する部分などもありましたか? 川口さん 私も「自分が必要とされていると感じたい」という気持ちは前提にあると思います。自分がいることで何かが解決したり、「作品を観て救われた」とか「面白かった」と言ってくださる方がいたりすることで成り立っている仕事だと思うので。 それだけに、作品をちゃんと届けたいという心構えはいつも大切に考えています。自分のためだけにはできない仕事なので、応援してくださる方や家族からのリアクションが自分にとっては原動力です。 オフはなるべく外でアクティブに過ごして気分転換 ―毎日お忙しいと思いますが、オンオフの切り替えなどはどうされていますか? 川口さん カラダのメンテナンスをしたり、飼っているワンコと出かけたり、人と会ったりして自分なりに気分転換をしています。ワンコに関しては時間もお金も手間もすべて注いでいるので、溺愛しているというより、もはや私の分身に近いですね(笑)。劇中に出てくるお犬さまのような扱い方で、とにかく“犬ファースト”の生活になっています。 あとは、おいしいご飯を食べるのが楽しみのひとつ。家にいるとどうしても仕事のことを考えてしまうのでなるべく外に出たいというのもありますが、アクティブなので家にいる時間は少ないほうだと思います。 ―最近テンションが上がった食べ物やハマっているものがあれば、教えてください。 川口さん 好きなのは、タイ料理や韓国料理。エスニック系も好みなので、カレー屋さんを巡ったりもしています。気になるお店をリストにしていることもあって、それを巡っていくのも楽しいです。 大事なのは、自分がちゃんと楽しめているかどうか ―まもなく29歳となりますが、20代最後の年をどのように過ごしていきたいですか?  川口さん 30代にはなってみないとわからないですが、いま何か掲げている理想とかは特にありません。あまり年齢は気にしていないので、とにかく健康に気を付けてこれからもお仕事を続けていけたらいいなと考えています。 それと、旅行が好きなので行ったことのない場所に行って、見たことのない景色を見たり、食べたことのないものを食べたりして、いろんなことをたくさん吸収できたらいいなとは思っています。 ―川口さんといえばいつも笑顔で明るいイメージがありますが、落ち込んだときはどうやって乗り越えているのでしょうか。 川口さん 昔から大事にしているのは、ちゃんと息抜きをして1回フラットにすること。さっきもお話したように、バランスを保つためにオフの使い方は意識しているほうだと思います。パフォーマンスの質を落とさないためにも、自分で自分の機嫌を取るようにもしていますが、そういうのは大きいですね。 とはいえ、私はあまり落ち込んだりしないほうで寝たら忘れちゃう(笑)。ズルズル引きずらないというか、気が付いたらどうでもよくなっていることが多いです。あとは、自分がちゃんと楽しめているかどうか。それは仕事にも反映されることなので、そういった部分は大切にしています。 いいことも悪いことも、成長に繋がっている ―それでは最後に、仕事や恋愛に悩む同世代のananweb読者に向けて、メッセージやアドバイスをお願いします。 川口さん 私も完璧じゃないですし、みなさんと同じように悩みながら働いていく、というのを繰り返しているところです。その過程では、いいことも悪いこともあると思います。でも、そうやっていくことで絶対に成長もしているし、強くもなっているので、一緒にがんばっていきましょう! インタビューを終えてみて…。 劇中で演じられた桔梗のように、芯の強さとかわいさをあわせ持っている川口さん。これから30代に向けて、どのような女性になっていくのかも楽しみなところです。本作では普段とは違う素敵な着物姿もぜひ堪能してください。 こんな「忠臣蔵」は観たことない! クセが強すぎるキャラクターたちが次々と登場し、これまでの時代劇とはひと味もふた味も違う面白さが詰まった本作。斬新なストーリー展開に驚かされるだけでなく、笑って泣ける新たな「忠臣蔵」の誕生です。 写真・大内カオリ(川口春奈) 取材、文・志村昌美 ストーリー 嫌われ者の旗本として知られていた吉良上野介。ある日、城内で斬りつけられ、逃げた傷で瀕死の状態に陥ってしまう。理由は、吉良から陰湿ないじめを受けていた赤穂藩藩主がブチ切れたことによるものだった。斬った赤穂藩主は当然切腹だが、吉良も逃げた傷を負ったとなれば武士の恥。両家ともお家取り潰しの危機を迎える。 ここで吉良家家臣から出てきた奇想天外な打開策は、殿にそっくりな弟の孝証を身代わりにすることだった。そんななか、赤穂藩の部下である大石内蔵助は仇討の機会をうかがっているような動きを見せる。はたして、孝証は世紀の大芝居で身代わりミッションをコンプリートできるのか…。 痛快な予告編はこちら! 作品情報 『身代わり忠臣蔵』2月9日(金)全国公開配給:東映 (C)2024「身代わり忠臣蔵」製作委員会 写真・大内カオリ(川口春奈) https://ananweb.jp/anew/529994/ Source: ananweb

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