望月リサ

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  • 2023.12.20

三浦涼介「自分も原作を読んでファンになった」 『舞台「呪術廻戦」』で五条役に! | ananweb – マガジンハウス

人間の負の感情から生まれる呪いと、それを祓う呪術師との戦いを描いた同名漫画を舞台化した『舞台「呪術廻戦」』。昨年初演され、そのビジュアルで大きな話題を呼んだのが、三浦涼介さん扮する五条。 生身の人間が演じるライブ感を大事にしている現場だなと感じます。 「もともと兄が原作のファンでしたし、同じ業界にもファンの多い作品ですから、最初はすごくドキドキでした。だからビジュアルが解禁されて、周りから好意的な反応をいただいて、最初の一歩で背中を押してもらえたような気がしました」 役柄としては主人公の虎杖(いたどり)たちが在籍している東京都立呪術高等専門学校の教師だが、「自分が勉強させてもらうことが多かった」と語る。 「経験豊富な方々ばかりで、集中力がすごいんです。とくに虎杖役の佐藤(流司)さんは求められていることをキャッチする能力が素晴らしいし、体も動く。しかも、いい意味で原作に縛られすぎず、ライブ感をとても大事にされている。当初は原作に忠実にと思っていたけれど、生身の人間が演じるからこその心の部分を大切にしていいんだなと」 ただ、それでもやはりキャラクターとして、押さえておかなくてはいけない大事なポイントがある。 「自分も原作を読んでファンになったからこそ、ここはこうあってほしいとか、ここは絶対に決めてほしいというポイントがあって、そこは意識しています。五条って適当な感じが面白いんですよね。上の人間に対しての口のきき方も失礼なんだけれど嫌みな感じはなく、何だか許せてしまう。彼自身が持っているチャーミングさが出ればと思っています」 一方、三浦さん自身は「考えすぎてしまうタイプ」なのだとか。 「だから五条さんに関しては、普段よりも役を決めていかずに、その場で受けたものを大事にするようにしています。ただ役の反動からか、適当な役をやっているときほど、部屋の掃除をいつも以上に几帳面にやってしまうことはあるかも(笑)」 今回は「京都姉妹校交流会」と「起首雷同」の2つの物語が上演。 「ひとりひとりのキャラクターだけでなく、家族愛とか兄妹愛も描かれていて、ワンシーンだけでも観る価値があるエピソードがちりばめられています。純粋に観て楽しい作品になっているのではと思います」 『舞台「呪術廻戦」―京都姉妹校交流会・起首雷同―』 虎杖(佐藤)を亡くした呪術高専は、伏黒(熊沢)や釘崎(山口)らが姉妹校交流会に向け特訓に励む日々。迎えた当日、五条(三浦)から驚きの発表が――。12月15日(金)~31日(日) 東京・天王洲 銀河劇場 2024年1月6日(土)~14日(日) 兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobe 原作/「呪術廻戦」芥見下々(集英社「週刊少年ジャンプ」連載) 脚本/喜安浩平 演出/小林顕作 構成補佐/伊藤マサミ(進戯団 夢命クラシックス) 出演/佐藤流司、泰江和明、山口乃々華、高月彩良、定本楓馬、寺山武志、南誉士広、立道梨緒奈、小柳心、梅津瑞樹、久家心、長谷川愛、竹内夢、塩田康平、平湯樹里、陰山泰、北村海、益川和久、小貫莉奈、青柳塁斗、三浦涼介ほか※泰江和明休演につき熊沢学が代演 S席/S席サイドシート1万1000円 A席(3階席)/A席サイドシート9000円ほか  ©芥見下々/集英社・舞台「呪術廻戦」製作委員会 みうら・りょうすけ 1987年2月16日生まれ、東京都出身。2002年デビュー。最近の主な出演作に、ドラマ『顔だけ先生』、舞台『オイディプス王』など。来年には舞台『儚き光のラプソディ』への出演も控える。 ※『anan』2023年12月20日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・村瀬昌広 インタビュー、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/521735/ Source: ananweb

  • 2023.12.09

富田望生「役に近づけるものがあるなら惜しまずにやらないと」 役作りのセオリー | ananweb – マガジンハウス

朗らかで穏やかな雰囲気と、人懐っこい笑顔。しっかりとした受け答えと丁寧な口調から、誠実な人柄が伝わってくる。多くの同世代俳優がファンを公言するが、さもあらん。愛らしくて、会えば誰もが好きにならずにいられない富田望生さん。 ――現在、舞台『ジャズ大名』の稽古中ですが、いかがですか? 演出の福原(充則)さんとは今回が初めましてなんですけれど“挑戦状”をいただいたような気持ちがして、楽しみだったんです。でも、稽古が始まって最初の本読みで4回くらい心が折れまして。…というのもあまりに怒涛なんです。一応いま、一通り全部の場面をみなさんとセッションしたところなので、その安堵みたいなものはあるんですけれど。 ―― 一体何がそんなに…? ひとりで何役もやるんです。一役終わったと思ったら、次の場面ではまた違う役をやるので、声の調整や体のあたため方が追いつかなくて。なかには男性の役もあったりもして、混乱しちゃったり。でも今は、その混乱を楽しみながらできるようになってきたかなと。 ――それだけ毎回ひとつの役に集中されるからってことですよね? きっとそうなんです。今はこの役だと思っていたら次の役の番が来てしまうので、脳みそがうまく切り替えられなくて。この間福原さんに言われたんですが、私、稽古中に福原さんの話を、役になったまま聞いているらしいんです。男性の役のときは男性になったままなので、「富田さんと話していると笑っちゃいそうになる」と言われました(笑)。 ――でもそうなると、同時に複数の作品を並行して撮っているときなどが大変そうですが、そちらの切り替えはできるんですか? 最初の頃は絶対無理だと思っていましたが、だいぶ慣れました。今も、朝、別の現場でドラマを撮って、昼過ぎに稽古場に来ていますが、来ると不思議と落ち着くんです。仮のセットが組まれた稽古場のフロアに寝て、みんなと「おはよう」って挨拶していると、ホームに戻ってきた気持ちになるんです。毎日、同じメンバーで顔を合わせていると、みなさんが同志みたいに思えて「こっから創作の時間だ」ってワクワクします。 ――切り替えのスイッチみたいなものはあるんですか? 人に会うことです。現場に入り、ヘアメイクしてもらったり、衣装を着たりしている時間がそのタイミングです。自分でも、意外とそこで切り替えできるんだなって。 ――舞台はどうですか? 同じ場面を何度も演じるわけですが。 私はご褒美だと思っています。こんなにひとつの場面をじっくり何度もやれるなんてすごく贅沢なことだと思っています。本番に入ってからも、昼公演と夜公演、初日と中日と千秋楽でも、馴染むというか変わるというか…感覚があるみたいです。私は一生懸命やっているのみで、先輩方に「馴染んできたね」と言っていただいて、そうなのかなと思うくらいの段階ですけれど。本番が始まってからも演出家の方から細かく修正点をいただくこともあって、次の日にそれを生かせるステージがあるということが贅沢で、それが舞台の魅力なのかなと。今は年に1本はやっていけたらと思っています。 ――役に入り込むタイプだと、確かに今回の作品は大変そうです。 大変ですが、それも新たな挑戦で、これを経たら切り替えが早くなるかもしれないと思っています。これまで舞台のお芝居は、みんなで意見を持ち寄って細かく話し合って役を突き詰めていくイメージだったんですけれど、今回はどちらかというとパッションでやっていく作品なのかなと感じています。 ――これまで、じっくり考えて役を作っていくタイプだったと思うのですが、今回の作品に向き合うことで変化は感じていますか? 今はわからないけれど、とにかくやれることをやってみようって感じです。考えるより先にまずは体を動かしてみる、ということが今回は多いです。「ここの場面でこう見て」とか、「ここでは大きくしゃべってみて」と言われて、まずはその通りにやってみる。これまで、あまりそういう演劇的なアプローチでお芝居をしたことがなかったんですが、今回に関しては、福原さんからいただくヒントに思い切って乗っかって、わかりやすくお客さんに伝えていくことが必要なのかなと思っています。自分の役を深く深く追求することより先に、この場面での自分が果たすべき目的は何かをまず考えて、それをどう伝えるかっていうことを、求められているのかなと。 ――でも普段の作品では、それだけ役を丁寧に読み解いて演じられているということでもあります。富田さんなりの、役作りのセオリーのようなものはありますか? 役に近づけるものがあるなら惜しまずにやらないとっていう、それだけです。よく、「なんでそんなに痩せられるんですか」「そんなに太れるんですか」と聞かれますが、自分がやらないと気が済まないというだけです。何かやっていないと不安になる性格で。そんなことをしなくても役にアプローチできる方はたくさんいらっしゃるけれど、私はそれができないだけで。見た目だけでも役に近づける要素があるならとりあえず試してみたいんです。これをやれば必ず見つかるって確かなものはないけれど、その過程で何か染み付いたものがきっとあると信じたい。その過程が大事だとデビュー作で教えてもらったので。 ――デビュー作の映画『ソロモンの偽証』で、役に近づくために体重を増やして臨んだのは有名な話です。ただ、気持ちの上でどうしても理解できない役もあるかと…。 確かに普段から憎んだりするのはしたくないですが、台本を読んで役としてその場に行くと、自然と憎い感情が出てくるんですよね。 ――その感情を準備しておく? 事前に台本は読みますけれど、基本的に何かを固めすぎて現場に行っちゃうと、相手が自分の想像と違うことをしたときに噛み合わなくなるので。だから台本からは、このシーンが何を伝えたいのか、言葉をどう届けたいのかっていうことを読み取って、あとはなるべく現場で、相手から受け取ったものを返すようにしています。 とみた・みう 2000年2月25日生まれ、福島県出身。’15年に映画『ソロモンの偽証』でデビュー。ドラマ『3年A組‐今から皆さんは、人質です‐』、連続テレビ小説『なつぞら』などの話題作に出演。’18年『ハングマン‐HANGMEN‐』(演出:長塚圭史)で舞台初出演。現在、ドラマ『コタツがない家』(日本テレビ系)、連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)に出演中。 舞台『ジャズ大名』は、筒井康隆による時代小説が原作。幕末に黒人奴隷を乗せたアメリカの船が漂着し、彼らの奏でる音楽の虜になった小藩を描いた物語。12月9日(土)~24日(日)KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉にて上演。地方公演もあり。出演はほかに、千葉雄大さん、藤井隆さんなど。チケットかながわ TEL:0570・015・415(10:00~18:00) ※『anan』2023年12月13日号より。写真・神戸健太郎 スタイリスト・阪上秀平 ヘア&メイク・千葉万理子 インタビュー、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/520425/ Source: ananweb

  • 2023.12.06

荒牧慶彦、七海ひろきと高野洸は「仲間でありライバルであり、業界を一緒に盛り上げてくれる同志」 | ananweb – マガジンハウス

昨年大好評を得た『演劇ドラフトグランプリ』 が今年も開催! プロデューサーの荒牧慶彦さんと、座長を務める七海ひろきさん、高野洸さんに“演劇”への想いを伺いました。 『演劇ドラフトグランプリ』とは…座長に選出された数名の俳優たちが、ドラフト会議によって演出家や共演する俳優を自らドラフト指名してチームを結成。上演時間や舞台形式などのルールにのっとり、クジで決まったテーマに沿って演劇作品を創作し、公演当日に作品を披露。審査員と観客の投票によりグランプリを決定するイベント。荒牧慶彦さんが発案し、その企画・プロデュースで昨年6月に第1回が開催され好評を得た。 高野 洸×荒牧慶彦×七海ひろき 荒牧慶彦:「演劇ドラフトグランプリ」を初めて開催した去年は手探り状態で、始まるまでは不安でいっぱいだったんですけど、いざやってみたら本当に面白くて! これは絶対に続けた方がいいということで、今年も開催することになりました。 高野 洸:今年もお声かけいただいて嬉しいです。去年の「演劇ドラフトグランプリ」は役者一人ひとりのパワーがとんでもなかった(笑)。僕もそれを間近で感じることができて嬉しかったですし、1日でいろんな作品が観られるのは面白いですよね。 七海ひろき:私も去年は配信で観ていたんですが、役者の情熱も、舞台を見守るお客さんの集中力もひしひしと伝わってきて、全部ひっくるめて“演劇”だなあと感動しました。 荒牧:今年は七海さんと演出家の三浦香さんという新しい風が加わってくれました。(高野)洸とはもともと仲がいいので信頼関係があるし、若い座長がいてほしいという思いもあって去年に引き続きお願いしました。他チームの座長である玉ちゃん(玉城裕規)も染くん(染谷俊之)も、僕が尊敬する先輩としてオファーさせていただきました。 高野:去年声をかけてもらったときも思ったんですけど、正直、僕でいいんですか? という思いはあるんですよね(苦笑)。荒牧くんは僕がめちゃくちゃリスペクトしてる先輩なので、この人が言うのならついていこうと思ってはいるんですけど。 七海:私も同じ気持ちです。でも、こんな機会はもうないと思うので、出させていただけるのであれば精一杯がんばります! 荒牧さんとは、舞台『ゲゲゲの鬼太郎』でご一緒したのが初めてだったけど、お芝居が大好きなんだなというのが伝わる熱い人。すべてに情熱を持って臨んでいて、どうしたらもっといい舞台になるかをつねに考えていらっしゃる。 荒牧:いやー…(照)。僕は、僕にはないものを持ってる人が好きなんですよ。例えば洸はアーティストとしてライブをやっているし、七海さんは宝塚歌劇団出身で、今は声の仕事もされている。お互いが自分のスキルを提示し合いながら、より高め合える仲間だと僕は思っていて…。仲間でありライバルであり、この業界を一緒に盛り上げてくれる同志であると思ってるんですよね。 高野:でも、チームのメンバーを決めるドラフト会議では、僕と荒牧くんが同じ役者を指名して、僕が負けてしまいました(笑)。 荒牧:そうだったね(笑)。 高野:僕は出演者の中で一番付き合いが長い(福澤)侑(ゆう)くんをまっ先に指名したんですけど…。 荒牧:僕のチームのテーマが“アイドル”だったから、振り付けができる侑が欲しかったんだよね。それに侑とはいろんな作品で共演してるから、チームにいてくれたら心強いと思って。七海さんのチームはすごいメンバーが揃いましたよね。 七海:個性的なチームになりました(笑)。唐橋充さんは一度共演してみたいと思っていたんですけど、玉城さんと指名が重なってドキドキしました。幸い、クジの引きが強くて、最高のメンバーが揃いました。 荒牧:うちも“アイドル”というテーマにふさわしく、動けるメンバーが揃いました。顔もいいですし(笑)。 高野:僕はドラフト1巡目で侑くんが取れなかったので逆に吹っ切れました。去年は最年少座長として新しいことをやろうとダンスを取り入れたりしたので、今年はまた違ったことに挑戦しようかなと。 荒牧:今年、洸が選んだメンバーは意外だったかも。2年目の覚悟が見えたよね。 七海:ドラフト会議はすごく緊張しました! 自分が選ぶ立場であることにも震えましたが、私たちがいた会場も、実際に野球のドラフト会議をする場所なんですよね。 荒牧:おふざけは本気でやる、というのが「演劇ドラフトグランプリ」のテーマなので(笑)。もちろん、演劇の素晴らしさを届けたいという気持ちはありますが、ある意味お祭りでもあるので、ファンの方に一緒になって楽しんでもらいたいんですよね。“グランプリ”と銘打つ以上、勝ち負けは出てしまうけど、僕は全員が一番星だと思っているし、ぜひ自分の推しだけでなく、この人の演技が好きだなという人を見つけてもらいたいです。 高野:豪華なキャストが揃っていますし、みんなの新たな一面が発見できる場でもありますよね。僕としては配信も盛り上がってほしいんですよ。自宅でスポーツ観戦するように、少しでも演劇に興味のある人に観ていただけたら嬉しいです。 七海:この1回の舞台のためだけにみんなとものを作る、という時間を大切にして本番を楽しみたいです。この「演劇ドラフトグランプリ」が“演劇を観た!”と感じてもらえるような、心動かされる時間になったらと願っています。 (写真中央)あらまき・よしひこ 1990年2月5日生まれ、東京都出身。2012年に、ミュージカル『テニスの王子様』2nd seasonでデビュー。2.5次元舞台を中心に、舞台『刀剣乱舞』『ヒプノシスマイク‐Division Rap Battle‐』Rule the Stageなどで人気を博す。’22年にはドラマ『たびくらげ探偵日記』で主演を務めるなど活躍の幅を広げている。 ジャケット¥82,500 シャツ¥23,100 パンツ¥33,000(以上ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿 TEL:03・3470・6760) イヤカフ、上¥9,900 下¥12,100 リング¥33,000(以上ライオンハート/シアン PR TEL:03・6662・5525) その他はスタイリスト私物 (写真右)ななみ・ひろき 1月16日生まれ、茨城県出身。2003年に宝塚歌劇団に入団し、男役スターとして人気を博す。’19年の退団後は、俳優、歌手、声優など幅広く活躍。昨年にはドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』に主演。今年、舞台『THE MONEY』のプロデュースも手がけた。’24年放送開始のアニメ『戦国妖狐』千夜役で声の出演。 ジャケット¥72,600(ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿) シャツ¥41,800(ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL:03・6427・9087) 右手のリング¥24,200 左手のリング¥15,400(共にライオンハート/シアン PR) その他はスタイリスト私物 (写真左)たかの・あきら 1997年7月22日生まれ、福岡県出身。2009年よりDream5メンバーとして活動し、’14年に「ようかい体操第一」でNHK紅白歌合戦出演。活動終了後は俳優としてミュージカル『刀剣乱舞』膝丸役で人気を博し、今年は舞台『キングダム』で主人公・信を演じた。’19年にソロCDデビューも果たし、’24年1月30日に新曲『ex‐Doll』がリリース。 ジャケット¥64,900 シャツ¥23,100 パンツ¥31,900 ベルト¥13,200(以上ラッド ミュージシャン/ラッドミュージシャン 原宿) その他はスタイリスト私物 『演劇ドラフトグランプリ2023』 12月5日(火)17:00開演 日本武道館 総合演出/植木豪 総合司会/山寺宏一 特別審査員/中川晃教 楽屋レポーター/髙木俊 アシスタントレポーター/田中涼星 【劇団『一番星』】座長/荒牧慶彦 演出/川尻恵太 出演/木津つばさ、高橋怜也、福澤侑、松井勇歩 【劇団『びゅー』】座長/高野洸 演出/松崎史也 出演/北川尚弥、高木トモユキ、古谷大和、松島勇之介 【劇団『国士無双』】座長/染谷俊之 演出/中屋敷法仁 出演/糸川耀士郎、椎名鯛造、鳥越裕貴、長妻怜央 【劇団『恋のぼり』】座長/玉城裕規 演出/私オム 出演/石川凌雅、小西詠斗、萩野崇、服部武雄 【劇団『品行方正』】座長/七海ひろき 演出/三浦香 出演/加藤大悟、唐橋充、後藤大、廣野凌大 アリーナ席・1階席1万3500円 2階席1万1500円 3階席9500円 Mitt TEL:03・6265・3201(平日12:00~17:00) ※『anan』2023年12月6日号より。写真・宮崎健太郎 スタイリスト・藤長祥平 ヘア&メイク・車谷 結(荒牧さん) 塩田勝樹(七海さん、高野さん) 取材、文・尹 秀姫 構成、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/519113/ Source: ananweb

  • 2023.12.04

小日向文世「古希を迎える俳優たちが元気で、再び一緒に舞台がやれる。こんな嬉しいことはない」 | ananweb – マガジンハウス

小日向文世さんを筆頭に、出演者の名前の並びだけでワクワクさせる舞台『海をゆく者』。今回、キャストをほぼ変えずに再々演されるのだから、その評価は推して知るべし。 古希を迎える俳優たちが元気で、一緒に舞台がやれるのが嬉しいです。 「正直初演は、セリフの量も多いし段取りも大変で苦労した覚えがあるんです。ただ評判が良かったから、もしかしたら再演するかもな…と思ったくらい。でも今回の再々演のお話は、純粋に嬉しかったですね。ひとりだけ高橋克実さんに代わりましたけど、古希を迎える俳優たちが元気で、再び一緒に舞台がやれる。こんな嬉しいことはないですよ」 アイルランドのダブリン北部の町。クリスマスイブに集まった男たちがカードゲームに興じる中、ロックハートと名乗る男がやって来る。それこそが小日向さんの役なのだけど、じつは正体が…という、サスペンス要素満載のダークコメディだ。 「登場する男たちはみんな、けっして幸せとは言えない人生をおくっている人たち。それでもクリスマスイブに大好きなウイスキーを飲んで浮かれて。しかもオヤジなもんだから、お互いに無邪気にみっともない部分をさらけ出す。そのワイワイしている感じとか、本当に愛すべき人たちだなって思うんです。でもそこにロックハートが来ることで雲行きが怪しくなってくるんですけど」 その正体は…なんと驚き。知っているのは平田満さん演じるシャーキーのみで、ふたりにしかわからない駆け引きが繰り広げられる。 「一緒にポーカーをやっている間は、直接挑発したりは絶対にしないんですけど、シャーキーだけは彼の無言の圧力を感じているんです。ただ、ふたりきりになると、彼らだけがわかる言葉で追い詰めていく。そこのセリフの掛け合いがうまい具合に進んでいくのが楽しいです。栗山(民也)さんの演出も、音楽で物語を色付けしたりせず、人物ひとりひとりをちゃんと浮き立たせて見せてくださっているのも本当にいいんです」 丁々発止のセリフのやり取りだけで、じゅうぶんに場を持たせられる俳優たちが揃っているからこそ、だ。 「このメンバーだから一緒にやっていて楽しいっていうのはあります。お互いに20代の頃から知ってるし、さんざん芝居してきている連中だから信頼もしているし。今回はみんな70歳に近づいて、哀愁も漂うんじゃないかと期待しています(笑)」 PARCO劇場開場50周年記念シリーズ『海をゆく者』 クリスマスイブの朝。兄・リチャード(高橋)とシャーキー(平田)の兄弟が暮らす家に、ロックハート(小日向)という男が訪れる。彼の顔を見たシャーキーは顔色を変え…。12月7日(木)~27日(水) 渋谷・PARCO劇場 作/コナー・マクファーソン 翻訳/小田島恒志 演出/栗山民也 出演/小日向文世、高橋克実、浅野和之、大谷亮介、平田満 全席指定1万円ほか パルコステージ TEL:03・3477・5858  新潟、愛知、岡山、福岡、広島、大阪公演あり。 こひなた・ふみよ 1954年1月23日生まれ、北海道出身。オンシアター自由劇場を経て、ドラマ『HERO』などで注目を集めるように。最近の出演作に、ドラマ『VIVANT』、映画『大名倒産』、舞台『ART』など。放送中のドラマ『下剋上球児』にも出演している。 ※『anan』2023年12月6日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・石橋修一 ヘア&メイク・河村陽子(vitamins) インタビュー、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/519140/ Source: ananweb

  • 2023.11.28

大東立樹の新たな挑戦「衝撃を与えられるような悪役として存在できたら」 | ananweb – マガジンハウス

人の血をすすり陽を避け夜の街に生きる、少年少女たち“夜行”の過酷な運命を描いたドラマ『秘密を持った少年たち』。女王蜂のアヴちゃんプロデュースの龍宮城が主演するドラマで、夜行狩りのリーダー・黒瀬を演じているのが大東立樹さん。 衝撃を与えられるような悪役に。「毎日役のことばかり考えていました」 「これまで舞台中心でドラマの経験があまりなかったんです。18歳になっての新たな挑戦なので気合を入れて臨まないとと思って、毎日役のことばかり考えて生きてきました」 黒瀬は、親を夜行に殺されたとはいえ、かなり非情な人物。そのため「真っ先に悪役を研究した」そう。 「僕の中で最高の悪役といえば、映画『ダークナイト』のジョーカーなんです。完全に悪に狂っていて、人間の領域を超えている。あれ以上の悪って想像がつかないくらい。悪い人になるのではなく、悪い人としての心のスタンスを意識して演じていました。今回のドラマは、ホラー、恋愛、音楽…いろんな要素が詰まった作品なので、僕がそこで衝撃を与えられるような悪役として存在できたら、いい調和になる気がして」 現場では同世代の共演者が多い。 「とくに龍宮城の面々はガッツがあって、一緒にいるだけで刺激を受けます。(西田)至くんと闘うシーンを撮った後、帰りが一緒になって話したら、お互いに相手が本当に嫌いになっていたみたいで(笑)。それくらい役に入り込めたんだと思ったし、やり切った感があった場面だったのですごく嬉しかったです」 黒瀬と自分自身は真逆だと言うが、ならば大東さんはどんな人? 「いろんな要素を持ってはいると思うけれど、間違いなく言えるのは、人を軸に生きているってことかな。たとえばファンの方、観てくださる方、スタッフさん、もちろん家族…そういう人たちがいるから頑張れる。あと共演者の存在も大きいです」 子役としてミュージカルなどの舞台に立ち、その後アイドルとして活動も。今後についても気になるが…。 「目標はカメレオン俳優になること。あと、タイミングがきたらアーティスト活動もしたいと思っています」 『秘密を持った少年たち』 片想いの幼馴染み・ユキ(大原優乃)を救うために夜行になった玲矢(佐藤海音)は、同じく夜行の少年たちとバンド活動をしながら人間に戻るすべを探していたが、ひとりまたひとりと仲間が命を落としてゆき…。毎週金曜24:30~日本テレビ系にて放送中。 おおひがし・りつき 2004年11月29日生まれ、東京都出身。出演中の、本作を舞台化した『音楽劇「秘密を持った少年たち」』は11月23日まで全10公演、日本青年館ホールで上演。ドラマの前日譚が描かれる。 ※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・山本隆司 ヘア&メイク・井手賢司(UM) インタビュー、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/517973/ Source: ananweb

  • 2023.11.25

就職するも1年で辞め母親激怒…岡部たかし「芸能人になったらオモロいかなって…」 | ananweb – マガジンハウス

ドラマ『エルピス』で軽薄なようで内に熱いものを秘めたテレビプロデューサーを演じ、注目された岡部たかしさん。今さまざまなドラマでお見かけする“あの人”の正体とは? 自分の普通の生活も、突き詰めて演じれば、人には面白く見えるんだなと。 ――もともと俳優を目指されたのは、どういう理由からですか? 僕はバブル最後の頃に高校生だったんで、卒業後はわりといい会社に就職できたんですよ。でも、つまらなくて1年くらいで辞めちゃったんです。当時は会社に入ったら一生勤めるのが当たり前みたいな時代だから母親は大激怒。そこからバイトはしてたけど、23~24歳くらいになると周りと話が合わなくなって、田舎にいたくなくなるんですよ。そんなときに、芸能人になったらオモロいかなって…ただの現実逃避ですけどね。 ――でも芸能人になろうと思って、なれるものでもないですよね。 だからまず劇団に入ろうと思うわけですよ。松田優作は文学座出身やったな、とか思って。でもそういう有名な劇団の研究所は授業料も高い。そんななか、非常に安かったのが柄本明さんの東京乾電池でした。でも当時は柄本さんのこともようわかってなかったです。ジャッキー・チェンは好きだったけど、映画をたくさん観てたわけでもないし、小津安二郎も黒澤明も観たのは東京に出てきてから。それも、観たら柄本さんと喋れるようになるのかなっていうくらいの理由でしたから。 ――東京乾電池というと、チェーホフなどの翻訳劇や、別役実の不条理劇などをやりますが、当時はそれも面白かったですか? 僕は3年くらいしかいなかったんですけどね。別役さんも初めて知ったし、劇団内の作家が書いたホンもやってましたけど、あんまり意味はわかってなかったです。 ――でもお芝居は面白かった? 城山羊の会(※山内ケンジさんが主宰、作・演出)の最初の頃と同じですけど、言葉も難しいし、苦しみしかなかったです。ただ、その頃所属していた事務所がホテルなどでミステリーイベントを製作していて、そこでお芝居するのは楽しかったんですよね。結構自由にやらせてもらえて。でも、“演劇”ってなると苦しみの方が大きくてどう楽しんでいいかって感じで。 ――でも辞めなかったわけで…。 少しずつわかってきてはいたんでしょうね。でも、30代半ばぐらいになって、山内さんとやってきたこととかそれまでやってきたいろんなことと、自分の中の面白いと思えることとが、ようやく一致してきたというか。それまでもふざけてはいたんですけどね。 ――先ほどの話でいうと、フィットしない服をどうしたら面白がって着られるかをずっと模索し続けてきたのかなと思いました。 本当に、面白くなかったらあかんっていうのはつねに思っていますね。何をするにも。 ――その頃には、演劇も面白くなってきたわけですか? 城山羊の会で共演している岩谷(いわや)(健司)さんから、「あの瞬間から岡部がすべてわかった感じがした」と言われる舞台はあります。自覚はないんで「そうなんや」くらいですが。でも僕は感覚でやるタイプで、結局今でもノリなんですけど、岩谷さんは面白さを論理立ててやれる人なんですよね。 ――そんな岡部さんが、ご自身ですすんで出たいと思うような作品とか役はありますか? これはあまり言いたくない、というか恥ずかしいですけど、やっぱり城山羊の会にずっと出続けたいというのはあります。山内さんは、おもんなくなったら絶対呼んでくれへんやろなって思うんで。それは本人にもよう言わないですけど、山内さんが舞台をやるって聞いたら、声をかけられる前から勝手にスケジュールを空けて待ってます。でも少し前に、山内さんが長塚(圭史)さんと僕とで鼎談したときに「岡部さんとずっと一緒にやっているのは、やっぱり面白いからですよね」って長塚さんに聞かれて、「まあ、ずっといるからね」って答えたんですよ。少なくとも“いる”才能があってよかったと思ってます(笑)。でもそれ、なんかいい言葉やなと思ったんです。面白いですよね。 ――じつは昨年、出演者が自分の身に起きたことを演劇にして演じる『ワレワレのモロモロ』という舞台で、息子さんである俳優の岡部ひろきさんの回を拝見しまして。 観ましたよ。 ――あれ(両親が離婚。久しぶりに会った父親の舞台を観て俳優を目指すお話)はどうご覧になりました? 岩谷さんと村松(利史/としふみ)さんと午後の男優室というユニットで舞台をやっていたときも、自虐ものばかり作ってたんです。「自分のことじゃないと面白くない」というのは村松さんによく言われていて、それを書くのもどっか好きだったんですよね。自分の普通のあまり面白くない生活も、突き詰めて書いて自分で演じると、人には面白く見えるんだな、と。 ――そこは知らせないでよ、とかは思われなかったんですね。 そうですね。本当のことですし、面白かったんでいいかなと(笑)。 城山羊の会『萎れた花の弁明』は、12月8日(金)~17日(日)まで三鷹市芸術文化センター 星のホールにて上演。作・演出は、映画監督として『At the terraceテラスにて』なども発表している山内ケンジさん。本作では山内作品の常連である岩谷健司さん、岡部たかしさんのほか、岡部さんの息子である岡部ひろきさんも出演。 おかべ・たかし 1972年6月22日生まれ、和歌山県出身。劇団東京乾電池を経て、城山羊の会のほか、岩谷健司と共に、自身が演出も担当する演劇ユニット・切実を結成し活動。映像作品では、ドラマ『エルピス―希望、あるいは災い―』のほか、『リバーサルオーケストラ』『ハヤブサ消防団』、現在放送中の連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK)などに出演。 ジャケット¥81,400(カズキ ナガヤマ/スタジオ ファブワーク TEL:03・6438・9575) シャツ¥24,200(ユハ info@juha.tokyo.com) その他はスタイリスト私物 ※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・鹿野巧真 ヘア&メイク・浜田あゆみ インタビュー、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/517927/ Source: ananweb

  • 2023.11.08

阪本奨悟「まっさらな気持ちで臨みたい」 舞台『鬼滅の刃』遊郭編で炭治郎に! | ananweb – マガジンハウス

ビジュアルの再現度の高さに加え、音楽や照明、場面転換などの演劇的手法を駆使した多彩な演出で評価を受ける舞台『鬼滅の刃』。シリーズ4作目の今回は、重層的なドラマが描かれる遊郭編。本作から主人公の炭治郎を、阪本奨悟さんが演じる。 「炭治郎のまっすぐな純粋さを大事にまっさらな気持ちで臨みたいです」 「オーディションを受けさせてもらったんですが、すでに期待値が高い中で自分がそれを越えていけるかプレッシャーはありました。ただ、僕自身が兄姉と仲が良く、妹の禰豆子(ねずこ)を想う炭治郎に共感する部分も多く、演じてみたい役でもありました。炭治郎の魅力って、家族を想う純粋さだったり責任感だったり、諦めない心だったり…少年らしいまっすぐさなんですよね。15歳の炭治郎を自分が演じるにあたって、ここまで身についたものをとっぱらって、まっさらな気持ちで臨みたいです」 鬼となった妹を人間に戻すため鬼殺隊に入った炭治郎。「其ノ肆 遊郭潜入」と銘打った今回は、鬼の動向を探るため遊郭に潜入する。 「“柱”の宇髄さんの生い立ちが色濃く描かれる回でもありますし、僕としては花魁に扮した上弦の鬼・堕姫(だき)と炭治郎との戦いが舞台でどう表現されるのか楽しみです。それには僕もちゃんと準備しておかないと」 迫力ある殺陣も魅力の舞台だけに、舞台稽古に入る前から自主的に殺陣のレッスンに通っていたそう。 「殺陣の経験はあっても、そこまで激しいものはやってきていないんです。この作品には炭治郎を含めて超人的なキャラクターばかり。普通より1段上のレベルでないと表現できないものがあると思うので、事前にやれることはしておきたくて」 それは原作へのリスペクトゆえ。 「原作漫画や小説なら読んでおきたいし、アニメ化されていれば見て、作品や役への理解は深めておきたいじゃないですか。ただ、演じるのは生身の人間同士で、相手のお芝居を受けて生まれる感情もある。それが時には原作とは少し表現が変わってくることもあるかもしれない。でも、そこでリアルに生まれてきた感情を無視してしまったら物語として破綻してしまう気がするんです。僕は人と人が相対して生まれるものも同時に大事にしたいと思っています」 アーティスト活動もおこなっており、伸びやかな美声の持ち主として評価も高い阪本さん。今作でも歌を披露する場面があるそう。 「作品に自分が貢献できるとしたらやっぱり歌なのかなと思っています。歌を通じて役に繋がれる瞬間もありますので、そこも楽しみなんです」 舞台『鬼滅の刃』其ノ肆 遊郭潜入 11月12日(日)~19日(日) メルパルクホール大阪、12月1日(金)~10日(日) TOKYO DOME CITY HALL 原作/『鬼滅の刃』吾峠呼世晴(集英社ジャンプコミックス刊) 脚本・演出/末満健一 音楽/和田俊輔 出演/阪本奨悟、髙橋かれん、植田圭輔、佐藤祐吾、辻凌志朗、蛭薙ありさ、倉持聖菜、西葉瑞希、梶川愛美、佐竹莉奈、遠山裕介、廣瀬智紀、宮本弘佑、佐々木喜英ほか 【大阪公演】全席指定1万1500円 サイドシート1万1500円 【東京公演】S席(アリーナ、第1・第2バルコニー)1万1500円 S席サイドシート1万1500円 A席(第3バルコニー)9500円 A席サイドシート(第3バルコニー)9500円  ©吾峠呼世晴/集英社 ©舞台「鬼滅の刃」製作委員会 さかもと・しょうご 1993年6月13日生まれ、兵庫県出身。最近の主な出演作に、ミュージカル『刀剣乱舞』、演劇調異譚『xxxHOLiC』など。シンガーソングライターとしても活躍中。 ニット¥44,000(CULLNI/Sian PR TEL:03・6662・5525) 中に着たTシャツ¥14,300(CLOUD LOBBY/JOYEUX TEL:03・4361・4464) ※『anan』2023年11月8日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・山田安莉沙 ヘア&メイク・木内真奈美(オティエ) インタビュー、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/514039/ Source: ananweb

  • 2023.10.15

かつて寺山修司も熱視線! フランスが誇る、伝説的劇団による22年ぶりの来日公演 | ananweb – マガジンハウス

2001年に初の来日公演がおこなわれ、今も伝説的に語られる舞台がある。それがフランスの太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)の『堤防の上の鼓手』だ。この太陽劇団は、世界各国から集まった多国籍・多言語のメンバーにより、パリ郊外の元弾薬庫を拠点に、半世紀以上活動している集団。作品は集団創作だが、その創立者で主宰を務めるアリアーヌ・ムヌーシュキンは、日本の伝統文化に造詣の深い世界的なアーティスト。その太陽劇団、なんと22年ぶりに来日公演が実現する。 世界から称賛される仏の伝説的劇団。22年ぶりの来日公演が決定。 ©Michele Laurent 「フランスでは国が誇る文化として認知されている劇団です。日本でも、演劇好きの方々の間では昔から有名で、寺山修司さんなどは自身の劇団天井桟敷のパリ公演中に一緒にワークショップもやっていたそうです。前回の来日公演の盛り上がりは、そういう先進的な方々が、以前からフランスにこんなにすごい劇団があると書いたり発言したりしていたことが大きかったと思います」 とは、今回の招聘公演を準備してきた東京芸術劇場の立石和浩さん。 「太陽劇団がフランスで国民的劇団として評価を受けているのは、作品に政治や社会問題を盛り込みながらも“大衆に開かれた演劇”というスタンスを貫く姿勢を取っているからだと思います。世界にカリスマ的な演劇人は何人かいますが、ムヌーシュキンは、演劇は芸術文化に通じた知識人たちにとどまらず一般市民の親しめるものであることを意識している方。実際、パリでは劇団員が観客をもてなしたり、バックステージを開放して誰もが見学できたり、お祭りのような中で開催されるので、家族連れで訪れる人も多いです」 今回上演される『金夢島(かねむじま) L’ILE D’OR Kanemu‐Jima』は、日本を思わせる架空の島がモチーフ。国際演劇祭の開催が計画されている島で、リゾート開発やカジノ建設構想が持ち上がる、というもの。 「海外の俳優が日本人を演じているところなどはキッチュに見えるかもしれません(笑)。ただこれまでにも、歌舞伎の手法で波を布で表現したり、文楽など人形芝居の手法で演出したり、動物のパペットが出てきたり、ビジュアルでの見せ方も面白いんです。一方で問題意識の高い集団でもあるから、国際演劇祭に参加するために訪れる劇団の話として、世界の様々な社会情勢が織り込まれていたりもする。単なるファンタジーではないんですよね。祝祭性もありつつ社会問題にも目を向けていて、それぞれがそれぞれの立場でいろんな見方で楽しめるのではと思います」 これもまた間違いなく伝説的に語られる舞台になるはずだ。 アリアーヌ・ムヌーシュキン 1939年生まれ。太陽劇団創立者、主宰。ソルボンヌ大学在学中に太陽劇団の前身となる演劇集団A.T.E.P.を結成。演劇活動のほか、映画『1789年』などでは監督も務めている。 太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)『金夢島(かねむじま) L’ILE D’OR Kanemu‐Jima』 病に伏せる年配の女性が、架空の島・金夢島の夢を見る。島では国際演劇祭の計画が進んでいるが、リゾート開発を目論む反市長派が台頭。ふたつの思惑が交錯してゆく。10月20日(金)~26日(木) 池袋・東京芸術劇場 プレイハウス 作・出演/太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ) 演出/アリアーヌ・ムヌーシュキン 創作アソシエイト/エレーヌ・シクスー 音楽/ジャン=ジャック・ルメートル フランス語上演(多言語の使用場面あり)・日本語字幕付き。S席9800円 A席7800円 東京芸術劇場ボックスオフィス TEL:0570・010・296 11月4日(土)・5日(日)にロームシアター京都 メインホールでも上演。 © Archives Theatre du Soleil ※『anan』2023年10月18日号より。取材、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/510186/ Source: ananweb

  • 2023.10.06

真飛聖、稲垣吾郎の一言に「なんて男前なんだ…」 横山拓也書き下ろし舞台で共演 | ananweb – マガジンハウス

稲垣吾郎さんの最新舞台は、近年、劇作した『あつい胸さわぎ』が映画化されたり、小説『わがままな選択』で小説家デビューを果たすなど、注目を集める演劇ユニット・iakuの横山拓也さんの書き下ろし『多重露光』。多重露光とは、1枚のフィルムに複数の画を重ねるカメラの撮影技法のこと。親から継いだ町の写真館を営みながらも、どこか手応えなく生きている主人公・純九郎(稲垣)。そんな彼の元に、子供時代から毎年家族写真を撮りに来ていた憧れの一家の娘・麗華(真飛聖)が、ひとり息子・実(杉田雷麟・小澤竜心/ダブルキャスト)を連れて訪れたことから始まる物語。 過去に閉じ込めてきた想いが発露した先に、見えてきたものとは――。 横山拓也(以下、横山):最初にお話をいただいたときは驚きました。稲垣さんといえば、僕が昔からテレビで拝見していた方でしたから、「僕でいいですか?」ってところからでした。 稲垣吾郎(以下、稲垣):僕は横山さんの小説も読んでいましたし、今回オリジナルで書いてくださるのがとても楽しみだったんです。しかも演出家の眞鍋卓嗣さんも初めてで、ワクワクしているんですよ。真飛さんとは、鈴木聡さん作の舞台シリーズで、最初にご一緒してからもう…10年? 真飛聖(以下、真飛):えっ、もうそんなに経っているんですか? 稲垣:初共演は2012年だから、もう10年以上。 真飛:その頃の私、ピチピチしてました? 稲垣:当時から全然変わってないですよ。あのときの『恋と音楽』のシリーズはミュージカルで、僕は単独主演のミュージカルなんて初めてだったから、真飛さんにものすごく助けていただきましたから。 真飛:それはこちらもです。私は宝塚歌劇団を退団して初めてのミュージカルでしたし。 稲垣:でも初共演のときに驚いたんですよ。宝塚でトップスターまでされていた方なのに、いまだにこんなに役や作品のことを考えるんだって。僕も真飛さんも人見知りで、稽古が始まってから2週間くらい、全然会話していなかったんですけど…。 真飛:たぶん「おはようございます」くらいですよね。 稲垣:そんななか、ある日芝居のことを相談されて、すごく真面目な方なんだなと思ったし、本当にお芝居が好きな方なんだなというのが伝わってきたんですよね。 真飛:あのとき、私が役のことで悩んでいるのに気づいて、吾郎さん、わざわざ連絡をくださって、じっくり話す機会をもうけてくださいましたよね。 稲垣:あの当時はグループの仕事が忙しくて、稽古場にあまりいられなかったから…。 真飛:それまでパブリックイメージもあって、近寄り難い人のように感じていたけれど、そこでお互いの話もして距離が縮まって、お芝居が楽しくなったんです。それで吾郎さんと「いつかストレートプレイも一緒にやりたいね」って話してたんで、叶って嬉しいです。 稲垣:本当だよね。 横山:僕の中で真飛さんは、かっこいいクールなイメージがあったんです。それで最初は“お嬢様”っていう記号的なところからスタートして、後半で壊れていって僕らの知らない部分を見せてもらえたらなと思って、そういう役として書かせていただきました。そしたら稽古が始まって、自分の役に対して引っかかる部分を僕に言ってくださったんですよね。僕ら作り手と同じ熱量で作品に向かってくださっているってことだから、すごく嬉しかったし、信頼のおける俳優さんだなと思って。 真飛:何回も「文句じゃないですよ」って言いながら…。 横山:でも、ああやって言ってくださったことで、僕だけでは気づけなかったことに気づかせていただいたので、本当にありがたかったです。 真飛:吾郎さんは、普段はクールに見える方ですけれど、内面が本当に優しいですよね。初共演のときに、吾郎さんですごく印象的だったことがあるんですけど…。当時、宝塚を辞めたばかりで女子としてどう居たらいいかもわからない状況だったんですね。そんななか私が低いヒールを履いていたら、吾郎さんに「なんで高いの履かないの?」って聞かれたんですよ。「私、背が高いですし、そんな女子がヒールって可愛げなくないですか?」って言ったら、「ヒールは女の子の特権だよ。綺麗に見えるんだから、気にしないで履いていいんだよ」って言ってくれて、なんて男前なんだって思って、ちょっと泣きそうになったんです。 横山:僕は以前から稲垣さんのラジオをよく聴いていたんですが、昔思っていたイメージよりずっと生っぽい方なんだなというのが印象にあったんです。 稲垣:嬉しいですね。 横山:あと、昨年観た『窓辺にて』という映画で、ナチュラルにミステリアスな演技をされている稲垣さんが衝撃的で。あの生っぽさとかリアルな感じとか、今回結構参考にさせてもらった部分があります。 稲垣:これまでわりと普通の人間じゃない…ファンタジーも多いですし、そういう人を演じることが多かったですからね。僕、以前に真飛さんが言った言葉ですごく面白いなと思ったのがあって、宝塚時代のことを“竜宮城にいたみたい”だって表現したんです。僕もその感覚がよくわかるから、勝手に使わせてもらってるんだけど。 真飛:使ってるんですね(笑)。 稲垣:本当に不思議なんだよ。僕は人に見られるのも苦手だし、人見知りだし、本当は舞台なんて好きじゃないはずなのにやってるんだから。なんでこの仕事やってるんだろうって思うくらい。だから、なんで紅白歌合戦とか出られてたのか全然わからないし、いまとなっては夢だったんじゃないかって思うこともあるくらい(笑)。 真飛:だいぶやってますし、ここにいる全員が見てますよ(笑)。でも根がすごく優しい方だから、みなさんに求められていると思うと、やってしまうんでしょうね。塩対応に見えて意外と…。 稲垣:ひとりが好きとか言いつつ、結局、共演者とかスタッフとか、お客さんも含めてみんなで共有している時間っていうのが好きなのかもしれない。意外に、自分の中に人間らしさを感じたりして…。 真飛:私は役があると人前に出るのも大丈夫なんですけどね…。 稲垣:わかる。真飛聖を演じてるから、あんな大きな劇場で羽根を背負って立ててたってことあるよね。 真飛:そうなんです。立場がそうさせてくれていたというか。 稲垣:僕も、さっきの話じゃないけど紅白歌合戦とか東京ドームとか、よく立ってたなって思っちゃうもん。ただやっぱり幼い頃からこの世界にいて世間知らずではあるんで、今回のような知らない職業だったり知らない感覚をお芝居の中で体験できるっていうのは、すごく面白いです。自分が見たことのない景色を、役を通して擬似体験していく感覚とか。でも、横山さんが書かれているキャラクターって、一見普通だけれど、ちょっと変わっていますよね。 横山:これは僕自身もそうなんですけれど、自分が過去に傷ついたことだったり寂しいと思う気持ちだったりを、大人になる過程で、蓋して気づかないふりができるようになってきたと思うんです。その過去を閉じ込めている感覚がどこかアナログカメラに通じる気がして、そこが家族の物語としてうまく重ねられたらいいのかなと思ったんです。ただ、ここまでそれなりにごまかしながらうまくやっていたのが40代に入って、自分の中の欠落しているものや処理できていないことに対して埋めたい想いがだんだん発露し始めて…ってところから今回のドラマが始まるんですけれど。 稲垣:僕もだんだん器用になって、そういうことに鈍感になっちゃったけど、やっぱり解決できないこととか執着していることとかありますからね。 横山:そういうことって、誰にもきっとありますよね。 稲垣:とても面白くて興味深い脚本だなと思いました。 真飛:あと会話がすごく面白いですよね。普通に人が話すようなテンションですし言葉のチョイスも面白くて。ただ、私が演じる麗華に関しては、まだつかめてない部分が多いです。そんな私に、演出の眞鍋さんが、すごく歩み寄ってくださって、感情がちゃんと流れているかとか、何か疑問がないかとか、すごく聞いてくださるのでありがたいです。台本の読み合わせの段階から、横山さんの書いたセリフに対しての解釈をみんなでディスカッションする時間を作ってくださいましたし。 横山:眞鍋さんと「このセリフって氷山の一角だよね」という話をよくするんですが、しゃべっている言葉の下に隠された感情というのがあって。眞鍋さんは、稽古場で、俳優さんと話し合いながらそこを見つけていこうとしてくださる演出家だなと思います。 稲垣:読み終わってもまだ、これはどういうことだったんだろうってわからない部分もあるんですけど、その余韻が残る感じもとても演劇的な作品だと思います。 (写真中央)いながき・ごろう 1973年12月8日生まれ、東京都出身。弊誌の映画連載も好評。近作に映画『窓辺にて』、ドラマ『風よ あらしよ』など。11月10日に主演映画『正欲』が公開予定。 (写真右)まとぶ・せい 1976年10月13日生まれ、神奈川県出身。元宝塚歌劇団花組トップスター。現在、出演ドラマ『姪のメイ』(テレビ東京系)が放送中。近作に、『落日』(WOWOW)。ブラウス¥37,400(ソブ/フィルム TEL:03・5413・4141) スカート¥35,200(ダブルスタンダードクロージング/フィルム) その他はスタイリスト私物 (写真左)よこやま・たくや 1977年1月21日生まれ、大阪府出身。自身が主宰するiakuの作・演出を手がけるほか、外部への作品提供も多数。iaku『モモンバのくくり罠』は11月に開幕。 『多重露光』 写真館の2代目店主のカメラマン・山田純九郎(稲垣)の元に突如現れる麗華(真飛)。その息子と関わっていく中で純九郎はかつて求めた家族の愛情に触れられる予感を持つ。作/横山拓也 演出/眞鍋卓嗣 出演/稲垣吾郎、真飛聖、杉田雷麟・小澤竜心(ダブルキャスト)、竹井亮介、橋爪未萠里、石橋けい、相島一之 10月6日(金)~22日(日) 日本青年館ホール S席1万2500円 A席7500円 車イス席1万2500円 ※『anan』2023年10月11日号より。写真・魵澤和之(まきうらオフィス) スタイリスト・栗田泰臣(稲垣さん) 津野真吾(impiger/真飛さん) ヘア&メイク・金田順子(June/稲垣さん) yumi(Three PEACE/真飛さん) インタビュー、文・望月リサ 撮影協力・シャングリ・ラ 東京 (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/508766/ Source: ananweb

  • 2023.09.12

ヨーロッパ企画・上田誠&諏訪雅&永野宗典「25周年ですし、劇団員たちがワクワクする企画を」 | ananweb – マガジンハウス

京都を拠点に、ユニークな設定とユルい会話で繰り広げられるコメディで人気を博すヨーロッパ企画が、劇団結成25周年を迎えた。今年6月公開の長編映画『リバー、流れないでよ』を自ら製作したり、劇団員が出演する実験的ドキュメントバラエティ『ヨーロッパ企画の暗い旅』の制作など、劇団ながら演劇の枠組みを超えて活動する彼ら。最新作の『切り裂かないけど攫いはするジャック』を前に、25年続く秘訣を旗揚げメンバーである上田誠さん、諏訪雅さん、永野宗典さんに伺った。 ――25周年を迎えた劇団の最新作は、19世紀にイギリスで起きた切り裂きジャックの事件がモチーフ。 上田誠:25周年ですし、劇団員たちがワクワクする企画をというのが使命感としてあり、今回はミステリーコメディでいこうと。ミステリーというと作家がトリックを構築するのが主流ですが、僕らは集団でものを作る劇団ですから、ジャックものならやれるかなと思ったのが最初で…。 諏訪雅:劇の中盤くらいには、ジャックが何者か明らかになりますよね。 永野宗典:いま稽古中盤ですけど、僕はこれからまだ見ぬ新しいジャックが出てくるのかなと思ってますけど? 上田:ミステリーって最後の謎解きに注目が集まるのが宿命ですけど、それが怖すぎて、本当は最初に「僕がジャックです」ってところから始めようと思ったくらいです(笑)。 永野:僕が警部の役なんですが、群像劇でみんなが勝手に推理しだすから、邪魔くさくて仕方ないです。 上田:「推理をするな!」っていう決め台詞が生まれたぐらいですから。 諏訪:でもみんながまくし立てるように自分の言いたいことを言ってるのって、まさにヨーロッパ企画って感じの群像劇になってると思う。 上田:ミステリーってある材料を最初にざっと出して、ロジックでそれを収れんさせていくものだけれど、演劇…というかコメディは、要素がどんどん出てきて場が散らかっていく様子が面白かったりする。それを両立させられないかというのが、今回の狙いでもあります。 ――タイトルの絶妙なユルさも秀逸。 上田:演劇は結構作家主義ですけど、僕らはタイトルも合議制です。でも毎回超コメディらしいタイトルですから、発表するのに勇気がいるんです。演劇界で馬鹿にされないだろうかとか、もうちょっと文芸チックな方がカッコつくかなとか思いながら、ひたすら痩せ我慢してる感じ(笑)。 諏訪:僕らはつねに判断基準が面白いか面白くないか、ですからね。 永野:ふたりは関西人なんで笑いにむっちゃ厳しいんですよ。 上田:もともと僕も諏訪さんもお笑いに関して結構うるさい方なんで、どこかでダサい笑いはやりたくないっていう気持ちがあるんですよ。あと、演劇というと、伝えたいメッセージがあったり、感情のヒダを描くとか、現代社会を切り取るとかの目的が多いと思うんですけれど、僕らの場合、面白いことをやろうと集まっているっていうのが、ヨーロッパ企画の特性なのかなと思います。 諏訪:そもそも劇団名に劇団を付けなかったのは、演劇だけじゃなくいろいろなことできそうな気がしたからなんだよね。昔からみんな映像を撮るのが好きだったりもしたし。 上田:ただ演劇は好きなんで、せっかくなら“劇団”のイメージをもう少し広げられたら面白いですよね。 (写真上)うえだ・まこと 1979年11月4日生まれ、京都府出身。脚本を手がけるドラマ『時をかけるな、恋人たち』(カンテレ、フジテレビ系)が10月10日より放送スタート。 (写真中)すわ・まさし 1976年8月26日生まれ、奈良県出身。俳優のかたわら、脚本・演出なども手がけており、作・演出舞台に『ガチでネバーエンディングなストーリぃ!』。 (写真下)ながの・むねのり 1978年2月17日生まれ、宮崎県出身。俳優のかたわら、映像監督や脚本なども手がける。出演近作にドラマ『スーパーのカゴの中身が気になる私』。 ヨーロッパ企画第42回公演『切り裂かないけど攫いはするジャック』 9月20日(水)~10月8日(日) 東京・本多劇場 作・演出/上田誠 出演/石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、藤谷理子、金丸慎太郎、早織、藤松祥子、内田倭史、岡嶋秀昭 一般7000円 U25シート2500円(前売りのみ) 平日割一般6500円 サンライズプロモーション東京 TEL:0570・00・3337(平日12:00~15:00)  滋賀、京都、高知、福岡、広島、大阪、神奈川、愛知、富山でも上演。 劇団結成25周年。四半世紀にわたり人気を継続し続けるヨーロッパ企画とは? 人気の理由1:ユニークな設定 押し入れ1間程度の超々狭小集合住宅に暮らす人々の工夫を凝らした日常を描いた『Windows5000』など、劇構造や設定のユニークさで魅せるのがヨーロッパ企画。「まだ世の中で劇になってないものを見つけて、どうしたら劇にしていけるかを考える」(上田さん)そうで“企画性コメディ”と呼ばれる。見たことのない世界を舞台上に具現化させる、凝った美術セットも興味深く見応えあり。「設定だけ聞くと、演劇として成立するの? と思うけれど、どう劇化するかを聞くと、毎回、それ面白そうって思えるんです」(諏訪さん) 『遊星ブンボーグの接近』 地球に降り立った身長数cmの宇宙人たちが、デスクの上を旅し、巨大文房具と戯れる。普段見慣れたカッターナイフや消しゴムが、巨大化して劇場に置かれている状況からすでに楽しく、自分も小人になったような気分に。撮影:清水俊洋 人気の理由2:笑いのセンス ヨーロッパ企画のコメディは、大爆笑というより、ユル~い会話の中から生まれる、ちょっとトボけたクスッとした笑いが特徴。じつはこれ、稽古場で上田さんが提示した設定で俳優たちがエチュード(即興劇)を繰り返し、その中で生まれたものが取り入れられている。「自分たちがやった場面だから、すでに笑いとして出来上がっている」(上田さん)ゆえのリアルさも絶妙。「設定はトリッキーだけど、誰もが感じるようなことを取り上げていて、そのへんのリアリティが多くの人に楽しんでもらえている理由かも」(永野さん) 『来てけつかるべき新世界』 通天閣を擁する大阪・新世界を舞台にしたSF作品。狭い路地をドローンが行き交い、野良犬ならぬ野良のロボットがうろつき、売れないお笑い芸人がAIを相方にするなど、未来も新世界らしさは変わらずなところが面白い。撮影:清水俊洋 人気の理由3:個性あふれる劇団員 稽古場でのエチュードから生まれた笑いが作品に反映されていることは書いたけれど、その面白さも、リアルな生っぽい空気感がそのまま舞台上に再現されるからこそ。しかもそれを演じる面々は、どこにでもいそうなのに佇まいや風貌に、それぞれの個性が滲み出て、それが作品の面白さにも繋がっている。「僕は劇作の中身と同じくらい、作品を立ち上げる中で起きる実際のドラマを大事にしていますが、それは劇団員やスタッフに対しても同じ」(上田さん)。「その蓄積が、物語に生かされているんだと思います」(永野さん) 『ムーミン』 世界的に有名なトーベ・ヤンソンの同名童話をモチーフに、谷で寝たり食べたり、ひたすら遊び暮らす男たちを描いた作品。設定はトリッキーながら、シンプルな劇構造だからこそ、出演者それぞれのキャラクターの面白さが生きた作品。 ※『anan』2023年9月13日号より。写真・土佐麻理子 インタビュー、文・望月リサ (by anan編集部) https://ananweb.jp/news/504197/ Source: ananweb